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夏のお供

秋になっても残暑が厳しい昨今。夏から引き続き油断のならない『熱中症』。今までに何度か熱中症で倒れたことがあります。古くは小学校の校長先生の長話の最中に始まり、駅で1回、最近では2年前、テニスのレッスン中でした。

倒れる人は大体決まっているので、体質も関係あるようです。数多ある対策グッズの中で、私の一押しは『氷嚢(ice bag)』です。

2年前の10月、すでに秋に突入していたある日、急に猛暑になった日がありました。連日涼しい日が続き、身体が涼しさに慣れてきた頃のいきなりの猛暑です。前日にコーヒーを飲んだことも災いしました。午前3時くらいまで目が冴えて、ずっと眠れませんでした。急な暑さのぶり返しと睡眠不足。悪いことが2つ重なりました。今思えば、レッスンを休めば良かったのです。

私の場合、熱中症の症状の流れとして、最初に視界の隅に砂嵐のようなものが現れます。徐々にその範囲が広がり、視界全体が砂嵐に覆われます。やがて黄色い渦がグルグルと回転し始め、最後は暗黒の世界に。周囲の騒音も聞こえなくなります。

こうなったら立ってはいられません。その場にしゃがみこむか、幸運にも椅子があれば腰掛けるかして、回復するのをただ待つしかありません。

時々「大丈夫ですか?」と声をかけてくれる親切な人がいましたが、うなずくだけで精一杯です。『有難いけれど、今は放っておいて。』という心境です。しばらく休んでいると、ザワザワと周囲の物音が聞こえてきて、徐々に視界が明るくなります。周りが見渡せるようになればとりあえず大丈夫。無理は禁物ですが、自分の足で歩けるようになれば、一応回復です。

話を戻しまして、そして迎えたテニスのレッスン。ラリーの途中から視界が暗くなり、砂嵐がチラホラ現れ始め、クラッと来ました。嫌な予感がしたので、黄色い渦が現れる直前に待ったを申し出て、しばらく休憩させて頂きました。その時、受付からお借りした氷嚢(ice bag)にすっかり感激してしまいました。『こんな良いものがあるんだ!』と、その冷たさに癒されました。

約10分後、回復した私は「これ、凄く良いですね!」とコーチに氷嚢を指し示したところ「百均にあります。」とのご回答。後日、早速百均に行きましたが、すでに取り扱いが終了しており、別のお店で入手しました。

氷嚢(ice bag)は私にとって、今まで出会った熱中症対策グッズの中で一番良く、それ以来、暑い日のお供にしています。そして何より、睡眠不足にならないよう、気を付けるようにしました。レッスン前日のコーヒーは、私の場合は禁物です。

翌週、コーチに真っ先に、先週ご迷惑をおかけした事を謝罪しました。その日は、涼しい秋風の舞う、絶好のテニス日和でした。


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