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【本紹介】日本の農業を救うのは?

おはようございます。カナリアコミュニケーションズです。

今回は近藤昇氏・畦地裕氏編著、『アジアで農業ビジネスチャンスをつかめ!』を紹介します。

1.感想

皆さん最近、農業に関するニュースを耳にすることが多くないですか?

「半農半X(エックス)」や「アグリテック」など新しい言葉が生まれてきていることからも、世間的に農業への注目が高まっていることが伺えます。

ただ、「農業」×「海外」という視点を持たれている方は非常に少ないのではないでしょうか。本書は読者にそんな視点を与えてくれる貴重な書籍です。

もちろん、本書は「農業未経験者でもアジアで成功できる!」というようなことを謳っている書籍ではありません。
日本の農業と他アジア国々の農業をどう有機的に連携させていくかということに真摯に向き合って作られた書籍だと感じました。

たしかに、人口減少と高齢化に直面する日本国内だけで、日本の農業を再生させようというのは現実的ではないかもしれません。
一方で、アジアに目を向ければ、人口増や生活水準の向上による中間層の拡大など、国内に留まる理由がなくなるような条件が揃いつつあります。

「地産地消」というローカルな視点ももちろん大切です。しかし今後は、ローカルとグローバルどちらかではなく、ローカルとグローバル両方を見据えながら舵を切る必要があるのではないでしょうか。

2.おすすめポイント

本書のおすすめポイントは第4章です。この章では、実際にアジアで活躍している日本人10名のケースが紹介されています。

国もタイ、ベトナム、カンボジア、ミャンマー、ベトナムなど様々ですし、取り扱いも、養鶏、胡椒、ドラゴンフルーツなど様々です。

それぞれの方々がどのようなキッカケで始めたのか、苦労した点、どのようにビジネスとして成立させたか、日本とのギャップ、人材育成にどのように取り組んだか、今後の日本とアジアの共生を考える上で大切なことがそれぞれの実体験をもとに語られています。

取り組み方もそれぞれの方々に特徴があり、非常に読みごたえがあります。農業に取り組まれている方、海外を相手にビジネスをされている方はもちろん、これから何か新しいビジネスを始めようとしている、最近新しいビジネスを始めた人にとっても貴重な「挑戦のアーカイブ」です。

3.概要

目次
第1章 日本の農業の現状
第2章 アジアの農業
第3章 日本とアジアの農業連携
第4章 アジア農業で活躍する日本人

第1章では、日本の農業および農業経営の全体像から、なぜ今農業が注目されているのか、これまでの農業の問題点、農業にどのようなプレイヤーがいるかという点について述べられています。

第2章では、アジアの農業事情、さらにアジア各国の農業各論が詳しく論じられています。

第3章では、本題である日本とアジアの農業連携の話に踏み込んでいます。日本国内だけで考えても頭打ち、ではどうするのかということに対して、アジアとの連携をキーに述べられています。

第4章では、おすすめポイントで触れたように、実際にアジアで活躍している日本人10名のケースが紹介されています。

農業を知る、アジアを知るためにはうってつけの1冊です。農業に興味がある、農業をしている、海外に興味がある方はぜひご一読ください。

それでは。


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