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フリーランスと外注扱い|何者でもない雑草キャリアが何者かになるまで
こんにちは、さやです。
昨日、がんばって1記事納品しました。ところが、クライアントから「ターゲットそのものを変えたいので修正してほしい」との依頼が。
さすがにそれはあかんでしょう、とやんわり抗議しました。
それはもう修正ではなく、別物の発注と同じ。
例えば同じおすすめデートスポットでも、中高生向けとアラフォー向けでは書く内容が異なるわけで。
同じようにディズニーランドを紹介するにしたって、オススメするポイントや表現はまったく異なるわけで。
私は外注ライターですが、これはさすがに扱いが雑すぎる。
私は仕事においてはちゃんと主張するタイプなので、やんわりとですがモノ申させていただきました。
でもこれって、けっこう精神的に堪えますね。
クライアント側からすると、ターゲットが変わるくらいで大きな変更は発生しない、と認識されているのかもしれません。
そうであれば、コミュニケーションエラーな部分もあります。認識のすり合わせが不十分でした。
最悪のケースだと、「こちらが満足するまで書き直すのが外注ライターの仕事でしょ」と思われている可能性もゼロではありません。
こうなると、さすがにNGです。
いや、本当の最悪は「特に何も考えずに指示しました」のパターンですね。
今日は、フリーランスと外注扱いというちょっと繊細なテーマをまとめつつ、モヤモヤを昇華させていこうと思います。
三方良し
昔から、「三方良し」という言葉があります。
「売り手良し、買い手良し、世間良し」
売り人も、買う人も、そして社会までも満足できる状態。とってもハッピーです。
でも実際のビジネスは売り手・買い手・世間の三方だけで成り立っているわけではありません。
原材料を納品してくれる生産者や卸の方がいたり、下請け業者がいたり。
買い手の先にまた買い手がいたり。
競合がいたり、協力関係にある他社がいたり。
そんなすべての「ステークホルダー」が等しくハッピーになるのって、かなり難しいことだと感じます。
以前勤めていた企業ではこの「三方良し」をとても重視していました。
・外注や下請けを業者扱いしない。
・発注者だけが得をする構造にしない。
・関係者が利益とリスクを案分する。
持続可能な成長のためには、ステークホルダーがそれぞれの責任の下、成果に応じた利益を享受できる状態が必要。
とても難しい一方で、とても良い理念だと思います。
業者扱いされる下請けパートナー
一方で。
そんな崇高な理念を掲げている企業でさえ、下請けの企業や個人を「業者扱い」している現場を何度も目の当たりにしました。
「多少待たせても構わない。あっちはコチラの指示がないと動けないんだから」
「相見積もりが必要だから見積もりはもらうけど、発注はしない」
「パートナーは雇用している社員じゃないから、いつでも切れる」
「パートナーにやり直させればいい」
結構、見ていてしんどいなぁと思うことが多々ありました。
私自身は中途採用を担当していたので、同時に10社以上の転職エージェントさんのお世話になっていました。
転職エージェントから見れば、企業の採用担当者は発注者、お客さんです。
丁寧に対応してくれるし、おそらく頼めば多少の無茶もしてくれます。
でも、それではうまくいかない実感がありました。
転職エージェントは、採用のパートナーだという意識で接していないと、向こうだって親身に協力してくれないのです。
当然です。
自力で採用できない弱小中小企業からすると、転職エージェントは採用の頼みの綱でもありました。
しっかり信頼関係を築けるように。
「この人が窓口の会社なら安心して紹介できる」と思ってもらえるように。
それは、日々の態度や対応で感じてもらうしかありません。
一方で、あんまりひどい紹介をされても困るので、あくまでも企業側がリードできるように。
とにもかくにも「パートナー」という気持ちが何より大切で、そんな姿を元部下に当たる同僚たちにも見せ続けるように意識していました。
パートナー側になって
そんなこんなで今まで発注者側にいた私。
