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World Cancer Week2024リポート 【CancerX ゲノム 】ゲノム医療新時代〜 私たちの生活と意識はどう変わる? 〜

2024年1月28日〜2月4日まで行われた、World Cancer Week 2024
このリポートは【CancerX ゲノム 】についての報告です。


■開催概要

【日時】2024年1月31日(水)19:00〜20:00
【形式】オンライン
【登壇者】
宿野部 武志 氏( 一般社団法人ピーペック 代表理事)
二瓶 秋子 氏( 株式会社QLife QLife編集長)
武藤 香織 氏(東京大学医科学研究所 教授)
モデレーター: 鈴木 美慧氏 (学校法人聖路加国際大学聖路加病院遺伝診療センター 認定遺伝カウンセラー)

■セッション概要

2023年6月に、新しいゲノム医療推進法の施行によって、私たちの生活や意識はどう変わるのでしょうか?このセッションでは、法律の施行がもたらす社会的変革、個人の健康管理への影響、医療システム全体の将来的な変化について深く掘り下げました。
ゲノム医療を経験した患者・当事者、医療専門家、社会学者、メディアの視点を交えた議論を通じて、ゲノム医療の新時代に私たちがどのように適応していくかを考えました。

■セッションサマリー

セッションでは、ゲノム医療の時代となり、倫理と社会課題は新たな治療につながるために重要であるものの、ゲノムが個人情報に当たることから倫理的な問題も浮き彫りになってきています。今後の基本計画策定にどう現場の声が生かされるのか。また、遺伝による差別という問題の解消につなげるために、丁寧な情報発信が重要であることが話されました。

武藤さんは、ゲノム医療法の理念と3つの柱 (恩恵(恵沢)の国民享受、生命倫理への配慮、情報保護・差別防止) 説明し、一方で、法律の限界や遺伝情報に基づく差別への懸念について指摘されました。合わせて、ユネスコ「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」に基づき、遺伝情報に基づく差別を禁止する法律の必要性を強調、差別事例の収集と啓発活動の重要性を訴えました。

登壇者の皆さん

宿野部さんが活動をしている一般社団法人ピーペックは、患者会と企業・医療者をつなぎ、病気を持つ人の声を医療に届ける活動を行っています。宿野部さんは、患者自身が主体的に情報収集を行い、医療者とのコミュニケーションを積極的に行うことの重要性を話されました。

二瓶さんは、遺伝性疾患に関して発信をしているメディアの立場から、患者の声や、遺伝に関する差別や偏見の事例を紹介しました。

ゲノム医療は、私たちの生活と意識に大きな変化をもたらす可能性を秘めています。医療の発展だけでなく、倫理的な課題への対応も重要となります。患者、医療者、研究者、企業など、様々なステークホルダーが協力し、ゲノム医療時代を築いていく必要があるでしょう。

■ニュース

このセッションは、こちらのニュースやコラムで取り上げられました。

●QLife「がんプラス」

●QLife「遺伝性疾患プラス」

●朝日新聞デジタル

●北海道テレビ放送 SODANE


全てのセッション内容はこちらへ


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