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持続可能な予防医療事業を実現し、効果を最大化する。福島県における地域の健康課題への取り組み方。

キャンサースキャンは全国の保険者とともに、「人と社会を健康に」すべく、地域の予防医療事業に取り組んでいます。
保険者とキャンサースキャンの二人三脚で事業推進することもあれば、都道府県単位の地域で事業推進をしてより大きなインパクトを模索していくことにもチャレンジしています。
今回は、福島県で事業を共に展開する、福島県国民健康保険団体連合会、保健事業課の安西事務局参事兼課長に、地域で取り組む予防医療事業の意義や、キャンサースキャンへと事業展開する経緯等をお話しいただきました。


◆安西事務局参事兼課長プロフィール◆福島県国民健康保険団体連合会 保健事業課 事務局参事兼課長。診療報酬明細書(診療内容と個々の診療行為に要した費用額を記入したもの。レセプトとも呼ばれる)の審査支払業務、保健事業業務、県庁へ出向等を経て現職。特定健診が開始された2008年度は、県内保険者の調整に奔走、福島県内で特定健診が円滑に実施できるように尽力された。現在は、福島県内の保険者とともに、住民の健康増進に寄与する事業を構築、推進している。*保健事業:保険者では、いわゆる予防医療領域の事業を「保健事業」という名称で推進しています。

医療保険制度の黒子

安西さん、インタビューを受けてくださりありがとうございます。「国民健康保険団体連合会(以下、国保連)」ってどういう組織なのか?というところから、お話いただけますでしょうか?

国保連は国保の保険者(市町村等)が共同して国保事業の円滑な推進に寄与するために国保法に基づき設立する公法人で各都道府県単位に設立されています。主たる業務は、診療報酬の審査支払、保険者事務処理に係る共同事業、保健事業支援(特定健診等含む)、介護保険制度の審査支払、障害者総合支援等多岐に渡ります。
なかでも診療報酬の審査支払は、国民健康保険加入者が利用した診療報酬明細書を医療機関から請求を受け取り、保険適用しているか、適正かどうか審査をして、適用適正と判定した診療報酬明細書の決定額を医療機関や薬局等へ支払う業務です。日本は国民皆保険という素晴らしい制度がありますが、その制度が持続するよう、適切な請求かどうかを見極めています。

日本の医療保険制度の一介を担っているというか、医療保険制度の黒子的(縁の下の力持ち的)な役割を担っていると思っています。

また、現在担当している保健事業支援の業務は、住民へ健康関連のサービスを提供している県内の保険者に対して、より効果的・効率的に運営できるような支援を行うものです。保健師の方向けに研修会を開催して業務知識の取得支援をしたり、各保険者で個々に事業展開するよりも複数の保険者と連携して共同で実施する方がよければ国保連が取りまとめたりしています。

保健事業は地域単位へ

保険証を提示すれば一部の自己負担で医療を受けることができますが、それも様々な方に支えてもらっていますよね。保健事業を地域共同で行うことは、従来から当たり前のようにあったことなのでしょうか?

いえ、保険者単位の個別実施が主流でした。現在も個別実施ではありますが、共同で実施できるものは、国保連の役割として担っていきたいと思っています。
国保連においても保健事業支援の比重が高まっており、特定健診制度が開始した2008年度は私含めて3名体制でしたが、2022年度は12名体制で県内保険者の支援に取り組みます。国保連としても、強化していかなくてはいけないと思っています。事業の数もですが、支援する事業内容も年々変わってきています。

特定健診制度についてはこちら

組織としても保健事業支援を強化しているとのことですが、その背景を教えていただけますか?

背景の一つとしては、国の予防・健康づくりの推進が近年、加速度的に高まってきており、予算も大きく措置されています。そんな中、自治体への期待も高まっているがマンパワー不足で、お金があってもなかなか事業として実施できない状況があります。また、これまで保険者の保健事業運営を牽引していた団塊の世代に当たる方々が退職され、住民の方への対応等の豊富な経験や知識を持たれた方が現場から去り、その中でも住民へのサービスを提供していかなければいけません。
保険者がそれぞれ、事業実施と人材育成の対応までできれば問題ないですが、日々住民からの問い合わせにも対応し、事務仕事も進めるとなると膨大な業務量になります。
そこで我々国保連が、保険者でやりたくてもやれないところへ支援することで、身近な住民へアプローチしていただく時間とマンパワーを確保していただこうと思っております。
住民の方への対応こそ、保健師の方を含めて保険者でしかできないことであり、そこに集中できる環境を整備することも、我々国保連の役割です。

また、より効果的な事業の実施という意味で、その領域のエキスパートである民間企業のスキル(テクノロジー)を活用することで、効果は最大にできるのではないでしょうか。

持続可能な地域の保健事業を見据えられている、という印象を受けました。

地域という大きな単位でできることを増やし、保険者の負荷軽減と、住民の方への価値を最大化していくことを目指しています。

キャンサースキャンへの期待

特定健診の受診率向上事業を、国保連様とキャンサースキャンの共同事業として福島県内保険者へ展開しています。キャンサースキャンと共に事業を実施することになった経緯を教えていただけますでしょうか。

特定健診の受診率向上については、どの保険者も共通の課題でした。
同時に、国保連は診療報酬明細書や健診結果情報など機微なヘルスデータを預かっており、それらのデータをもっと地域の健康課題に貢献できるのではないかと考えていました。 キャンサースキャンは唯一、ヘルスデータを活用した事業を提案してくれたため、共に取り組むことになりました。

「人と社会を健康に」という理念が、社員の皆さんに浸透していますよね。
特定健診の受診率向上という課題に対して、どうすれば解決できるか共通認識のもと事業を進めてもらっています。

ありがとうございます!「人と社会を健康に」という理念への共感が社員に共通していますので、お客様にも伝わっているのはとても嬉しいです。

国保連だけで県内保険者の保健事業支援をするとなると、どうしても手が届かないところがあります。我々は県内保険者との信頼関係を構築していますので、キャンサースキャンの強みであるマーケティングやテクノロジーの領域と掛け合わせることで、事業効果も出てくることを期待しています。

令和3年度は、新しい事業の立ち上げに取り組みました。若年層の受診率向上が課題となっているので、福島県でそれを解決する仕掛けをやってみましょうと。事業として成果が出れば、保険者も課題の一つをクリアできるのではと考えております。保健事業には課題が多いので、お互いアイディアを出しながら保険者支援を最大化できればよいと常に思っております。

最後に、これから保健事業分野は、益々活性化していくと思われます。国保連としても保険者支援を最大化できるように、キャンサースキャンの持っているスキルを借りながら共に保険者支援にあたっていければと思っております。

(取材・執筆:北村早紀、撮影:万野智之)

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