文化の日を先取りした気持ち/「累々」読了しました
今日7月17日は海の日。三連休の最終日。
昨日までの連勤を終え、明日の出勤を控えていた私は、疲労と暑さのせいで部屋のベッドで溶けていた。
何もしたくない…と思いつつ、気がついたら本を3冊読了していた。こんなにテンポ良く本を読めたのは久々かもしれない。
しかも夕方には映画も観に行った。映画は数日前にネットで予約しており、キャンセルしても返金できないので、何とか劇場に行き、無事に鑑賞できた。
灼熱の海の日に、こんなにも文化的に過ごしてしまった。文化の日を先取りしてしまったかもしれない。
暑すぎると食欲がなくなりがちなのだが、今日の食事は反省している。
朝:素麺
昼:惣菜パン、エナジーゼリー
間食:モナカアイス
夕食?:ポテトスナック
夜食:葛餅
こんな食生活だから、毎夏ばてるんだよなあ…。
こうして、文化的で不健康な一日が終わっていく。
今日読んだ本のうち、取り急ぎではあるが一冊記録したいと思う。なるべくネタバレは避けようと思う。
「累々」松井玲奈
最近短編集を読むことが多いせいか、この本もそうだと思っていた。でも、読み進めていくうちに、全てが数珠のようにつながる話だって気が付いた(よくよく見たら、小話のタイトルに連番がついていた)。そして、ゾクっとした。繋がってほしくないと思っていたから。
この作品に出てくる女性に対し、共感できる点もあれば、心底理解できない点もあった。それは日常でもよくあることだ。
あらすじにもある通り、人は複数の顔を持っている。それはほとんどの人が該当するだろう。
そして、人や環境に応じて顔を選択している。選択する顔が多いほど、本当の自分はどんな顔なのかわからなくなるかもしれない。
くどうれいんさんの解説を含め読了し、人は多面体なのだと思った。複数の面を持ち、一方から面を見ると、その反対側の面は見えない。
全ての面を知ろうとして展開図にしてしまうと、知らない方が良かった面を知ってしまい、かえって不幸になるかもしれない。だから、多面体のほうがお互い都合がいいのだ。
今回購入して読んだのは文庫本だが、もともと単行本の表紙がずっと気になっていた。パンダの装丁かわいいなと思っていたが、しっかりパンダが重要なキーとして登場していた。文庫本の装丁も美しさと怪しさを兼ねており気に入っているが、単行本の装丁は物語が凝縮されており、ぱっと見可愛いが、読後改めて見ると不気味さを感じる。だけど、この装丁をまじまじと見ていたい自分もいる。
松井玲奈さんがこんなにパンチの強い作品を書いていたとは思わなかった。「カモフラージュ」も是非読みたいと思う。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?