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解像度を上げてもボケた写真はボケた写真

 はてさて以前に、最近の若者が言い出した「解像度を上げる!」という慣用句に対して、チラシなどの印刷物のデザイナーをしている僕としては「撮影したデータの解像度は上げても仕方がないのだけどなぁ・・・」と思った・・・といった内容の記事を書いたのでした・・・。


 ・・・その「若者よ、『解像度を上げる!』って言い回しは変よ問題」に関する話の続きを書こうと思って、イカのゲソ揚げを撮影したのですが・・・ちなみにこれは、「画素」と「ゲソ」をかけたシャレです・・・いろいろと調べてみたら、すでに「dpi値はプリント品質と関係ない」ということをISOこと国際標準化機構から発表されてた世の中だったのでした。しかも4年も前に・・・なんで、デザイナーである僕にこの情報が届いていないのだろう? 知り合いが少ないから??? さびしいデザイナー人生・・・。




 ・・・で、ISOが発表しちゃっていることを、僕みたいなB級老眼デザイナーが書いてもあんまり意味がなさそうですが・・・せっかく撮影しましたので書かせていただきます! 「最近の若者が言っている『解像度を上げる!』ってのは間違っているんじゃないのかい?」と思っている、数少ない、どなたかの一助になればという思いも込めまして・・・。

 てなわけで、えーと、前に書いたことの続きにもなるのですが・・・まずはドコモのガラケーで、よいしょっと「i shot」しました。そのイカのゲソ揚げの写真がこちらです。画素数は約200万画素のゲソ・・・。


約200万画素のゲソ



 荒れ荒れの写真でございます・・・この写真の一部を拡大してみますと・・・。


i shotした1万画素のゲソ


 ・・・当たり前ですが拡大しても荒れ荒れでございます。画像の大きさは100×100ピクセルで1万画素のゲソの画像にしました。

 でもって、同じイカゲソ揚げを一眼レフでも撮りました。画素数は約1,800万画素のゲソ。ガラケーで撮影したのより約9倍の画素数の写真がこちら・・・。


約1,800万画素のゲソ


 さすがは一眼レフ! i shotよりも鮮明かつ明瞭な画像です。こちらの画像も、一部分を拡大しますと・・・


一眼レフで撮った1万画素のゲソ

 こんな感じでガラケーのi shotよりもキレイですねー。色がぜんぜん違う。こちらも範囲は100×100ピクセルで1万画素の画像でございます。

 で、おわかりかと思いますが、今、紹介した2つの拡大した画像は、同じ画素数で、同じ解像度なのでした。それなのに、片方は荒れ荒れで、もう一つはキレイ。「そりゃあ、ガラケーと一眼レフなら、一眼レフのほうが鮮明かつ明晰なのは当たり前だろう!」とおっしゃられると思いますが・・・まぁまぁ、「当たり前」と思っていることって、自分だけの「思い込み」の場合ってのも多いですし、このことが「解像度とは何なのか?」「撮像素子ことイメージセンサーとは何か?」を理解するために参考になりますので、お暇でしたら、もうちょっと僕の屁理屈にお付き合いくださいませ・・・って、「屁理屈」って、無礼な! ・・・あ、自分で「屁理屈」って書いたんだ。失礼しました・・・で、i shotと一眼レフの1万画素のゲソの写真を並べてみますと・・・。


左がi shot 右が一眼レフ どちらも解像度は1万画素のゲソ


 このように、どちらも同じ1万画素の解像度ですが、左のガラケー「i shot」画像の方が荒いですよね。右の一眼レフで撮影した方が鮮明かつ明晰。何度も同じことを漆塗り的に書いていますが、解像度だけでは画像の明晰さを言い表すことはできない・・・これらを踏まえまして・・・。

 ではでは、最近の若者が言い出した「解像度を上げる!」という言葉のとおりに、左のi shot画像の解像度をフォトショップで上げてみます。解像度を10倍にまで上げてみましょーのコーナー! その画像がこちら!!


10万画素のゲソ



 10万画素の解像度に上げましたが・・・キレイにはならないのですよね。データは重くなりましたが、ボケボケ荒れ荒れのまんま・・・つまりですね、えーとだから・・・表にするとわかりやすいですかね・・・。


デジタルデータの画素のおはなし


 解像度を10倍にしても、一眼レフの画像のように鮮明かつ明晰にはならないのでございました・・・。

 でもって、次に、今度は「強化」というものをやってみます。これは、アドビのアプリケーション「フォトショップ」でできる方法なのですが、ちまたでは「スーパー解像度」などと言われているようで・・・。



 ということでございまして、ガラケーでi shotした画像を「強化」してみた画像がこちら!


