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「コレジャナイロボ」大発動のマイナンバー統合論

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10月13日、河野デジタル相が記者会見し、現在使われている保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと統合することを発表した。加えて運転免許証機能の付与も、当初予定していた2014年末から前倒しする方針を示した。

ということは、2年後の同時期、保険証と運転免許証の機能がマイナンバーカードへ搭載される見込みとなった。ただ、運転免許証の方は、現行のものも併用して運用されるようだ。

これに対して新聞各社は、拙速である、国民に十分な理解と説明がされていないと反発している。まあ、未だマイナンバーカードを持っていない、持ちたくないと思っている人には初めて聞いたような話かもしれない。だがすでにマイナンバーカードを持ち、更新を経験したものにとっては、更新時に今度保険証としても使えるようになりますので手続きしませんかと言われていたし、運転免許証機能を持たせる話も、免許更新の時に聞いていた。さすがに初めて聞いたという人はそんなにいないのではないかと思うが、どうだろうか。

日本は国民皆保険制度で動いているので、原則的には保険証を持っていない人はいない。河野大臣は、ポイントやクーポンで釣ってマイナンバーカードを取得させるのは邪道と考えているようだが、じゃあ保険証を人質にマイナンバーカードを作れと迫るのは、正道ということだろうか。

河野大臣は、マイナンバーカードを「デジタル社会を新しく作っていくためのパスポート」と表する。方向性としてはそうだろう。だが、根本的なところで違うんだよなぁ感がある。

■保険証って具合悪い人が使うものじゃ…

そもそもマイナンバーカードは、確実に税収を得るための仕組みとしてスタートした。それに身分証明の機能を持たせることで、自治体での証明書請求にも使えるようにした。つまりグズグズになった住民基本台帳カードの機能を吸収したわけである。さらに写真付きの国が発行する公的身分証明証として、運転免許証やパスポートを持っていない人が使えるようになっている。つまりこれまでは、国が直接的に責任を持つ機能を統合してきた。

一方保険証は、国民健康保険は各自治体の責任、それ以外の健保組合、協会けんぽ、共済組合は各法人の責任となる制度だ。国以外の公的機関のものも統合を始めたということになる。

保険証の種類も職業によって色々あるわけだが、基本的には紙きれやプラの板きれに印刷された記号番号と氏名などの個人情報を目視で確認・入力し、データベースと照会することで加入状況が確認される。

マイナンバーカードにはすでに基本個人情報は格納されているので、あとは保険の種類と記号番号を紐付けするだけで、保険証の代わりにはなるだろう。だが記号番号を記載するスペースはないので、データとしてICチップへ書き込むことになるはずだ。いやデジタル自体のパスポートだもの、まさか表の備考欄に手書きや印刷で済ませるとは思えない。

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