フリーランスwebライターとして独立して、今度はパートナー側の立場になりました。
これまでトータルで7,8社くらいとお付き合いをさせていただきましたが、パートナーへの対応は、各社かなり異なります。
・あくまでも外注業者として扱う企業
・上司はパートナーとして接してくれるが、部下は完全に外注扱いする企業
・本心は外注としてみているのだろうけど、とても対応が上手な企業
いろいろです。
パートナーの立場からすると、企業の窓口となってくださる方の対応で、モチベーションがかなり変わります。
とくにテキストベースでのやり取りは、相手に冷たい印象を与えがちなもの。ちょっとした言葉尻に、「業者扱い」を感じてしまうこともあります。
難しい塩梅です。
業者扱いする人の特徴
では、パートナーを業者扱いする企業や担当者には、どんな特徴があるのか。
これは、私が発注者側・受注者側の両方を見てきて感じたものを、主観的にまとめたものです。
私の経験では、以下の傾向がある方は、パートナーを業者扱いします。
①「指示」という言葉をよく使う。(例:明日までに指示します)
②業務委託範囲を超えた依頼をする、または範囲を認識していない
③連絡が遅れることが多い
➃情報提供が少ない
⑤作業指示は出すが、意図や目的を伝えない
特に「指示」という言葉は、すごくわかりやすい指標だと思います。
「指示書」「指示マニュアル」みたいな名称が固定化されているものではなく、パートナーに何かを依頼するときに「指示」という言葉を自発的に使う方は、無意識に業者扱いをしてしまっているように思います。
私は、転職エージェントさんにも、自分の部下にも、「指示」という言葉を使ったことがありません。
趣味趣向の問題かもしれませんが、無意識に選ぶ言葉にこそ、その人の思考や性格が表れると思っているからです。
悲しいかな、「指示」を乱発する人は結構います。
パートナーありきのビジネス
同時に。
最近のビジネスは、外注を使うことがかなり増えましたね。
以前は外注というと、煩雑な定型業務を外だしする、というニュアンスで使うことが多かったと思います。
しかし、近年ではビジネスの中枢に関わる高度な技術を、相応の報酬で外部のプロフェッショナルに依頼することが増えました。
自社の中だけでビジネスを作るのではなく、外にあるあらゆる資源を活用して、ビジネスを作り上げていく。
人々の働き方が変わってきたのだから、当然ですね。
そして企業は、そういった外部人材をいかに活用できるかが、持続的な成長のカギになってきていると思います。
自社で人材を囲い込まず、周囲のあらゆる人的資源を活用する。
そのために、社内外関係なく人材が活躍できる環境を整える。
そんな取り組みが、とても重要になっていると思います。
だからこそ、自社と外を分ける「外注扱い」は、企業にとってとてもネガティブな影響を与えます。
ビジネスに関わるみんながそんな意識を持っていないと、思わぬほころびが生まれてしまうかもしれません。
自分にできること
さてさて。
そんな理想的な社内・外の関係性を前提としたうえで、外部パートナーにあたる私ができることは何か。
まずは、自分の責任のもとにしっかりと仕事を完遂すること。
この人がいないと困る、と思ってもらえるくらい成果を出すこと。
疑問や要望をきちんと(丁寧に)伝えること。
感謝を伝えること。
相手の立場を考えて発言すること。
どこまでいっても「外注扱い」な企業とはお別れすること。
こんなところでしょうか。
やっぱり書くことで、いろいろと整理されます。
今後もいろんなクライアント様と良好な関係を築いていくために。まずは自分にできることに邁進したいと思います。
自分がコントロールできないこと(=相手を変える、相手が変わると期待する、誰かが助けてくれると期待する)は、考えても仕方ありません。
自分の勘違い、ということだってあり得るから、ちゃんと対話することが大切です。
対話したうえで違うと思えば、去っていくのが最良です。
とにもかくにも、まずはしっかりお仕事を完成させていこうと思います。
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