【本紹介】丁寧な暮らし
おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。
本日は、「暮らしの物語」編集委員会の著書、『暮らしの物語』をご紹介します。
1.感想
本書を読んで、普段はなかなか触れることができない昔の日本について知ることができました。
第一次産業革命、第二次産業革命、第一次世界大戦、第二次世界大戦と、日本が大きく変わる節目を生きてきた女性たちがどのような暮らしを送ってきたのか、そしてその時代から変わった暮らしと変わらない暮らしはなんなのかを、多くの女性の生き方を読むことによって具体的にイメージしながら読み進められました。
その中でも、やはり第二次世界大戦の話は私にとってとても重く、今までは歴史の一部としてしか感じることができませんでした。現在もロシアとウクライナの間で激しい戦争が行われ、連日ニュースとして報道されていますが、戦争というものをなかなか自分ごと化して考えるのは難しいなぁと感じていました。
本書の中では、一人ひとりの戦争体験が語られている部分があり、とても具体的な内容であったため、今までと比べて、少しは戦争の中で人々がどうやって暮らしていたのかをイメージできるようになったかなと思います。
印象に残った福田順子さんのストーリーをご紹介しようと思います。
自宅の庭にあった防空壕に、祖父母や叔母たちが身を隠していたところ、防空壕の入り口を覆っていた木の蓋に火がつきました。父は見回りをしていて、かなり火が回ったところで気づき、中にいる両親を助けたい一心で、素手で火のついた木の蓋を取り除き、助け出したそうです。
2.おすすめポイント
本書のおすすめポイントは、とても多くの方々の生の暮らしがリアルに描かれている点です。
感想でも書きました通り、戦争の話なんかはとてもリアルで、思わず読書にのめり込んでしまうようなリアルさがあります。
戦争だけでなく、日々の暮らし、料理のことや仕事のことなど、様々な観点で女性たちの暮らしが描かれている一冊になっています。
3.概要
目次
暮らしを育む
暮らしを彩る
暮らしを伝える
暮らしを仕舞う
暮らしの明日へ
山村の暮らし
座談会
あなたのための生活記録ノート
本書の主役は、60歳以上の全国の女性たちです。
彼女たちの生き様や想いが可能な限りそのままの形で活きるように、食、住まい、ファッション、しつけ、家族行事、おつきあい、金銭感覚など、暮らしに関わる様々なテーマで暮らしの記録が描かれています。
本書は、女性たちの「現在進行形(ING)」の暮らし方や生き方を記述するために、主体的な意思を表す日本語の動詞を取り上げ、「暮らしを育む」「暮らしを彩る」「暮らしを伝える」「暮らしを仕舞う」「暮らしの明日へ」という構成となっています。
「暮らし」は重層的に絡み合う多様な要素で成り立っているので、これらの分類に収まりきらないもの、重複するものがあるのもたしかですが、彼女たちの生き方が強く伝わってくる内容になっています。
過去の日本がどのような時代だったのか、その中で女性たちがどのように暮らしてきたのかを知ることができる一冊です。
ぜひご一読ください。
それでは。
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