強化したでゲソ


 強化されて4倍の画素数、4万画素になりました。元の1万画素の画像と並べてみますと・・・。


左が1万画素のゲソ 右が4万画素のゲソ


 ・・・並べてみましたが、みなさま、違いがおわかりになりますでしょうか・・・僕にはわからないですね・・・どっちも荒れ荒れの画像にしか見えない・・・。ということでございまして「強化」をしても画像サイズは大きくはなりますが、画像の明晰さは変わらないですよね・・・ボケた写真を「強化」すると画像サイズが大きくなってデータが重くはなりますが、ボケた写真のまんま・・・つまりですね、えーと・・・また、表にしますと・・・。


デジタルデータの画素のおはなし


 ということでございまして、「解像度を上げる!」でも、「強化」でも、画像は鮮明にはならないのですよね・・・この「強化」って、僕に馴染みがなくて、よくわかっていないのですよね・・・ですので、えーと・・・以下引用。


Photoshopの「スーパー解像度」を使⽤すると、元の画質を保持しながら、画像の解像度を縦横それぞれ2倍、総面積4倍まで拡大することができます。スーパー解像度はRAWファイルの他に、JPEGやTIFF画像にも適用することが可能です。


 この引用文のキモは「元の画質を保持しながら」だと思います。これって、つまり「元と画質と同じ」ってことで「元の画質より良くはならない」ってことだと思われます・・・おそらく、ここの部分を最近の若者が勘違いして「解像度を上げる!」=「元の画像よりキレイになる!」って勘違いしちゃったような気がします・・・。

 で、えーと、ということなので、「データの解像度を上げても明晰にはならない」ってことに世の中が気がつきはじめ、ISOからも発表があり、焦ったカメラ業界は「画素数が多いぞー! ほしいだろー! 買えー!!」と言うのをやめて「イメージセンサーが大きいぞー! ほしいだろー! 買えー!!」という売り文句を言い出したのではないかいな・・・というのが、僕の浅はかで赤坂なゲスの勘繰りの極みなのでありました・・・。


カメラを選ぶならセンサーサイズに注目!


 ということでございまして・・・しかし、僕って文章が長いですよね。まだ続くんですよ。読んでくれてる人っているのかなぁ? ・・・・ということで、まだ続きますが、最近の若者が言い出した「解像度を上げる!」は、ちょっとした勘違いをされている。・・・けれどもですね、この長々と書いた僕の理屈って「デジタルデータの解像度に関してのみ言えること」なのです。ですから、他の解像度では「解像度を上げる!」で「画像を明晰にする!」ことは可能なのです!

 それは例えば「絶対解像度」と言われるテレビの「解像度を上げる!」ことはできるのでした。その方法は「今お持ちのテレビより、もっと画素数が多いテレビに買い替える!」ということになりますが・・・。それからカメラの撮像素子ことイメージセンサーの「解像度を上げる!」こともできるのでした。その場合には「今お持ちのカメラより、もっとイメージセンサーの大きいカメラに買い替える!」ということですが・・・どちらもお金が、かかります。なので「解像度を上げる!」って言葉の意味は「今より良いものに買い替える!」って意味になっちゃいますね・・・ぜんぜんサスティナブルなデベロップメントのゴールではないんだズー。

 ・・・それから(まだ書くのか!)若者たちに言いたいことなのですけど・・・「解像度を上げる!」だとか「イメージセンサーが大きいカメラを買えば写真がうまくなる!」とかいう考えは「いいフライパンを買えばキレイなオムレツが作れる」というような話に僕には聞こえちゃうのですよね・・・あの〜、いいフライパンを買っても、オムレツは上手に作れないのです! ・・・と言いますのも、僕は6年前からオムレツを作ったら写真を撮るようにしているのですが・・・えーと、写真データはどこにあったかなぁ・・・あ、あったあった! えー、こちらが6年前のオムレツの写真・・・。


2018年のオムレツ



 汚いオムレツですよねー。苦そうで、まずそう。見た目が人に供するものじゃない。最近の若者風に言えば、これは「解像度が低いオムレツ」ですね・・・。けれど、こんな汚いオムレツしか作れなかった僕でも、6年ぐらい作っていると、どうなるかといいますと・・・。


2024年のオムレツ


 だいぶ上手になりました! ちなみにフライパンは300円の小さめのフライパンを使用しております。撮影も、うまくなっちゃっているので、同じ人が撮った写真には見えないかと思いますが、同じ人が作ったオムレツを同じカメラで撮っております。

 ということでございまして、僕が若者に言いたいことは「続けているとできるようになるよ」です! ・・・愛想も愛嬌もない、つまらない結論ですが、世の中に魔法の杖は売っていないようです・・・ということで、若者よ! 仕事も撮影もオムレツも、キミ次第!! ・・・え〜と、解説しますと「オムレツ」なので「君」と「黄身」をかけて「キミ」って書きました・・・ということで、整ってるのか整ってないのか、説明が必要な解像度が低いオチでスイマセン・・・。てなわけで、文章が長すぎる! 話があっちゃこっちゃに行って、読みづらい! 内容もわかりづらい! ・・・それは書いている僕が一番わかっている! わかっちゃいるけど公開しちゃお〜っと。ではでは、本日はここまで! 次回を刮目相待!!

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