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■春季西表島活動「所感」#3

【第三章】全七回に渡る訓練合宿

「KIP(駒澤大学探検部西表島プロジェクト)」一同は、2021年の3月に行う西表島活動に向けた訓練合宿を、山岳活動で必要な体力・チームワークの向上と、居川OBによる読図・ロープワークの技術指導を目的に全七回に渡り実施しました。

①丹波山村登山合宿   (奥多摩)
②裏男体山登山合宿   (日光)
③奥多摩・大菩薩縦走合宿【中止】
④水根沢登り合宿    (奥多摩)
⑤海岸線歩行訓練合宿  (三浦半島)
⑥小櫃川水系3沢登り合宿(房総半島)
⑦清澄山山系縦走合宿  (房総半島)

活動地域はどれも「西表島」を想定しており、前半は登山を、後半は沢登りを中心に行いました。

①②あたりの合宿では、私はペースを上げすぎたり、寺本は何度も足をつったり、そして白田は違う地図で現在地を確認したりなど、三人ともフィールドで活動する為の知識や経験が全くと言っていい程ありませんでした。

居川OB曰く、最初はどうしようと頭を抱えたらしいです(笑)

③はメンバーの体調不良で中止になりました。

④は初めての沢登り。9月下旬という肌寒い季節ながら、泳ぎの沢と呼ばれる「水根沢」でジャブジャブ胸当たりまで浸かりながら遡行し、滝を越えました。

その後も⑤、⑥、⑦と訓練を重ねた結果あることが判明しました。

𠮷田はある程度の山岳経験と、スポーツで培われた身体能力を兼ね備えているが、一方で読図がまるっきしできない。

寺本は読図やルートファンディング力に優れているが、一方で体力があまりない。

白田は身体能力は抜群で、手先も器用でロープワークも得意とするが、一方で読図とルートファンディングができない。

以上のように「KIP」はそれぞれ違う長所と短所を持つ、謎のメンバーで構成されていました。居川OBは後に、誰か一人でも抜けるとチームとして機能しないどころか、活動すらできなかったかもしれないと語っております。

事実、読図担当の寺本が欠席した⑦の合宿で、居川OBがサポートに回り、私と白田の二人だけで活動した際、藪尾根で90度方角を間違え、ルートを外れてしまったことがあります。

白田がコンパスを忘れ、私のコンパスが南北逆に反転したことも一つの原因ではありますが、それでも寺本がいないだけでここまでミスが起こるということを思い知らされました。

ちなみに⑦の合宿では「黒霧島」をラッパした𠮷田という者が潰れて動けなくなった挙句、テントの中でリバースするという大事件も起こしております。

たった七回ではありますが、とても内容の濃い充実した訓練合宿を送ることができました。

そして心身ともに成長した「KIP」一同は、今年の3月1日から3月8日までの一週間に渡り西表島で活動してきました。

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現役三人の中なら、最初は私の方が体力も経験も上でしたが、西表島活動本番では、皆私を上回る勢いで、アダンの藪が生い茂るジャングルに突っ込み、そして前へ前へと進んでいました。

体力に自身はないが、ただ興味があるという思いで参加した寺本。自然が好きという気持ちで参加したら、気づけば沢で泳がされた白田。

この二人は、最初は知識や経験もなく、雨に打たれずぶ濡れになったり、蜂に追い掛け回されたり、重たい荷物で肩が痛くなったり、苔で滑って転んだりと、散々悲惨な目にあってきたにも関わらず、文句一つ言わずこんな無茶活動についてきてくれました。

彼らは本当に、共に成長し、駒澤大学探検部の一員として、その使命を果たしてくれたように思います。

私は寺本、白田の現役二人と、大先輩である居川OBと一緒に活動ができて本当に楽しかったです。そして感謝の気持ちでいっぱいです。

次回に続く!(まだあるんかい)
次回が最後です。


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