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【対談】リコーとCAMPFIRE Startupsのパートナーシップを通じたスタートアップ企業支援のエコシステム構築

リコーが2019年から開始したアクセラレータープログラム「TRIBUS(トライバス)」は、社内外からイノベーターを募り、同社の豊富なリソースを活用し、新たな価値創造につなげるプロジェクト。ワークプレイスやイメージング領域にとどまらず、社会の広い分野での課題解決を目指しています。

株式投資型クラウドファンディング「CAMPFIRE Angels」を運営する株式会社CAMPFIRE Startupsは、2021年6月よりこの「TRIBUS」のパートナーに参画。採択されたスタートアップ企業に対して、総合的なファイナンス相談窓口として、当社の経験豊富なキャピタリストが資本政策の策定や事業計画の策定等のサポート、購入型・融資型・株式投資型等の様々なクラウドファンディングを活用した資金調達サポートを行ってまいります。

この連携によりスタートアップ企業に提供できる価値はどう広がるのか、「TRIBUS 2021」の事務局代表を務めている大越 瑛美様と、CAMPFIRE Startups取締役の田中 駆の対談を企画いたしました。

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田中:本日はよろしくお願いします!早速ですが、「TRIBUS」について改めて教えてください。

大越:「TRIBUS」は、リコーグループ社内起業家と社外スタートアップを対象としたアクセラレータープログラムです。

田中:「TRIBUS」は、社内外を問わず、広く募集する点が特徴的ですよね。昨年度はリコー社内から87件、社外からは156件の応募があったと聞きました。

大越:そうですね。「TRIBUS」のルーツは社員と役員の対話なんです。「新規事業を立ち上げてみたくてもチャンスがない」「既存事業をベースに社内ルールがあるので、前例のないことをしようとしたときに会社のサポートが得られにくい」という声が上がったのに対し、経営陣が「平等に挑戦できる環境を作ろう」と考えたことから、「TRIBUS」の前身となる社内起業への挑戦が含まれるアクセラレータープログラムが経営方針に盛りこまれました。

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TRIBUS推進室/環境・エネルギー事業 
大越 瑛美

 
リコージャパン株式会社入社。文書管理システムや個人認証システムのプリセールスを経験。株式会社リコーにて、RICOH THETA立ち上げメンバーとして広報・マーケティング・コラボレーションを担当。環境CSV拠点である環境・エネルギー事業センターでのオープンイノベーション担当を経て、リコーのアクセラレータープログラムTRIBUSを立ち上げ、運営事務局に従事。
現在「TRIBUS 2021」事務局代表を務めている。


大越:また、オープンイノベーションをより活性化させることも「TRIBUS」が目指すことの一つです。私はTRIBUSに来る以前は、御殿場市に拠点を置く「リコー環境事業開発センター」でオープンイノベーションを担当していました。大学や自治体、他の企業などと産官学連携も行ってきて、イノベーションを起こすためには社外との連携が欠かせないと身にしみて感じていました。社員のやりたいことを実現できる仕組み風土醸成と社外スタートアップの支援を通じた新たな価値創造強化、2つのやりたいことがちょうど重なり、形になったのが「TRIBUS」なんです。

アクセラレーションも、スケーラレーションも。

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田中:今年度から大越さんが事務局代表を務められていますね。

大越:リーダー、メンバーといった肩書は役割でしかないので、同じ思いを持っているのなら順番にやるのがいいんじゃないか、ということで今年度は代表を拝命することになりました。

田中:そうだったんですね。今年のテーマは「不可逆な世界でこれからの選択肢をつくる」と、広がりを感じる言葉ですが、どんな思いで決められたのでしょう?

大越:パンデミックが起きたことで、価値観がガラッと変わったのが2020年。2019年からはじめたTRIBUSでは社員が起業家として新たな価値を生み出していく姿を目の当たりにしました。ほしい未来は自らつくる、そんなことを挑戦者の支援から感じて、これからネガティブなことに限らずポジティブな価値観の変化も起こせるはずだ、多様な価値観や可能性を作っていくぞ、と希望を込めてテーマを決めています。

大越:また、リコー自体もビジネスユニット制へ変更し、OAメーカーからの脱皮とデジタルサービスの会社への事業転換を進めているところなんです。我々自身が変わっていく必要がありますし、「デジタルサービス」と言うと非常に領域が幅広い。その上コロナ禍でリモートワークが進んだことで、リコーが得意としてきた「オフィス」市場から「ホーム」も対象として入ってくる状況に置かれています。「TRIBUS」においても、特定の業界に絞るのではなく、今まで以上に幅広く、多様なサービスに目を配っていきたいです。

