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LIFE SHIFT

こんにちは、数年ぶりにCDを買ったのですが、スマホにインストールする方法が分かりません、domoです。ダウンロードしたらよかったと激しく後悔しています。

今日は「LIFE SHIFT」のブックレビューを書きます。

サマリー

タイトル:LIFE SHIFT(2016)
著者:リンダ・グラットン/アンドリュースコット
要約:今まで人生は教育→仕事→引退の3ステージの構成が当たり前だった。しかし世界的に長寿化が進むことで、仕事のフェーズが大幅に延びることが予想される。仕事のフェーズが延びると、従来の3ステージ構成で受けた教育だけでは生産性を保つことが出来ない。
また寿命が長くなるとパートナーや家族との関係にもより多くの変化が訪れる。
そのため、人生100年時代を生きるには、キャリアの途中で再度教育のステージに入ったり、家庭に入る時間を設けたり、キャリアや人生を見つめ直すサバティカルな時間を設けたりするマルチステージ化していくと予想される。

このように人々の働き方、生き方はよりフレキシブルに、多様化していくため、企業や政府が決めた画一的なルールややり方に縛られることなく、各々が変化に備えて行動することが求められる

個人的評価:★★★★☆

著者紹介

本書はロンドン・ビジネススクール教授のリンダ・グラットンさんと同経済学教授アンドリュー・スコットさんの共著となっています。
リンダ・グラットンさんは2011年に発刊されたWORK SHIFTの著者としても有名で、日本語に翻訳されているものはWORK SHIFTとLIFE SHIFTの2作のみとなっています。

構成

本書は以下11章にて構成されています。
序章および第1章で人間の寿命がここ150年間右肩上がりに伸びてきており、かつ減速する様子もないことが触れられています。このことから2000年以降に生まれた子供の多くは100歳以上まで生きる可能性が高く、人生100年時代ではこれまでと何が変わってくるのかが書かれています。
第2章から第9章までジャック・ジミー・ジェーンというそれぞれ1世代(25年程度)程生まれる年が異なる人物を例に、それぞれがこれからの人生をどのように生きればよいかが多くの視点で書かれています。
最後に終章では人々の働き方・生き方が変わろうとしていく中で何が課題となるかに触れられています。

序章:100年ライフ
第1章:長い生涯
第2章:過去の資金計画
第3章:雇用の未来
第4章:見えない「資産」
第5章:新しいシナリオ
第6章:新しいステージ
第7章:新しいお金の考え方
第8章:新しい時間の使い方
第9章:未来の人間関係
終章:変革への課題

所感(感想)

この本を読んで最初に感じたことは前に読んだちきりんさんの「未来の働き方を考えよう」とかなり似てるな、でした。
発刊順としてはWORK SHIFT → 未来の働き方を考えよう → LIFE SHIFTなので、もしかするとちきりんさんはWORK SHIFTからインスピレーションを得られた部分もあったのかもしれません。(WORK SHIFT読んだらその時のレビューでまた触れたいと思います。)

本書における予想や考察は多くのデータや文献に裏付けされており、著者の知性の高さがうかがえます。

本書を読んで多くのデータに裏付けされた学びがありましたが、まずは何といってもここ数十年の寿命推移です。ここ30,40年は日本がトップとなり、この寿命曲線を牽引しています。

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こちらのグラフは個々の文献から引用させていただきました。

このままのペースで寿命が伸び続ければ、私自身も100歳まで生きることになり、それは正直今まで想像したこともありませんでしたが、現実的な未来だと言えます。

老後に向けて貯金や資産運用をすべき理由として、多くの書籍・文献で述べられる理由は日本の人口ピラミッドが少ない若者が多くの老人を支える形になっていき、年金が不足するからというアプローチが多いと思います。

本書ではそれに加えて、勤労年数と引退年数、引退後に引退前と比較してどの程度の生活費を確保したいかを基に最終所得の何%を貯蓄に回すべきかを示しています。人生100年時代において、65歳に引退しては残り35年を最終所得の50%の生活費を確保しようとすると、毎年所得の25%を貯蓄に回さなければいけない計算になり、多くの人にとって不可能に近い数字となります。そのため、残念ながら多くの人は現在よりも長く働く必要があります。


本書ではお金に代表される目に見える資産だけではなく、目に見えない資産の重要性についても書かれています。目に見えない資産は以下3つに分類され、人生100年時代においては特に3つめの変身資産の重要性が増してくると述べられています。

・スキル、知識に代表される生産性資産
・肉体的、精神的な健康と幸福をもたらす活力資産
・変化に適合させる意思と能力変身資産


この本を読んだ読者の頭には「自分の人生・キャリアをどう設計するのか」という大きな問いが浮かぶと思います。
人生が100年だとすると、これから自分自身のキャリア・人生で何を実現したいか、何に重きを置くかは例えば親の世代とも違うでしょうし、個々によっても異なると思います。
この問いに対する答えは時間をかけ、時に家族や友人と会話をしながら探していきたいと思いました。

読んでいただきありがとうございました。また書きますので興味ある方は「フォロー」よろしくお願いします。ではまた。

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