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【本紹介】「だし」で繋がる

おはようございます。

カナリアコミュニケーションズです。

本日は、お料理プロデューサーの土井 敏久さんの著書、『「だし」が世界をつなぐ』をご紹介します。

1.感想

食べさせる相手を想う愛情は、難しく手の込んだ調理法でもなく、入手しづらい高級食材を使うことでもありません。本当に大事なのは思い続けること、作り続けること。そのために、シンプルであることが最も重要となるのです。

何もこっていない料理、だけどなんか美味しい。それがいわゆる「家庭の味」と言うものだと私は思っています。

外食文化が発展し、高級食材を使った料理、手早く提供するためにさまざまな工夫がされてしまっている料理などを口にすることが多くなっているのではと感じていますが、そんな中でもベースは家で家族によって作られた手料理にあると私も思います。

家族を持つということは、みんなで家族の誰かが作った料理を囲むことになります。その時の料理は家庭の味でありながらも、食材本来の味を活かした「美味しい料理」でありたい。そんな時に重要なのが「だし」であると本書には書かれていました。

よく料理の「さしすせそ」と言うので、調味料が料理には最も大事なのだと思っていましたが、著者によるとそれと肩を並べるくらい「だし」は重要な要素のようです。

「だし」を自分で作ってみれば、とも書かれ、本書の最後には基本のだしのつくりかたが紹介されていました。

いつか自分が大きな家庭を持つ時に、「だし」にこだわった、シンプルで美味しい家庭の味を振舞ってきたいなと、温かい気持ちになれた一冊でした。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、料理を通じた生き方の部分にまでフォーカスされている点です。

よく料理関する本は、食材にフォーカスしたり、料理やレシピにフォーカスしたり、料理の枠から出ていないことが多いです。

本書では、料理を通じて人とつながる生き方について書かれていたり、料理を「モノ」ではなく、料理を通じた「コト」について書かれているのです。

広い視野で、料理というものが私たちの生き方に与えてくれる影響を考えさせてくれました。

3.概要

目次
序章 お料理生活で暮らしを自分の手に戻そう
第1章 「お料理生活」の原点を探る
第2章 基本はとてもシンプルです
第3章 お料理生活で生き方を少し変えてみる
終章 変わり続ける社会の中で

本書では、著者のこれまでの人生の歩みを振り返りながら、「お料理生活」を軸に、考え方や生き方を少しステップアップする方法がご紹介されます。

第1章では、著者の生まれた頃からの現在までの「お料理プロデューサー」としての歩みが紹介されつつ、お料理生活の原点とも言える土井勝・信子の軌跡にも触れながら「お料理生活」の土台となる土井哲学「ドイズム」が紐解かれます。

第2章では、お料理生活が「暮らしづくり」「仕事づくり」「町づくり」の要となり、生き方を変えるという意味を、本書の冒頭に登場した「だし」をはじめとするお料理の基本を説きながら、本章の冒頭に登場した「だし」をはじめとするお料理の基本を説きながら、掘り下げられています。

第3章では、具体的なお料理生活がどんな形で動いているのか、「暮らしづくり」「仕事づくり」「町づくり」のいろいろな面がご紹介されます。人と地域が緩やかにつながった活動の「京都モデル」など、これからの時代を自分の手足を使って生き抜くためのヒントが探られています。

本書はどこから読んでも理解できるような内容になっているので、興味のある見出しを見つけて、そこだけ読む。ということもできるような構成になっています。

お料理は毎日向き合うものです、お料理について今一度学んでみたいと言う方には基本となる一冊だと思います。

ぜひご一読ください。

それでは。


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