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味蕾diary 第6回 ドリア

【序文】
雨の日が続いていた。
外を歩くと当然周りの人達も傘をさしている。
ごくたまに、凄い高級そうな傘を
さしている人がいる。
そういう人を見ると打ちひしがれる。

この人は傘にまで自分のこだわりの血を
巡らせれる余裕がある人なのかと思う。

人として、ものすごい差を感じる。

そういえば、高校の時に好きだった女性も
真っ赤な素敵な傘をさしていた。

僕は傘は買ってまう物と認識してしている。
仕方なく、傘を持たずに
外に出てしまった為に買ってしまう。

しかし、高級そうな傘を持つ人は違う。
傘を買いに行く物として認識している。

その認識の違いにそれまでの人生の
覆しようのない差を感じるのだ。

僕は傘を買いに行こうと思い、
スケジュール帳に
傘と書き込んだ。


【本編】

コンビニでバイト始めたての時、
ドリアを温めるお客様が大嫌いだった。

理由はシンプル。

ドリアをレンジで温めると
容器が熱くなりすぎるからだ。

熱すぎる容器を丁寧にビニール袋に
入れる作業は苦痛で
コンビニバイトあるあるになるほどだ。

歴が長くなりその熱さに慣れてきた頃、
今度はドリアを温めないお客様にも
ムカついてくるようになる。

理由はシンプル。
ドリアは温めた方が明らかに美味しいから。

僕はコンビニ店員失格である。

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