不動産が「負動産」になる事実に気づいていない。

まずはじめに、この記事は不動産投資をされている方向けではありません。

私は現在44歳です。いわゆる「団塊世代ジュニア」です。今日、文春でこんな記事を見つけてこの記事はトリガーになるんじゃないかなと思ったのでマイホーム購入を検討している方や既に持っている方にも知って欲しい事を書いてみたいと思います。

文春の記事は以下です。

この記事のライターさんもプロフィールを拝見する限り、不動産業界で経験が豊富な方なのかもしれません。

昨今の戸建て販売事情を冷静に考えると

横浜市戸塚区はJRの戸塚駅、東戸塚駅を中心に構成されている地域です。東戸塚駅と戸塚駅で多少異なってくるので戸塚駅に関する事として読んでくださいね。

戸塚駅からの電車のアクセスは都内までも1時間以内で行けるため、不動産専門の不動産購入関連の駅の人気ランキングでも度々上位にランクインしてきました。実際の戸建ての販売を見てみると、ほとんどが分譲住宅です。古くから60坪以上の土地で戸建てを持っている方の土地を購入して、そこに2軒以上の戸建てを建てて販売するという手法です。

80坪の戸建てが建っていた土地の建物を壊して、2つに分けて2件建てて販売する。そうすると単純計算で1戸あたり40坪相当になるから、最近で言うとまあまあの戸建てが持てるということになりますね。

でも、この2つに分けて販売される戸建て住宅って「高すぎる」と思うのです。

不動産事業者からすると、80坪の戸建てを手放したい方から3000万で購入したとします。既に立っている建物の解体、2つに分けるための造成、それから2つの住宅の建築、この費用も含めると5000万掛かったとします。ここで利益を上げるためには、5001万以上にすべきですが、だいたい3500万×2戸くらいで売り出しを始めるでしょう。ひどいと3980万とかで売り出し始められます。この時点で5000万で仕入れた商品を7000万で売ろうとしているわけですから2000万の利益になります。

不動産事業者の長い歴史の中で得たテクニック

もちろん、家を売買するということは、大根や人参を売買するのとは違いなかなかお客さんも見つからないし、時間も経費も掛かるからある程度の利幅がいるのもわかります。でも、多くの分譲住宅販売スタイルはちょっと暴利に近いんじゃないかなと考えています。

3000万とか3500万になると金銭感覚もマヒしてくる部分を突いてくるテクニックも持っていて3500万の戸建てを「頑張って3200万まで値下げしました」と言ってくることも多いのですが、これは最初から想定済みの値下げだったりします。つまりはほとんどの物件がオーバープライスで販売スタートしているんです。この辺りはちょっとアパレル業界に似てます。

買う側も「300万も値下げしてくれたから、これは買いだ」と思って、より購入する気持ちが揺れます。この辺りを長い業界の歴史の中で知っているのでこの手法が続いているのでしょう。

大半の人がローンで購入します。今は35年ローンも当たり前です。30歳で35年ローンで購入すると65歳までローン返済があります。人生100年時代になっている今は65歳くらいまで働いて収入があるのは当たり前の時代だからローンの返済も可能だと考えて多くの人が購入します。

マイホームを持つのが家庭を持ったら当たり前

マイホームを持てる人になりたい

という文化がまだまだ根強い日本ですから。買いたい人は少子化で以前よりは減っていますが、結婚したら買う、子供ができたら買う、など購入したい人は一定数出現し続けますから。

資産が利益になるという勘違いも

マイホームを購入すると「資産」を持つことになります。ですから「固定資産税」を支払うわけです。ただ、これからの時代マイホームは「資産」になる事はあっても「利益が出る資産」になる可能性は少ないと考えて購入しないと危険という事を理解して購入して欲しいです。

なぜならば、国内には既に過疎地域から「空き家ウェーブ」が来ているのはご存じでしょう。空き家が全国でどんどん増えてきています。空き家が増えてきているという事は、その空き家を誰かが買って住めば新築の必要は無いはずなのに、空き家になっている物件は誰も買わずに、新築を買う人が多いから空き家が増えているということですね。

近い将来、みんなこのことに気づいて空き家を買う人が増えてきます。もちろんその為には不動産事業者が空き家を販売する方向に舵を切る必要がありますが。空き家が増えている背景にも増えている根拠があり、なかなか空き家を販売する不動産事業者が出てこないのが現状です。

空き家は「お願いだから買ってください」とまでは言いませんが、売る側も価値を感じないか維持が難しいから手放すことが可能な物件が多いわけですから1つの土地を2つに分けて売っている分譲住宅よりも、安価で広い土地のマイホームを持つことも可能な事が多いです。

さっきも言いましたが、マイホームを購入したところで多くの人が「利益が出る資産」になる時代は来ません。購入する側が少しだけ考えてどうせ利益にならない資産なのであれば少しでも安く、少しでも広い土地が良いから空き家物件を買おうという人が増えてくれば、今の高すぎる新築分譲事情を変えられるんじゃないかなと。

この話はまだまだ細かい部分を書くと長くなりそうなので今日はここまで。

マイホームを購入を検討している人の考える材料になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?