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取締役 執行役員
経営戦略
本部長 兼 プロダクトマネジメント部長
田中 駆

横浜市立大学起業戦略コース卒。 HR系企業を中心に、セールス・経営企画・DX・オープンイノベーション・新規事業企画に従事。
2018年に株式会社TOMOSHIBIを創業、代表取締役CEOに就任。
2019年4月に株式会社CAMPFIREに事業譲渡しジョイン、 同事業部長に就任。2020年7月より株式投資型クラウドファンディン グ「CAMPFIRE Angels」立ち上げに参画。2020年12月より取 締役に就任、経営企画・事業戦略・プロダクト・マーケティング領域を統括。
2021年4月より渋谷区 グローバル拠点都市推進室 スタートアップ支援事業 創業支援・グロース支援領域 プロフェッショナルア ドバイザーに就任。

大越:また、今年から支援の道筋を「アクセラ型」「スケーラー型」の2つに分ける取組も始めたところです。1年目はまだ若いスタートアップや起業前の方が多かったのですが、2年目は後半のステージのスタートアップからもご相談いただくようになりました。既に自社で課題を特定しており、明確な目的を持ってプログラムに参加されるケースも増えたことで、適切なリソースを提供できたのかと反省するところもありました。

田中:なるほど。アイディア期のアクセラレーションから、サービスが形になってきて以降のスケーラレーションでは、必要な支援も変わってきますね。

大越:そうですね。今年から、スタートアップのステージや抱える課題により寄り添った支援を行うために、2つの形式を取ることにしました。

田中:「アクセラレーター」と「スケーラレーター」はそれぞれ別のプログラムとするやり方もあると思うのですが、両方を支援するのも「TRIBUS」の新しい特徴になりそうですね。

スタートアップ支援の「エコシステム」構築を目指して


田中:豊富なリソースを持つリコーの「TRIBUS」にお力添えできること、とても嬉しく今後の展開を楽しみにしています。当社に期待いただいている点をお伺いしてもよいでしょうか。

大越:TRIBUSとして、排他的な関係でない限りつながりを広げ強化していきたいと思っているので、リコーグループだけでは間に合わない少額出資のファイナンスの領域にリーチできるのはありがたいですね。いい機会をいただいたと思っています。

田中:当社以外にはどのような企業と連携されているのでしょうか。

大越:スタートアップ支援の取組を行っているMicrosoft for Startupsとはお互いのリソースを補う形でスタートアップ企業を紹介し合う流れはできていますね。今年から「KDDI∞ Labo」とも連携しました。

田中:CAMPFIREも∞Laboとは縁があるんですよ。スタートアップ支援をしているリコーのような大企業や、我々のようなベンチャー企業が合わさって、既に小さなエコシステムが出来上がりつつあるのかもしれませんね。

大越:まさに、そんな循環を目指していきたいですね。

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田中:当社はまだまだベンチャー企業で、持っているリソースは限られていますが、クラウドファンディングを中心としたファイナンスサポートには自信があります。TRIBUSのように包括的な支援を行うプログラムにおいて、必要に応じてファイナンス専門の相談窓口になれたらいいなと考えていたので、ぜひこれから一緒に事例を作っていけたら嬉しいです。

▼CAMPFIREの提供する企業向けソリューション:

大越:クラウドファンディングは採択されたスタートアップ企業に限らず、社内で発足したチームがご相談させていただくことがあるかもしれません。新しいプロダクトが仕上がってきたタイミングで、市場にどう受け入れられるのか反響を探るにあたって優れた仕組みだと思っています。自分たちが持っていないチャネルとすぐ繋がり、検証できるのは大きな強みですよね。

田中:ありがとうございます。

大越:スタートアップにとっても、やはりアクセラレータープログラムに採択される前後で資金調達を検討するケースが多いと感じているので、TRIBUSのリソースを使っていただいて、手応えを得られたタイミングで購入型か融資型か株式投資型か、適切なクラウドファンディングを実施するケースも生まれてくるかもしれませんね。

田中:そうですね。TRIBUSに採択され、リコーのサポートを受ける中で見えてきた答えをクラウドファンディングでそれを証明する、まさにPoCのような使い方をしていただけるかもしれませんね。

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