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偉大なる大人の皆様

はじめに

 社会人の一人として世間に出て一年以上が経過した。

 就活の段階からある程度大人として生きることへの情報収集と覚悟はしてきたが、それでも社会に出ることは辛い。一年経った今でも、まだ周囲の人に迷惑かけっぱなしである。

 こんなことを考えていると、周囲の大人の凄さについてふと考えるようになっていた。

一年目の洗礼

 4月に新社会人として働く会社にて。新社会人の仕事は「聞くこと」だと聞いていた私はメモを片手に先輩の一言一言をよく聞き、必要に応じて質問や確認をしながらその言葉を自分のものにできるよう努めた。

 この姿を見た周りの人は私のことを真面目に仕事をする人だと捉え、少なくとも変な印象は抱いていない様子。このまま順調にいけば特に波風立てずに、行く行くはかっこいい大人になれると思っていた4月だった。

 しかし、5月以降になると自分に余裕がなく、焦ってミスをすることが多くなった。プリントへの誤記入や報告忘れ、業務遅れなどなど、数えるとキリがない。これまで特に大きな失敗をしてこなかった自分にとって、これらのミスは精神的にくるものがあった。

 同じ失敗を繰り返さないようにすることは当たり前だ。それよりも「周りの色々な人に迷惑をかけてしまった」という事実が精神的ダメージを受ける。

 さらに、何も言わず、嫌な顔ひとつせずに助けてくれる周囲の人や、嫌な思いをさせてしまった客や同僚の人の存在を考えると、そのダメージがさらに増える。

家の戦い

 社会人になってから、自分の時間がさらに減ったように思う。

 そもそも平日は快眠でないことから、休日にどうしても長い睡眠を取ろうとするため、休日の活動時間が短くなってしまう。

 また、体力の消耗によって遠出をしようとは思わなくなってしまった。

 休みの日にがっつり運動しようとは思わなくなった。私の休日の運動といえば、10分程度の筋トレと近くの公園でのリフティング、散歩くらいだ。

 気がつけけば遠出などの時間と体力がいる余暇の過ごし方はなくなっていた。少しやってみたいという気持ちはあるものの、そんな気持ちはとうの昔に消えていたのであった。

おわりに 尊敬

 新参者は、社会人数年目を嘆いている。

 しかし、その日々を耐えに耐え、耐えに耐えてきたのが、私の両親だ。

 仕事場とその客、近所付き合いや家庭での喧嘩など、多方面から日頃のストレスを溜めていく。こうして我慢して生み出したお金やもの、時間を私たち子供に、限りなく、惜しみなく与えて続けてくれた。

 1週間で溜め込んだストレス発散といえば、一本の缶ビールと、数時間のテレビ番組。ストレス量の割に合わない。こうした全回復できないであろう回復方法で来週に備えるのだ。

 しかも、親は私たちにその苦しさをあまり見せなかった。記憶上、数回は仕事のことについて嘆いたり大声を出したりしていたこともあるが、その数回だけ。30年以上働いてきて、数回だけだ。逆にいえば、30年石のほとんどを、何も言わず、ただじっと耐えてきたのだ。

全国の社会人の皆様、この忍耐、感服いたします。

今日も一日、お疲れ様です。

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