CAMEL株式会社 外国人に求める能力は「試験合格する能力」? それとも「コミュニケーション力」?

日本で働くことを目指す外国人は日本語能力を測る検定試験に合格するために日々勉強していることと思います。
同時に雇用している外国人に試験合格を期待する企業も多いかと思います。
ここでひとつのクエスチョンです。雇用する企業にとって外国人材に求める能力は何でしょうか?

このような質問をすると、おそらくほとんどの方がコミュニケーション力と答えられると思います。ごくごく自然なことだと思います。しかし、実際は求めていることと、それを会得するための手段・考え方・立ち居振る舞いが直接紐づいていないことになってしまっているのをよく感じます。

多くの企業が外国人雇用する上で、日本語能力検定をはじめとする資格ビジネスに踊らされまくっています。実際に外国人材の面接に携わった方はよくご存知だと思うのですが、 N 1や N2を持っていても、会話力が期待するレベルでないことのほうが多いのではないでしょうか?

実は、これは日本人の英語とまったく同じですよね。日本人は勉強が上手です。そして勉強が好きな人の比率が高いと考えています。ただし、この勉強というのは、主に文法や単語を覚えたり暗記中心で読み書き中心の勉強なのです。私たち日本人は、私の世代で言うと中学校から大学受験に至るまで長きにわたって英語を勉強してきました。しかしその勉強で会話ができるようになった人は何人いたでしょうか?英検やTOEICなど自分の英語のレベルを推し量る試験に合格するために勉強し、テストではそこそこいい点も取れたことがあったのに、 肝心の会話ができない。つまり「聞き取れない」「話せない」。残念極まりないです・・。

同様に外国人の日本語力を推し量る日本語能力検定試験も、日本人が作った試験なので読み書きの勉強寄りの試験になっています。 漢字圏の中国人台湾人が受かりやすいのも納得です。

つまり「読み書き」の能力を高めても「話す聞く」能力は伸びないということです。多くの日本人が体現して実証済みかと思います(私個人的には日本における最大の実証実験ではないかと思っています 笑)。

企業の中には、雇用している外国人が日本語能力検定を合格したいと言ってるから日本語教育を提供しているという会社もあります。
合格したら転職するのに有益な武器をわざわざ、雇用している企業が提供しているとは、かなり余裕のある企業かと感じてしまいます。
無知な日本人が海外旅行でぼったくりに会っている光景を横で見ている感覚になるのは私だけでしょうか?

では、どうしたらいいのか?
今一度雇用する外国人材に求めている能力が何なのか?求めているものが足りない場合どうしたらいいのか?
考えてみてはいかがでしょうか?

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