マガジンのカバー画像

小説

13
運営しているクリエイター

記事一覧

KING

死ねよ へー、面白いこというじゃん はい? 俺のために死ねるって? たぶん どうしてほし…

500
天の川みちる
1か月前

舞台と舞台裏はひっくり返る

命懸けで舞台に立っていた。スポットライトを浴びるとき、わたしは真に生きていた。死んだよう…

16

楽園の花

目蓋の裏に太陽が張り付いている。罪人の印。遥かな記憶、遠い昔からやって来た、懐かしい風景…

2

手記・死に至らぬ病

 ツイッターに悪口が書かれていた。名指しこそされなかったが、内容やタイミングが私の行動と…

6

眠れぬ夜に

夢が降ってくるようにと祈りながら白湯を飲んだ。あったかくて、水からできてて、いのちみたい…

1

存在確認

なだらかな坂道を歩いている。作り物の町並み、カラクリ人形の人々。ショー・ウィンドウに僕の…

2

悪戯という名の、

ある雨の日、君は傘を持っていなかった。 玄関でぼんやりと空を見上げる君に、僕は声を掛けた。 その、振り返った時の目元が、赤かったのを覚えている。 真ん丸に見開いた瞳をぱちくりさせて、君はごめんと言った。 「どうして謝るの」 「だって、私、邪魔でしょう」 「どうして邪魔だなんて思うの」 「だって、道を、塞いでいるから」 「それ、みんな同じだよ」 僕は傘を広げた。 「入る?」 「え、でも、そんな、」 「女の子が濡れて帰るのは、気分が悪いんだ」 「そう……なんだ」 「傘、忘

まっどてぃーぱーてぃー。

「あなたの美味さは苦味なんだと気付きました」 「今更だね。砂糖とかミルクもたまには欲しい…

Tea Time With Her

彼女は語る。 「夢を見ていたの。ずっと昔の、けれどずっと先の。月は涙を流していたわ。泉は…

2

過痕

入院している最中に書いたもの。失った代わりに得たもの。 * 揺れる三日月、跳ねる魚、歌う…

1

太陽と月

私はいつからか、腹の内を見せなくなった。 目を瞑れば思い出す、あの日の光景、あの日の記憶…

クビナシ

滴り落ちる夢の中で、微かに聞いた音。閉じられたドア。笑い声が響いている。ヒタヒタと近付い…

1

金魚

甘すぎるものは毒になる。そう、私は初めて知った。何なのだろう、一体、この感覚は。吐き気を…

1