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#14 人で賑わう銀行に〔オランダ滞在記〕

2022年6月3日 @Amsterdam-Zuid
オランダ DAY3
CIRCL ( ABN AMRO )


オランダの3大銀行(ABN AMRO / ING Bank / Rabobank)の1つである
ABN AMRO が建てた複合施設 CIRCL に行ってきた。


CIRCL ができるまでのいきさつ

銀行の立地の良さを活かせていないことに課題感を持ち、
日常的に市民が立ち寄れる場所をつくることに。

🤔ここに課題感を持ったっていうのがまずすごい。

ABN AMRO は倫理観が高く、その1つとして
サーキュラーエコノミー(以下CE)推進にも
ファイナンス分野で貢献してきた。

だから、施設を新設するにあたって、
CEのコンセプトを取り入れることになったそう。


建設業×CE

material flow analysis (MFA) という、
ある国や地域の一定期間内のモノの流れを分析する手法がある。

アムステルダム市が MFA を行った結果(↓)、
建設業界のインパクトが大きいことが分かり、
建設/解体廃棄物の問題に優先的に取り組んでいる。

https://greenevents.nl/en/material/2020-the-year-of-100-circularity-at-dgtl-festival/


CIRCL の施設を設計する際、
CE で建設業界の問題を解決するべく、
以下の点が意識されている。

□ Urban Mining

遠くから輸入したりせずに、
都市部の廃棄物を活用する考え方。

Urban Mining (都市鉱山)という、
都市でごみとして大量に廃棄される家電製品などに
存在する有用な資源を鉱山に見立てたものという概念
がもとになっている。

・市内のオフィス解体に伴う廃棄物
・ABN AMRO 従業員の不要になった服
・廃棄される自転車
などが、CIRCL の床, 窓, 家具, 断熱材, ベンチ
などになり、建物を構成している。

□ 分解・回収可能

CEでは、元の価値をできるだけ落とさずに
資源として使い続けられるかが重要。
設計の段階で、分解と回収を考える必要がある。

CIRCL のいたるところにこの工夫がされていて、
使われている建材のなんと90%が分解・回収可能。


分解・回収を可能にするために

□ Building as Material Banks (BAMB)

取り外し可能な設計。

CIRCL のエレベーターは PaaS (Product-as-a-Service)。
つまり、解体時に捨てられるのではなく、
企業に返却される。


□ リデュース>リユース>リサイクル

優先順位はこれ。
不要なものは最初から使わない "リデュース" が1番大切。

通常は天井のパイプやコードを隠すが、
あえて見せるデザインにすることによって天井ボードが不要に。

「CIRCL」という名前にも
洒落たメッセージが込められている。
 正しいスペルは "circle" だけど、
 "e" がなくても同じ読み方ができるよね。
 じゃあ取り除こう。→ "CIRCL" に。


その他

太陽光のUSBポート
発酵させて食品保存

おしゃれだし居心地も良くて、
食事とおしゃべりを楽しんでる人もいれば
資料広げて仕事の話してる人もいれば
環境系のイベント日だったからそれの参加者もいた。


ミスプリント・オーバープリントされた紙のアート

紙アートの展示会は
5/10~7/29 の期間限定らしい。

ラッキー⭐

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