最初にこの句を目にした時、鮎は川下に向かって泳いでいるものと思った。しかし、週刊新潮の紙面にて、嵐山光三郎はこの句について次のように書いていた。
孵化して海に下った鮎は、春になると群をなして川を上ってくる。急流をはねとんで上流をめざす若鮎の惜しまざる水しぶき。鮎は、水が清く、餌が多いほど生育して香気をおびてくる。水流と格闘した天然鮎は身が締まり、「養殖の鮎」にはないパワーがある。高士は星野椿の長男で…
仙人たちの文字を通した掛け合いは、かくも深く美しいものかと息を呑んだ。
ちなみにこの切り抜きは、体調を崩して句会を休んだ私に先輩が送ってくださったもの。ありがたい。元気が出る。
