ありがとうございました。

今週はカテも多く、緩和患者さんも診ており、また緊急入院もあったりで
本日もかなり疲れました。

ただ、本日初診で受診されたご夫婦には色々と勉強させていただきました。

奥様が患者さんで、旦那さんがご家族の治療に熱心な、何度もみてきた
ひとつのご家族ご夫婦の光景でしたが、

今日驚いたのは、旦那さんの勉強量が半端なかったです。

一般的に、ご家族のためにと医療情報を収集する方は多く、
セカオピ等で質問される内容も僕が聞いたこともないような
すっごく新しいことや、すっごく怪しいことなど
もう魑魅魍魎のこともあるのですが

本日は、僕が昨年の癌治療学会で、最新の〜がんの遺伝子情報からの
治療展開について、ご質問を受けました。
本当に新しい情報で、〜がんの抗がん剤治療をしている医者も
知らない方も多いような内容です。
でも、とても重要な情報で、今後の抗がん剤の選択に影響する情報でした。

こんなこと知ってるんですか？？
素直に驚きました。

だいたいが、誰もが見れるようなネットの浅く、またはうそっぱちの情報を
質問されるので、僕もそれに合わせてご理解していただけるよう
砕いて説明するのですが、

本日は、僕と同じレベルの知識やん・・・と少々焦りました（笑）
でもそれと同時に尊敬しました。
どうやってこのような情報を収集されたかわかりませんが、
そう簡単にネットにでている情報ではなく、
どこぞの大学の論文などに出ているようなレベルの知見です。

すごいな、と連呼してしまいました。

そして、今回のカテのご相談には、解剖的に適応とはなりませんでしたが
薬物治療に関して色々とアドバイスさせていただきました。

昨日のカテも結構大変でしたが、良い治療ができましたのでよい疲労でしたし、
今日も忙しい外来、病棟でしたが、これもまたよい疲労でした。

そして、上記のご夫婦が外来を立ち去る際に、
（僕の過去の講演会にも何度も参加してくださって
　ブログも今も昔も読んでくださってるそうです）

「先生も色々と大変そうだと感じています。
　くれぐれも無理をせずにがんばってください。」

そのようなことを言ってくださいました。

正直、僕は、患者さんを助けたい。
僕にしかできない治療が、あります。
その邪魔をされたくない
僕が治療ができなくなれば、何人もの患者が死ぬことになる。
だから、どんなに辛くても仕事をやめれない。

そんな、つらい気持ちで最近、とにかく心理的にしんどかった、しんどいです。

でもそんな中、僕の気持ちをこんな文章から察してくださって
ご家族の治療がいちばんの中、
僕のことを心配してくださるような言葉をかけてくださった。
本当に嬉しかったです。

僕には、僕のことを、僕の治療を、僕の技術を、僕のがん患者さんに対する思いを理解してくれている、多くの友人、他施設の仲間の先生方、チームのメンバーがいます。時々、ふと、俺はひとりなのかな、と思ってしまうのですが、
こう思うと、僕があったこともない方も、僕のことを心配し、応援してくれているんだなと思って、そして、先日の学会の最中も、患者のことを優先する先生の気持ちはよくわかるけど、もっと自分を大切にしてほしいという、友人の先生たちの言葉も身に染みました。

それでも、僕は、自分しか救えない患者を救い続けることでしょう。
自分の命が続く限り。

僕の邪魔をしないでください。

それは、多くのがん患者さんを、殺す行為になります。

今日は、お声がけしてくださって、本当にありがとうございました。
奥様の今後の良い経過を心から祈り、応援していますね。