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【本紹介】法律×AI

おはようございます。カナリアコミュニケーションズです。

今回は、GVA事務所 / GVA TECH株式会社代表 山本俊さん著、『人工知能とこれからの仕事 AIは法律業務を奪うのか?』を紹介します。

1. 感想

日本のAI活用って他国に比べて進んでいると思いますか?それとも遅れていると思いますか?

私は、日本人がアナログ好きであること、変化を好まないこと、という意見をよく耳にすることがあったため、AIも世界の先進国に比べたら遅れているんだろうなぁとなんとなく予想できていました。

本書でも「企業の人工知能の導入状況に関する各国の調査」に関するデータが掲載されていたのですが、AIを取り入れている日本企業の割合が39%であるのに比べて、中国は85%の企業がAIを取り入れているのだそうです。

中国が目まぐるしい発展を見せているのはこのように新しい技術を積極的に取り入れる姿勢からきているのかもしれません。

私が日々働いている企業でも、ハンコ文化や紙媒体で保管する文化はいまだになくなっていません。

ハンコを押さなければいけない。資料がデータ化されていない。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で、こうした雑務のために出社しなければならない。そんな理不尽に苛まれた方も少なくないのではないでしょうか?

上記の記載を見た時、私が働いている会社だけの問題ではなく、日本のあらゆる業界でこのような問題が顕在しているのだと知りました。

本書では、このような雑務に時間を取られ、人間が本来やるべき仕事に十分に時間を割けていない現状を変えるために動いた著者のストーリーが描かれていました。

本書を一通り読んで感銘を受けたことは、著者は自分の身の回りだけでなく、業界全体をよりよくしようと考えながら生活していること。そして圧倒的な行動量を日々発揮していることです。

雑務に追われ、日々不満を漏らしていても、それを変えようとしていない自分に気付かされました。

間違いなく、明日からどんどん行動していこうと、モチベーションを上げてくれる一冊です。

2. おすすめポイント

本書のおすすめポイントは、法律業務に特化してAIとの関わりが語られていることです。

一般の人々にとって、法律が絡む世界を身近に感じることは難しいはず。そして、法律という難しい世界の専門知識を習得した優秀な人間だけが存在している世界のように感じてしまうかもしれません。

そんな世界でも、AIに業務が奪われてしまうという危機感があるのです。

著者が開発した「GVA assist」によって自動化された業務がなにか、それによって空いた時間で筆者は何を行なっているのかが具体的に語られていますので、より法律が絡む世界を身近に感じながら、AIと仕事について考えることができるのがこの一冊なのです。

3. 概要

目次
第1章 AIは人類の敵か、味方か
第2章 人がやるべきは「おもしろい仕事」
第3章 僕がAI弁護士になるまで
第4章 リーガルAIで法務を変える
第5章 世界とAIと僕

本書では、第1章、第2章で一般的に議論されている、AIと仕事に関する日本の現状。その中で、AIに取って変わっていく仕事とはどんなものなのか、どんな仕事は積極的にAIに代替していくべきなのかが語られています。

そして第3章以降に、著者の過去の体験と絡めて法律の業界にどうAIを生かしていくか、著者がどのようなAIアプリを開発して行ったのかのストーリーが語られ、最後に未来の法律業務をどうしていきたいかの著者の熱い思いが語られて終わります。

日々の仕事で雑務に追われてうんざりしている方、法律業務に興味はあるけどよく知らない方、流行りのAIが今後どう自分と関わってくる世の中になっていくのか興味がある方など、様々な方に楽しんでもらえる一冊となっていると思います。

ぜひご一読ください!

それでは。


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