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今日は飲もうよ!|赤丸天の「My Canada」

日本ではお酒文化が浸透している。

「仕事の帰りにちょっと一杯」はいつでもどこでも聞くフレーズだし、「差し向かいでとことん飲むぞ!」なんてそら恐ろしいフレーズさえ横行している。

だから日が暮れれば繁華街は赤ら顔の人でいっぱいとなり、終電前ともなれば酔いつぶれた人さえ見かける。酔うことが社会的に許されているので、「人に迷惑さえかけなければ問題はない」というのが一般的な意見なのではないだろうか。

一方カナダでは、人に迷惑をかけようとかけまいと人前で酔うことは軽蔑を買う行為なので、一般の社会人であれば自宅では酔うまで飲んでも外で泥酔するようなことはまずない。

「酔っぱらいを多く見かける日本」

「酔っぱらいはほとんど見かけないカナダ」

このことから、アル中患者の数を日本とカナダで比較すると当然日本の方が多いように思いがちだが、調査の結果をみるとビックリ! 

世界保健機関(WHO)が世界190カ国の男性を対象に行ったアルコール中毒の割合調査(2010年)によれば、日本のアル中患者の割合は人口の2.5%で135位。

一方カナダは4.2%で63位となっている!

それでは、国民一人あたりのアルコール消費量はどうかというと、カナダは一人あたりの消費量10.2リットルで40位、日本は7.2リットルで71位。

つまり、どこから見てもカナダの方が日本よりアルコールと深く付き合っていることになる。

これは、日本のお酒文化を特別と感じている吾輩としては以外というか、なんとなく敗北感があるというか……。でも「お酒は量じゃない。質だ」な~んて考えながら、今日は一杯やるか……。

注:世界アル中トップ5: 世界保健機関(WHO)

ハンガリー(14.5%)、ロシア(14.5%)、ベルラーシ(10.1%)、スロベニア(9.2%)、スロバキア(8.9%)

Ten Akamaru(赤丸天)

1970年代にカナダはトロントの現OCAD Universityに留学し、1980年代にカナダで起業。その後カナダ市民権を取得しバンクーバーに生活拠点を置く赤丸が、枠にとらわれずに現在と過去の出来事や日常を綴るコラム。カナダと日本の比較、カナダの特色および文化、社会や考え方など、長年暮らす❝My Canada❞を描写します。