Tea Time With Her
彼女は語る。
「夢を見ていたの。ずっと昔の、けれどずっと先の。月は涙を流していたわ。泉は満たされて、時の雫は流れ落ちる。降り積もる砂のように。星はたくさん輝いていたわ。きらきらと。くるくると。踊っていたわ、軽やかに、跳びまわるように。歌っていたわ、妖精のように。森の中で木々はざわめく。語らい合う影と光、その陰影の中で、俯きながら落書きをしている子供がいて。話し掛けたの、そしたら何て言ったと思う?――おひさまはまぶしいねって」
彼女はゆっくりとまばたいた。そして空を見上げた