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観音を見てないようで見ているようで【名和晃平】

先日森美術館で出会ってしまったお方。

《PixCell-Kannon#7》2010


観音像。
詳細なお姿こそ拝見できないが、観音様であることはタイトルと立ち姿・台座でなんとなくわかる。
(ちなみに観音様をよく理解していなかったので調べたところ、仏教の菩薩の一尊で、如来になるために修行中の身であり、人々の救済のためあらゆる姿に変身するとのこと。如来は悟りを開き真理に到達した人のことを指すそうです)。

ピクセル(ここでは表面の粒を指しています)が付着している部分をよく見るとまるで拡大鏡のように大きく見えるため、実際に観音様を現地で見るより詳細には見える。

崇拝の対象を鑑賞の対象として美術館やギャラリーで見るのはちょっと不思議な体験。
よく見ているようでよく見てはいないような。
SEEとWATCHの違いとでもいうべきか。
ちょっと見てはいけないものを見ている気にもなる。

ちなみにこの観音像はインターネットを介して収集されたという罰当たりなのか拾う神ならぬ仏あり(拾われる仏?)なのか、どういう気持ちで見つめたらいいのかわからなくなる。
表面に付着したピクセルがPC画面のドットのような、そしてそれによりなんとなくしかお姿がわからないという点での匿名性を孕んでいることが、その経過を表現しているように思える。

素材の欄に「ミクスト・メディア」と記入があるのにえ、と思ってしまったのはここだけの話。確かに素材の欄に「観音像、ガラス」とは書けないけど「ミクスト・メディア」は観音様に失礼??


現在青森県の十和田市現代美術館で展覧会を開催中。
11月20日までとなります。詳細は下記リンクから。

■作家紹介
名和晃平
1975年大阪府生まれ、東京都及び京都府在住


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