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お得な日本酒の見分け方

日本酒初心者の人が日本酒に興味を持ちはじめて最初に困るのが、どの日本酒を買えばいいか分からないということだと思います。そして、その際に大切なのが「お得」に買いたいということではないかと思いますので、今回はお得な日本酒を買うためのポイントをご説明したいと思います。

そもそもお得とは?

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まず我々はどのような時に「お得」と感じるのでしょうか?

それは「実際に感じた価値」が「期待値」を上回った時です。

例えば、ものすごく評判の良いお店で食事をした時や映画を見た時なども、あまりに期待しすぎると実際に美味しかった料理や面白かった映画もあまり満足した=お得と思わなかったという経験は皆さんもあるのではないでしょうか。

そして日本酒において「実際に感じる価値」とは商品の味わいがメインになります。 ただ実際に感じる価値は好みもあり人それぞれなので、自分の好みの商品を選ぶことが重要なのですが、その方法についてはこちらの記事でご説明しておりますのでご覧ください。また同じ商品でも飲み方で味わいは大きく影響しますので、こちらの記事を参照してみてください。
実際に感じる価値を高めた上で、ここからは「期待値」について、期待値は値段がメインになりますので、日本酒全体と日本酒の商品について、値段を判断する際の材料やポイントを中心に説明していきます。


他のお酒と比べて日本酒はお得?

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これは日本においては間違いなくYESだと思います。もちろん、一般的な缶ビールや缶酎ハイなどと比較すると高いですが、これは目的が違う商品なので、比較するのであれば、ワンカップの日本酒になるでしょう。我々がお話ししている日本酒は美味しさを追求しているものなので、ビールだとクラフトビールと比較して考えてもらうとお得というのも納得してもらえるかと思います。以下が値段の目安になりますが、1,000円の前半でボトルで買えるのはワインやクラフトビールなどと比較しても決して高くはないと思いますし、造るのにかかる手間や技術、コスト、できた商品の質を考えても日本酒はまだまだお得だと思います。

値段の目安(720ml)
1,000〜1,500円 一般的なレンジ
1,500〜2,000円 少しいいもの
2,000円以上 いいもの


どんな商品がお得?

日本酒の中で商品を選ぶ際の手がかりは基本的にはラベルの情報になります。そして、その中でお得かどうか判断するポイントとなるのは次の5つの要素になります。

①お米

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お米:ブランド
日本酒は酒米と呼ばれる酒造りに適したお米を主に使うのですが、その中でも「山田錦」は1番のブランド米ですので、値段が高くなる傾向にあります。また山田錦を全面に出している商品は、他に売りがないからお米のブランドをアピールしている場合もあるので注意が必要です。


お米:精米具合
「大吟醸」や「吟醸」と書かれた商品はお米をたくさん削って使うため、必要な量が増え高価になります。
吟醸系の日本酒は雑味が少ないクリアな透き通った味になりといわれ、お米を潰さないように多く削るには大変な技術が必要で、先人達の苦労の末に可能となった味わいですが、特に山田錦の大吟醸はとても贅沢なお酒なので値段も高いですが、クリアで繊細な味なので、値段の割にこの味わい?となる可能性も高いかと思います。

②酒母づくり(山廃、生酛)

山廃や生酛づくりと書かれているものは、昔ながらの手作りの方法で時間と手間をかけて造っているので高くなる・・・はずなんですが、個人的な感想としてはそれほど値段に反映されていないように感じ、酒蔵さん大丈夫?と少し心配になっています。これは丁寧に造っている証拠なのでしっかりした好みの味わいなので、個人的には重要視しています。

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③蔵の知名度・ブランド
蔵が有名だったりファンが多いと需要があるので値段が高くなる傾向にあります。蔵がブランドとして価値を持っており、それだけファンが多い理由があるので、自分が共感できるブランドであれば、是非少し高くても飲んでみてください。ただし日本酒においてはそのような有名なブランドはまだそれほど多くはありません。

④機関の評価・賞を受賞

日本では昔から全国新酒鑑評会というものがあり「金賞受賞酒」などがありますが、これは醸造技術を競うものなので、それほど気にしないでいいかと思います。むしろ近年ではIWC、Kura Masterなど国際的な大会もありますので、そのような大会で受賞している商品は注目度も高く値段も高くなっている場合があります。

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⑤新しい取り組み
デザイン性の高いラベルやボトルの開発費、新しいジャンルの日本酒などは、純粋なお酒づくり以外にチャレンジした結果、それらのコストがかかっているので値段が高いか、同じような値段で販売されている場合には純粋なお酒としてはコストが安いものを使っている場合があるので注意が必要です。


あまり値段に固執しすぎる必要はないのですが、「お得」な商品を買うとテンションも上がり、もっと楽しむこともできるかと思います。コロナの影響で家飲みの機会も増えて実感した人も多いかと思いますが、そもそも自分でボトルを買って家で飲むと、外で飲む半額ぐらいの値段で飲めますので、値段を適正に判断して「お得」な掘り出し物を見つけて楽しんでみてください!

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