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本当に怖いのは。

毒マシュマロなるものをいただいた。

Twitterの一次、二次創作界隈におられる方ならご存知だと思うが、匿名でメッセージが送れるツールのことである。

ポジティブな内容ならば普通に『マシュマロ』なんだけど、ネガティブだったり攻撃的な内容だと『毒マシュマロ』もしくは『焼きマシュマロ』と呼ぶらしい。

で、毒マシュマロをいただいた。

私はあるジャンルの二次創作界隈のすみっこで自由気ままに絵や漫画を描いているんだけど、正直、フォロワー数も少ない、pixivのブックマーク数も少ない、飛び抜けて絵や漫画が上手いわけでもない、あるのはその作品に対する愛情と尊敬と情熱だけという、まぁ、そんな感じで同人活動をしている一介の主婦である。

毒マシュマロが届くのは、絵が上手な人やフォロワー数がめちゃくちゃ多い人という印象だったので、まさか自分に届くとは夢にも思ってなかったのでびっくりした次第。

で、どういった内容だったのかというと、

キャラを性的に描きすぎている(基本的に18禁多めに描いてるからなぁ……)。
漫画の流れが下手すぎる(端折って描いちゃうんだよねぇ……すまんね)。
絵が上手くない(精進します)。
pixivにアップしている全作品を読んだが、何一つ印象に残らない。むしろ嫌い。

え、ちょっと待って……。
全作品、読んでくれたの?
え、すごくない?
嫌いなのに全部読んだの?
このマシュマロ、もしかしてネタなの?

と、批判的なわりには全作品読んだとか書かれているから、これはもしや私へのダメ出しというか、むしろアドバイス? と勘繰ったのだけれど、最後の最後に「消えてくれ」みたいなことが書いてあったので、やっぱりこれは違うな、と。

好きの反対は無関心というけれど、この方は「嫌い」と言いながらも全作品を読み、なおかつマシュマロまで送って攻撃してくるあたり、本当は私のことが大好きなのでは? とポジティブに捉えてみたけど……うん……やっぱり違うな。

で、地味にメンタルが凹み、創作意欲が削がれるわけですけど、それよりも辛いのが、この毒マシュマロを送ってきた誰かが、もしかしたら親しい人かもしれないという疑心暗鬼に駆られることではないかと気づいた。

そんなわけがないし、親しい人達と信頼関係を築いていると思っているけど、そんなふうに思えない人も中にはいるかもしれない。
これは辛いなと、毒マシュマロをもらって初めて気がついた。

そんな時に、友人がある動画をツイートしていた。
その動画はウルトラセブンのメトロン星人の回だった。
ウルトラセブンことモロボシ・ダンがメトロン星人とちゃぶ台を挟んで会話しているシーンである。

メトロン星人は言う。
「地球を壊滅させるのに、暴力を振るう必要は無い」と。
要は人と人との信頼関係を潰せば、人同士勝手に争って自滅する、と。

あ、なんかこれに近いなとハッとした。
疑心暗鬼に駆られ、周りを信用出来なくなって自滅する。
毒マシュマロの作用は、受け取った側の創作意欲を削ぐばかりか、人間関係さえも壊してしまう。
ある種の呪いをかけられたようなものだ。

結果、私は本アカウントを削除した。
毒マシュマロを送ってきた人はさぞかし喜んでいると思う。
あとはpixivにアップしている作品を消せば完璧なのに……くらいは思っているだろう。

で、あまり動かしてなかった鍵アカウントへお引越しした。
そのまま黙って消えるほどヤワでもないし、むしろnoteに書くネタができたと思ったし、なにより全てにおいて「超絶めんどくせぇぇぇぇぇぇ」となったので思い切って本アカウントを潔く消せたし、鍵かけてまったり過ごしたくなったのよ、ごめんやで。

逃げるが勝ちということもある。
そんな毒物に真っ向から立ち向かわなくてもいい。
私は私のためにTwitterをやっているだけで、誰かのためではない。

楽しくて、でも窮屈なこの世界から飛び出したいと願っていた私の背中を押してくれたことには、ほんの少し感謝してあげてもいい。

負け犬の遠吠えと思うだろうか。

ちなみに、その時に頭の中に流れていた音楽は、レニー・クラヴィッツの『Are you gonna go myway』とBECKの『Loser』だったことはないしょ。
いや、別にないしょじゃなくてもいいんだけど。