僕がプログラミング初学者にMacを薦めない理由

こんにちは、CamouflageSixです。
カーナビや医療機器の組込から、金融系システム、通信系システム、WEB系システムまで、20年以上幅広く開発を行っているフリーランスのエンジニアです。

今回は、スクール系のYoutuberなどが「開発はMac」みたいなことを言っているのに、激しく違和感を感じたので、この記事を書きました。

Macを薦めない理由その1：価格が高い
僕が、初学者にMacを薦めない最大の理由です。Macは高い！
一番安いモデルでも、１０万円程度します。
感覚的ですが、同じ性能や重量なら1.5倍くらいは高い気がします。
そして、PCは所詮仕事道具です。3～5年程で交換する消耗品です。
そもそも、プログラミング初学者にそれほど高性能なPCは必要なく、学習用なら5万円程度の低スペックノートPCで問題ありません。
会社が提供してくれるならいざしらず、自分のお金で高いMacを買おうとは僕は思いませんね。

Macを薦めない理由その2： 圧倒的シェアの低さ
インターネット上でOSなどの市場シェアを調査しているNet Applicationsによると、2020年2月のOSシェアはWindowsが88.2%でトップ。次いでmacOSの9.42%、Linuxの1.82%となっています。
実は、Macのシェアは世界のわずか9.42%しかないです。世界の88.2%がWindowsです。当然、ほとんどの企業はWindowsを使っています。
就職した時、あなたに貸与されるPCはWindowsの可能性がかなり高いです。
MacとWindowsはキーボードも若干違うので、就職時に戸惑う人もでるかもしれませんね。

蛇足ですが、Linuxは現代のServerのほとんどが利用しています。
しかし、Serverの台数などPCに比べれば微々たるものですし、
開発マシンでLinuxを利用する場合は、WondowsかMacを購入して、仮想マシン上で利用する場合がほとんどです。
したがって、調査結果では1.82%となっていますが、実際はもっと使われていると思います。
実はMacのOSもLinuxベースです。その点では、MacはLinuxのシェアに含めても良いくらいです。

Macを薦めない理由その3： Windows + 仮想マシン(Linux)のほうが一般的
現在のMacのOSはLinuxベースなので、Windowsに比べて環境構築が楽なのは否定しません。僕も開発はLinuxで行います。
ただし、Linuxは仮想マシンで動きます。
仮想マシンとは、Windows上でソフト的に別のOSを動かす技術です。
WindowsなのにOSはMacなんてことも可能です。
（TechCampの記事で、WindowsではMacOSを仮想化できないと書かれていたけどウソです）
なので、最近のほとんどの現場の開発環境は、Windows＋仮想マシン(Linux)で開発します。
プログラミング初学者の大半の目的は、「プログラマとしてIT業界に就職したい」だと思うので、Macで学ぶよりは、Windows＋仮想マシン（Linux）で学んだほうが良いと思います。

Macを薦めない理由その4： 動かないアプリなどが結構ある。
シェア9.42%のMacです。当然Windows用はあるけど、Mac用アプリはない場合は結構あります。88.2％のシェアをほこるWindowsにはほぼない問題です。

では、なぜスクール系YoutuberがMacを推すのか？
これは想像にすぎないので、みなさんからの意見を聞きたいところですが、
単に「教える時に楽だから」だと思います。
Windowsは多様なメーカー販売しています。初学者は間違った操作をして、環境を壊してしまうこともよくあるでしょう。
その時、Windowsだとメーカーの違いなどによって、問題や解決方法も様々になってしまいます。
受講者がMacであれば、基本解決方法は1つなので、講師の負担は軽いです。高いMacを買うのは受講者であり、スクール側の懐が痛むわけではないので薦めているのが最大の理由だと思います。

これに限らず、業者側は自分たちに利益があるようにポジショントークを展開するので、鵜呑みにせず色々な意見を聞くのが重要です。

Macをディスっているわけではない
散々ネガティブなこと書いておいて、なにいってるんだって感じですが、決してMacをディスってるわけではないです。
例えば、デザインやDTMの世界はMacの独壇場です。
理由の詳細はここでは省きますが、印刷の色や、音楽などでは単一メーカーで作られているPCのほうが都合がよく、昔からMacがアートに力を入れてきた成果です。
また、PC事態のデザインもMacのほうが洗練されていって意見は多いですね。
大学の先生なんかは、Macが好きな人が多いです。

最後に
開発用として、MacがWindowsより劣ることはありません。
Macは良いPCですし、「既に使い慣れてる」、「Macが大好き」など、Macを選択する理由はいくらでもあると思います。
ただ、「開発にはMacのほうが良い」、「MacのほうがWindowsより優れている」のような意見には、激しく違和感を感じます。
プログラミング初学者は若い人が多いと思いますし、価格が高いのは、結構な負担になるのではないでしょうか？

5万円程度のWindowsノートPCでしっかりプログラミングを学習して、数年後の交換時期にMacや高価なWindowsマシンを検討するのが僕のお勧めです。