見出し画像

奄美大島の漁港のボス猫が、我が家にやって来た話①


わたしが奄美大島に住んでいた時のお話。

奄美大島ってどんなイメージでしょうか?
海?太陽?黒糖焼酎?

そもそもどこにあるかご存知でしょうか?
奄美大島は鹿児島県の南の端っこ、
沖縄県との県境に南北に位置する奄美群島の中で、
一番大きな島です。


自然豊かで、
黒糖焼酎の美味しい奄美大島は、
ちょっと私の主観が入っていますが、
猫の街でもあると思うのです。

奄美大島で初めて友達になってくれたジジ
(勝手に名付け)

初対面の日から警戒心ゼロ
ジジはお腹だって見せちゃう

田舎街ほど、街の風景に猫がいるのが当たり前で、共存していたりしますよね。
奄美大島もそう。
飼い猫の、家と外の行き来が自由なことが多いです。地域猫、がたくさんいて
一体誰の家の飼い猫なのかわからない、
という猫がたくさん。

奄美大島随一の繁華街、屋仁川(ヤニガワ)は、かつて鹿児島県下トップクラスの規模だった名残をいまだに残し、平日も夜遅くまで賑やか。
楽しく飲んでいる方が多いです。

ご機嫌な人間たちと、のんびりしている複数の猫。
穏やかで優しくて、
好きな奄美大島の風景のひとつです。


足の長いコウジくん(勝手に名付け)
ジジと友達

わたしも、よく屋仁川に飲みに行っては、猫を探し、移動しては、猫を探し、猫を愛でていました。

屋仁川通り ピンクのネオンが印象的

黒糖焼酎でご機嫌になった人間が、
猫に話しかけたり、ほっこりする光景もしばしば。

外で暮らす猫は、自由で気まま、楽しそう。

彼らの多くはTNR(捕獲し、去勢や避妊手術を行い、元の場所に返すという行政の取り組み。野良猫の繁殖を防止し、殺処分を回避するする目的)
という事業で去勢、避妊手術を受けていて、
性格的に、のんびりになっているようです。

ちょっとしたいざこざはあれど、猫たち同士の激しい喧嘩を見ることもありませんでした。

それでも、問題点もあります。

まず、猫はそもそも、外で生きていくことに向いている生き物ではない。

交通事故のリスクや、食事の問題、
病気の予防や治療ができない、などの原因で

家猫と野良猫の寿命は大きく異なります。

加えて、奄美大島は世界自然遺産に登録され
アマミノクロウサギ
という特別天然記念物が生息する島です。

繁華街にアマミノクロウサギがやってくるわけではないけれど、山間部の生息地域には、かなり野生化してしまったハンターのような野良猫がいて、ウサギを狙うこともあるそうです。

特別な生物を守り、生態系のバランスも守り、
猫の安全も守り、、、

自然豊かな恵まれた島には、じつは、
たくさんの課題も残っているのです。

難しいことはさておき、
わたしは奄美大島の猫さんたちが、
可能な限り長く、
元気で幸せに暮らしてほしいなぁと思っていました。

奄美市には猫の適性飼育のため条例があり、
飼い猫の登録、マイクロチップの装着を義務として定め、室内飼育や終生飼育すること等を示しています。
https://www.city.amami.lg.jp/kankyo/machi/shizen/sekaisan/neko.html


しかし、これらはなかなか認知されておらず、
実現へのハードルが高いなぁと感じました。

奄美大島の言葉で、猫のことを『まや』と言います。マイナンバーカードをもじって、
まやにゃんばーかーど、という、適正飼育されている証として飼い猫を登録するサービスもあるのです。シャレが効いてるし、欲しくなりますね。


人は、変わることが苦手です。

それに、変わらないといけないという現実を受け入れるのが苦手です。
もしかしたら、島国の日本は他国よりも顕著かもしれません。

奄美大島も、古くからの伝統、歴史、慣習が多く残る場所。

今までこういうふうに猫を飼ってきたから〜
という感覚は、簡単には変わりません。


わたしは人間の医者をしているので、猫の飼育が〜とか、猫の健康が〜とか、行政が〜とかは全くの専門外です。

でも、よく顔を合わせる猫の隣人として、

自分に何かできることがないかなぁ、と
考えていました。

大きなことはできないかもしれないけど、
目の前の猫が幸せに元気に生きていくために何かできることはないかなぁ、

そんな目で、屋仁川や、奄美の色々な場所の猫たちをみるようになりました。

そこで、月日は流れ。

仲良くなった野良猫さんを、うちの子にお迎えしたい!という気持ちが強くなりました。


次回、
奄美大島の漁港に住んでいるボス猫を
我が家にお迎えする編!


きゅるきゅるお目目が可愛い





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?