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仕事への執着を手放すと、介護の時間がもてた

看護師は病院で働いているものという固定概念について

看護師の職場と聞くとどこを思い浮かべますか?おそらくほとんどの人が病院をイメージされるのではないでしょうか。医療職の方ではない方とお話ししても、病院で働いている流れで話は進んでいきます。例えば、相手の方ご本人やご家族様が入院経験があり、お世話になった話や看護師が早歩きでなかなか声がかけずらかった、忙しいですね。という会話になることなど。

看護師=病院というところでしょうか。けど、看護師である私も、そうでした。病院で働くことがいい、しかも大きな病院、総合病院や500床以上などそういう大きな病院で働くことが経験になるし、ステータス。そう思っていました。散々母にも言われてきました。(最初の病院は大きな所で働くと確かにいろんな経験ができます。看護師の経験を積むという点ではメリットが大きいのも事実)

そして、おおくの看護師がそうではないでしょうか?友達や看護師とお話ししていても、病院で働くこと、そしてできるだけ名前が通っている有名病院、大学病院で働いていることは結構ステータスとなっていそうです。自己紹介とかしても、大抵、「どこそこの病院で働いていてね、この診療外科で働いてね、あ〜その先生(ドクター)と働いたことあるよ」とこんな自己紹介から始まることも多いです。

看護師=病院という固定概念を手放すことと親の介護

母親が外来通院しながら自宅での療養生活をすることになった時、私は訪問看護をしていました。実はとてもありがたかったのです。なるべく家に、そして母のことをすることができました。

訪問看護の事業所にもよるのかもしれませんが、例の感染症のこともあり、訪問が終わればすみやかに自宅待機という流れでした。訪問の記録や他の作業も基本的に自宅でできました。事務所によらないと受け取れない書類などもありますが、それを受け取ったら自宅に帰る。そんな流れでした。病院みたいに夜勤もないし(訪問看護師さんならわかると思いますがオンコールはあります。でも、ずっと家をあけるわけではない)訪問のご自宅を出たあとは、家に帰る。そして、家のことをする。そしてまた訪問に行く。そんな感じの介護生活でした。

ある平日の昼間、家にいながら母のそばにいて、思いました。
「これって病院勤務じゃまずできないよな〜」って。

固定概念を手放したのは母の介護のためではないのだけど

私が訪問看護をしようと思ったのは、母の介護のためではないのです。病院勤務を13年してきて、いろんなことを経験して、もっと患者様に寄り添うような看護がしたい、自分がそういう関わりがしたいんだ。と思ったからです。

でも、迷いました。中核の市民病院勤務でしたので、〇〇市民病院で働いています。っていうほうが、まぁ自分的にはステータスが保たれると思っていたのです。給料面も病院の方がいい(夜勤をすればの話ですけど)でも、ほんまにやりたいことってなんやろ?って思ったんです。人生1度きり。やりたい事経験しないで、そのまま人生が進むと後悔する。病院勤務したければまたできる。そう思って思い切って退職することにしました。

ということで、母の介護をするためではなく自分のために働き方を変えたのです。でも結果的には母の介護がしやすい状況になりました。

ただ母親は病院を辞めることをどうも悔やんでいたようで(苦笑)母の兄に相談していたようです。母が亡くなってからも、叔父さんに「病院に戻りなさい。そのほうがいいだろう?年金も違ってくるし、なんとかならないのか」と言われたことがあります。でも、母や叔父さんのために働いているわけではないから、その言葉は左の耳から右の耳へ流れていっています

聞き流す私

執着を手放してみる

何か1つ執着を手放してみる、そうすると、自分の周囲の環境が整うってあるんだな、って実感したことです。あのまま病院勤務を続けていたら、介護生活はできていたけど、共倒れになっていそうでした。なにせ私には兄弟いないし、父もすでに他界しているし、親戚も近くにはいないし頼れる人がいないのです。訪問看護やヘルパーさんに家の中をやってもらうという方法もありますが、母はめっちゃくちゃ綺麗好きで基本的に他人には家にはいってほしくないタイプ。近しいほんまに仲がよい母の友達を家に呼ぶ程度でした。なので、介護は私メインで行うことができたのです。母にとっても、そのほうがよかったでしょう。後々になって、「さちえがいてくれて安心。偶然病院をやめていたけど、よかった。おかあちゃん(私からみて祖母)がそうしてくれたんかな」なんてぽろっと口にしていました。

いろんな人の話を聞いてみたい

これは私の1例で同じ人っていない。でも他の方の経験って何かしら知りたいし役にたつ時、あると思います。
・仕事どうしてるんだろう
・他に頼れるサービスってないのかな?
・仕事も介護もちょっとしんどい
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私自身はがんの親の介護を通して心から癌をみること、看護師の経験などをメルマガでゆっくりとお伝えしていっています


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