あれ?小寺さんすら間違えるとは思わなかった

 1ヶ月ほど前にnoteに掲載された、小寺さんというジャーナリストの方が書かれている記事です。小寺さん自身は西田さんというジャーナリストの方とタッグを組まれて結構いい記事を書かれることが多いため、私も好きでよく記事を都度購入して読んでいます。

 この記事も気にはなっていましたが、読む時間がなくやっと先ほど読み終えたと言うところなので、少し古い記事に対する感想で申し訳ないのですが、正直、書いている内容が誤解された内容を元に書かれているため、間違った指摘がありました。残念なことに。
 間違っているのは有料部分でないため、そのまま引用します。

マイナンバーカードにはすでに基本個人情報は格納されているので、あとは保険の種類と記号番号を紐付けするだけで、保険証の代わりにはなるだろう。だが記号番号を記載するスペースはないので、データとしてICチップへ書き込むことになるはずだ。いやデジタル自体のパスポートだもの、まさか表の備考欄に手書きや印刷で済ませるとは思えない。

 現在でもすでに、マイナンバーカードを保険証として使用できるように紐付けすることができるため、実際にマイナポータル経由で紐付けして確認いただければ分かりますが、ICチップに被保険者番号の記号番号などを書き込んでいるわけではありません。小寺さん以外にも、noteの他の記事で同じように誤解されていた記事があったので、コメント欄でその旨指摘するコメントを書き込みました。
 厚生労働省保険局の作成した資料にも明確に書かれているため、これを読めば問題なく理解できたはずなんですが・・・。

健康保険証の資格確認がオンラインで可能となります(医療機関・薬局向け)[PDF:4,349KB](2022/11/18更新)から抜粋

 本人確認できれば、マイナンバーカードと紐付いている保険情報をオンラインで取得し、その段階で被保険者の情報(記号番号など)を取得します。そうしないと、保険証を切り替えた後、いちいちICチップに情報を書き込むために役所に行かないと行けないという面倒なことをしなければなりません。ここのオンラインで情報を取得というところが、今回のマイナンバーカードを保険証として使用するところの最大のメリットであり、デメリットであるところです。メリットは、保険証切替の必要がない等々言っている部分であり、デメリットはオンラインで取得するためのシステム構築にお金がかかるというところです。
 今、多くの開業医から反発されているのは、このシステム構築のために、それなりのお金がかかるため、開業医には、とてもじゃないけどこのようなシステムを導入するのは無理だと署名活動含めて反発がされています。
 保険証を確認するのは何も病院だけではなく、整骨院などもあるため、このようなシステムを導入する土台すらないところには、簡易的なマイナンバーカードリーダーを用意するのではとも言われています。しかし、詳細はまだ正式に発表されていませんので、本当に簡易リーダーを用意するのかすら分かりません。とは言え、2年後の事を考えると、メーカーは簡易リーダーの開発には着手していなければ間に合わない事になります。

 IT系の記事を数多く書かれてきているジャーナリストの小寺さんですら、勘違いしてしまうと言うことは、正直多くの国民は正しく理解できていないと考えた方がいいでしょう。私の場合は、積極的に情報を取りに行っているので、勘違いさせられてしまう、と言うことはあまりありませんが・・・。

 ここは有料の記事の部分になってしまいますが、結論として言っていることは私と同じなので引用させていただくと、

全てをデジタル化してスマホに載せる前段階として、マイナンバーカードへの統一が必要ということなら、説明が足りないのはそうした未来へのビジョンだろう。

 2015年のマイナンバー制度開始当初から思っていましたが、未来を想定したビジョンを語れる人が不在だったことが、マイナンバー制度の最大の失敗でしょう。失敗は失敗として、今からでも将来像のビジョンを明確に説明してもらいたいものです。

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