【本紹介】空海を知る
おはようございます。
カナリアコミュニケーションズです。
本日は、加賀心海さんの著書、『空海浪漫』をご紹介します。
1.感想
本書を読んで、空海という人物がいかに人格者であり、人としてのあり方を極めた人物なのかを知ることができました。
空海が人生でおこなってきた活動は、現代においても生きるすべての人にとってお手本となるようなことばかりです。
また、空海は優れた逸材であると日本だけでなく、中国でも認められた人物であったそうです。
遣唐大使として中国へ出発した空海ですが、合計四つの船団で出航した遣唐船のうち、唐に辿り着いたのは空海の乗った船を含めた二隻のみだったそうです。さらに、空海の乗った船も大きく航路をはずれ、全く別の場所に漂着し、海賊の嫌疑をかけられ約50日も待機させられたそうです。
しかし、そこでも空海が書いた漢文章と優れた筆跡の嘆願書が現地の長官に認められ長安入りが叶ったと。
さらには、長安の都に入った後にも、名僧恵果と対面した際には、優れた逸材であると初対面で感じられ、異国の地からやってきた空海に種々の密教の戒律や資格を授けて正統な真言密教の継承者とするための儀式濯頂を授けられたそうです。
日本だけでなく、他国からも認められた空海について、さらに興味を持ちました。
2.おすすめポイント
本書のおすすめポイントは、絵と共に空海の人生が時系列に従って紹介されている構成になっていることです。
本書をパラパラと最初めくってみた時は、毎ページに絵が描かれており、文章からではなく、絵から読み取って理解していかなければならないような、ハードルが高い本に見えました。
しかし、読んでみると、1ページごとに文章がセットで書かれ、空海の人生が1場面ごとに簡略的に絵と共に紹介されるという構成でした。
文章もとても読みやすく、細かすぎない粒度で書かれているので、正直そこまで空海に対して興味を持てていないという人にとっても読みやすい形になっていると思いました。
3.概要
本書は、弘法大師空海の偉業の道を風景としてとらえ、絵画と俳句、そして文章にてタイトル「空海の浪漫」として出版された書籍となっています。
また、文章ページに空海の説く神仏習合を意味するため、仏像絵と、江戸時代、空海と同じ様に修験道と仏教修行を極めた円空上人のほほえむ円空仏十二万体の一部代表作が描かれています。
学生時代に司馬遼太郎先生の書き上げられた「空海の風景」に出会い、こんな素晴らしい人物が日本にいたのかと大きな感銘を受け、その後40年以上にも渡り空海の研究を続けて来られた筆者による、空海についての理解を深められる一冊となっております。
ぜひご一読ください。
それでは。
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