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年間600種類の有機野菜を扱う『食の診療所カメリーノ』から #1有機農業って何??

◎こんにちは。

私たちは兵庫県西宮市にある『食の診療所 カメリーノ』です。
私たちは年間600種類の有機野菜や、抗生物質・ビタミン剤を投与していない安心安全のお肉、こだわりの調味料など、口に入るものは何でも取り扱っています!

現在は店内での飲食や、お野菜などの販売などを行っており、今後店内ワークショップの開催を計画しています!

この場を通じて、皆さんに有機野菜や、生産者さんの様子などを発信していきたいと考えています。

◎有機野菜の説明できますか?


みなさん、有機野菜とはどんなお野菜のことか説明できますか?
何となく体に良さそう。無農薬なんだっけ?高いイメージだな~。など人それぞれかと思います。
農林水産省による定義をみてみましょう。

◎有機農業の定義は?

1.化学的に合成された肥料を使用しない
2.化学的に合成された農薬を使用しない
3.遺伝子組換え技術を利用しない
4.農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減する

の4つを守ってつくられた農作物のことです。
有機農法であっても自然由来の肥料や農薬は使用できる、ということです。
(単純に無農薬=有機とは言えないんですね。)

◎有機農業で育てれば、有機JASマークを貼れるのか?!

さらに、農林水産省が定めた栽培基準をクリアすると「有機JASマーク」を使用し、農産物に「有機○○」等と表示することができます。

1.周辺から使用禁止資材が飛来したり、流入しないように必要な対策をしていること
2.種まきや、植付け前2年以上化学肥料や化学合成農薬を使用していないこと
3.組換えDNA技術の利用や放射線照射を行っていないこと

スーパーで見かけることが増えてきた「有機JAS」マークには厳しい条件があるんです。
消費者が有機農産物を選ぶことができるようルールが決められているんですね。

◎慣行農法、特別栽培、有機農法、自然農法って?

では有機農業以外にどんな農法があるのでしょうか。
大きく分けて慣行農法、特別栽培、有機農法、自然農法の4つがあります。

普段私たちがスーパーで手にする農作物の99%は慣行農法で栽培されています。
化学的に合成された農薬・肥料の使用が可能です。

また特別栽培という栽培方法もあります。
特別栽培は、その農産物が生産された地域の慣行レベルに比べて、節減対象農薬の使用回数が50%以下、化学肥料の窒素成分量が50%以下、で栽培された農産物です。

例えば大阪府の場合、稲作は慣行農法では農薬の散布回数は14回、窒素は9㎏施肥することができます。
特別栽培米と名乗るためには、農薬の回数が7回以下、窒素は4.5㎏以下の施肥にしなければならない、というわけです。
慣行農法よりも、農薬・肥料を抑えている、ということがわかります。

大阪では特別栽培の農産物に▲このシールを貼ることができます

そしてここまで説明してきた有機農業
これは化学的に合成された農薬・肥料の使用はできませんが、JAS認定の自然由来の農薬(殺菌・殺虫剤)や、動植物由来の肥料は施肥することができます。

最後に自然農法ですが、これは確立した定義はありません。
一般的には化学的に合成された農薬・肥料は使用しない、天然由来であっても農薬の使用もしない、肥料については植物由来のみ(枯草や藁)を認める、としている農家が多いようです。

◎有機農業の耕作面積の割合はわずか0.2%!

令和元年8月の農林水産省による有機農業をめぐる実情、というレポートによれば、耕地面積に対する有機農業取組面積の割合はわずか0.2%、10千ha。(2017年)
またここに有機JAS認定は取得していないが有機農業を実践している農地を加えても全体の0.5%、23千haしかないそうです。

有機JAS認定を取得した農地は平成21年から29年にかけ19%増加、
有機JAS認定は取得していないが有機農業を実践している農地は43%増加しているということで、
生産者サイドでも有機農業に取組む人が増えてきている一方、耕地面積にするとずいぶん少ない割合となってしまうのが現状です。

ちなみに海外の耕地面積に対する有機農業取組面積の割合は、下図の通りで、、いずれも日本より高い水準です。

◎有機農業の課題

消費者に安心安全を届けるために有機農業に取組む農家もいますが、実際は慣行農法と比べ、費用も手間も負担が増えてしまいます。
特に高温多湿な日本では殺虫剤や除草剤を用いずに雑草の防除、害虫カビの防除は非常に困難と言われています。
また消費者も形のそろった農作物を好む傾向が強く、そうした課題に取り組むには有機農業は非常にハードルの高い農法とも言えます。

<有機農業の課題>
1.労力がかかる
2.収量や品質が不安定
3.資材コストがかかる
4.期待している販売価格水準となっていない
5.販路の確保が困難

農林水産省のレポートによると、稲作では慣行栽培に対し有機栽培では、1キロ当たりの単価は2.3倍増加、10a当たりの労働時間は1.4倍増加と計算されています。
かかった費用が販売価格に乗ってくることは当然ですが、有機農業の実態を知らなければ、単に価格で農産物を選ぶことになります。
有機農業の農作物をもっと市場に流通させるには私たち消費者の意識や知識改革も必要です。

◎有機農法=絶対良い!慣行農法=絶対悪!ではない。

食べるものが私たちの体に及ぼす影響は多大です。
その中で、さまざまな方法で栽培されたものがあることを普通に生活していてはなかなか知ることができません。
有機野菜について知りたい。食べてみたい。と思っても、取り扱いスーパーや品目の少なさが目立ちます。
そこで、こだわりの食材を扱う者として、少しずつ情報を発信していき、消費者が食べものについて自ら考え、選べるようになってほしいと考えています。

どちらが良くて、どちらが悪いではなく、お互いを知り、自分で考え・選択できる消費者になっていきましょう!

◎連絡先

ここまで読んで頂きありがとうございます。
もっと知りたい、という方はぜひ一度『カメリーノ』田中までご連絡ください。
兵庫県西宮市今津中町6‐33
☎0798-22-6652
ライン

ちなみにカメリーノ オーナーの田中さんの顔です(笑)