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俳句マガジン 「ランタン」

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小生の処女句「ランタンはゆつくり灯る秋の雨」より。これから俳句を始める人や、句作に悩んでしまった人たちの、道を少しでも照らせたらと思う。
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2021年7月の記事一覧

「第1回アポロ杯」夏の俳句5句

アポロさんが俳句の大会をnote上で開催されている。小生も参加のお誘い頂いたので、夏の俳句5句をここに提出する。楽しい句が多く投句されているようなので、小生もそれにならって楽し気な(?)句を作ってみた。 説教を受くため帰省してをりぬ裸子のぶらぶら歩く実家かなローンあと三十年や胡瓜揉む荷物番押し付けられて海の家カップルの痴話喧嘩聞くかき氷 8月9日 (月曜日) まで募集しているとのことなので、興味のある人は是非投句してみてほしい。 私信 アポロさん。俳句関連でお手伝いでき

俳句 20句(裏代表)

 新人賞応募のために、ここ1か月でつくった句を数えたら108句あった。煩悩だらけの小生に相応しい数である。賞に出すA代表と呼ぶべき20句以外から、出来はともかく、個人的になんか気に入った20句をここに選抜した。いわば裏代表である。完璧に個人の趣向や思い入れで選んでいて、推敲が甘かったり、「これ俳句?」みたいなものもあるがご容赦願いたい。 嬰児の前髪めける蕨かな 仮病して暮春の海に抱かれたり 段ボール崩れて春の海近し 菜の花や子に囲まるる曲芸師  春炬燵どの遺影にも猫

房州オンライン句会 21年7月句会結果発表

 「房州オンライン7月句会」の結果を発表します。今回も当季雑詠・1人2句までの条件で募集いたしました。  参加者は16名で、計32句が集まりました。ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました!  今回の天の座(得点1番)は6点句で2句。人の座(同2番)は5点句で1句でした。点数は参加者の皆さんに「特選1句=2点」、「並選2句=各1点」にて選句していただき、集計しています。  それでは早速…… ・得点数上位3句 天の座(6点句) 黙食の食事介助や雨蛙 菊池洋勝

【句集紹介】聖樹 菊池洋勝句集を読んで

・紹介 小生が管理人をする「房州オンライン句会」に参加いただいている俳人菊池洋勝氏の句集紹介である。  いつもなら、句集についての紹介文や感想をここでつらつらと語るのだが、今回は短文でご容赦願いたい。洋勝氏の句を前に、小生の文章力では上っ面の薄っぺらいことしか書けそうにない。 呼吸器と同じコンセントに聖樹 菊池洋勝  この句は小生が俳句を初めて間もない頃、北大路翼氏編の「アウトロー俳句」にて知った氏の代表句だ。  言わずもがな、この句はまさしく「今を全力で生きている人

【句集紹介】未来一滴 乾佐伎句集を読んで

・紹介  俳句に比べて、短歌が若い人たちの間でポピュラーな理由の一つには、俵万智の「サラダ記念日」があると思っている。  「サラダ記念日」は市井の人々が短歌に感じていた、得体のしれない小難しさを破壊し尽くした。思ったことをあるがままに31音に託せばいい。短歌はそれでいいのだということを、あの恋に溢れた口語調の歌は示した。  それじゃあ、俳句はどうなのとなる。俳句にも優れた若い俳人が沢山いて、素晴らしい句集をたくさん出している。俳句愛好家たる小生はそれらの句を楽しんでいるが