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詩、短歌、短編小説などの創作物

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2024年2月の記事一覧

鳥だったら

鳥だったら

俺が鳥だったら

おまえの手の中で死なせてくれ

ベランダの枯れたプチトマトを

引っこ抜いてそこに埋めてくれ

俺が骨になったら掘りかえして

竜骨突起を拾ってくれ

俺に翼があった証

穴を開けてチェーンを通して

おまえの首にかけてくれ

おまえの竜骨突起になって

おまえと飛びたいんだ

鳥好きには見逃せないタグを見かけましたので、参加させて頂きます。
#青ブラ文学部 #鳥だったら

ふぉれすとどわあふは永遠に

ふぉれすとどわあふは永遠に

#ふぉれすとどわあふ

リレー?
分岐?
ブロッコリー?小説!
#ふぉれすとどわあふ で検索!

三羽さんの最終話に続いちゃう?

ぺこぺこぺこぺこ……

宇宙空間に音はないが
その宇宙船は確かにそんなオノマトペで飛んでいた。

スイッチ、オン! ↓

はーい♪宇宙のみんなこんばんは
今夜もミッドナイトクルーズ!
パーソナリティはみんなの屋根に降りつむ雪こと鳥さんが宇宙船スタジオからお届けす

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宝物

宝物

小箱の中に

そっとしまわれて

忘れられているものは

たとえば

小学生の頃に読んだ星占いで

向いている職業の中に見つけた

探偵

ということば

だったりする

【短編】ふぉれすとどわあふ(pao星)

#ふぉれすとどわあふ

ヒヨリン ヒヨリン ……

人を小馬鹿にしたような音をずっとたてているコーヒーメーカーを、腰に手をあてたミユが冷えた半眼で見つめている。

辺境の星paoで小さな雑貨屋「ふぉれすとどわあふ」を営んでいるミユのもとに、地球から一台のコーヒーマシンが届いたのは、pao時間で1週間前のことだ。コーヒーが飲みたい、どうしても飲みたいという常連のピヨ助のたっての願いで発注したもの

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イリュミナシオン

イリュミナシオン

台形の陰を抜けると

まだ 力の弱い 透明な光が

優しく前髪に触れる

朝日とキス

前方を 湯気を吐きながら

ゆっくりと左折する車

賑やかなシジュウカラを

耳で見て目で聴く

掃き清められた道路

おはようございます

いいお庭ですね

おはようございます

いってらっしゃい

今度は木の枝の隙間から

ウインクしてくる

少し強くなった光

薄青い空に

ザリガニみたいな雲が

陽気に

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