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同じ映画を74回観るとはどういうことか

本記事は「ぼくのわたしのスタァライト Advent Calendar2023」に参加しています。他の記事も是非読んでみて下さい!

はじめに

こんにちは、突然ですが皆様は同じ映画を映画館で複数回観たことはありますか? もちろんそれなりにオタクな方であれば経験があることかもしれません。しかしながらこの場合、皆様が想像する複数回とはせいぜい~10回くらいではないでしょうか。ですがとあるジャンルではこの回数が50回、100回を超える猛者がゴロゴロ存在しているのです……。

えー前書きが長くなりましたがこの記事は私がこれまでに『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト』(以下、劇ス)を74回映画館で観たその記録になります(回数は2023年12月22日時点)。劇スはなかなかヤバい映画なので今月(2023年12月)に至るまで日本全国のどこかしらで月1回は上映されており、映画館での鑑賞回数が50回や100回を超えるような方々も沢山おられるのです。
思い返せば私も若輩者なりに鑑賞回数を重ねていたので、ここら辺でひとつまとめておこうと思いました。多分今後これだけ見る映画はないんじゃないかな。ちなみにこの記事ではどこの映画館がおすすめかなどといった役に立つ情報はほぼありません。タイトルの通り、ただただ同じ映画を2年半で74回観たよという記録記事ですのでよろしくお願いします。

分析方法

まずどうして鑑賞回数が74回ってわかるんだという話ですが、それは私が鑑賞ごとにスケジュールアプリに記録を残していたからです。こう書くとマメな奴だなと思われるかもしれませんが、たしかこれは鑑賞回数が10回を数えた辺りから面白くなって始めただけで、要するに記録はかなり適当です。Googleカレンダーを使っているので今回集計を自動化できないか検討したのですが、あまりに適当な記録(数々の表記ゆれ等)に断念しました(1敗)。データ設計はきちんとしないといけませんね。
というわけでGoogleカレンダーを確認しながら手打ちで鑑賞日付や場所といった情報をスプレッドシートに打ち込んでいきます。

集計中……

74回くらいでまだ良かったですね(300回超えとかだったら流石に無理っす)。
ところどころあやしい記録は自分の過去ツイートやチケット購入メール等々で確認し、集計が終わりました。

分析結果

総論

はい、というわけでこちらが全74回の鑑賞記録だドン!

累計鑑賞回数

まずは積み上げグラフにしてみました。横軸は年月、縦軸はその月までの累計鑑賞回数です。こうしてみるとかなりコンスタントに鑑賞回数を積み上げているのがわかります。継続は力なり、ですね。
74回……1回2000円で観たとすると148000円、2年半かけているので月5000円弱(実際は割引もあるし趣味としては安い?)……劇スは2時間の映画なので総計148時間=6日と少しを費やしていることになります。つまり6日間寝ずにぶっ通しで劇スを見続ければ74回か……。

次に期間ごとの鑑賞回数を知りたいので、とりあえずざっくり半年ごとの鑑賞回数をまとめてみます。

半年ごとの鑑賞回数

上半期は1月~6月で、下半期は7月~12月です。私が初めて劇スを観たのは2021年6月の終わりだったので2021年上半期(実質6月のみ)の鑑賞回数は2回にとどまっていますが、ここで完全にスタァライトされたので、その後下半期は31回と急増していて面白いですね。後述しますが確かにこの時期は憑りつかれたように映画館に通っていた記憶があります。半年で31回ってことは月5回、まさかの週1回ペース越えですからね。昨年と今年の鑑賞回数は安定気味ですが、さすがに最近(2023年下半期)になると上映回数鑑賞回数共に減ってきています。というか2022年の半年間より今年上半期の鑑賞回数の方が多いのはなんなの(普通は時間が経てば減るのでは??)。
では次からは時系列ごとに劇スに出会うまで→衝撃の出会い→その後の鑑賞履歴の順で振り返っていきます。

時系列ごとのまとめ

before 2021/6

まずは私が初めて劇スを観るまで、すなわちスタァライトされる前までの状況を簡単に説明しておこうかなと思います。
実はスタァライトというコンテンツ自体は認識しており、なんなら2018年のTVアニメシリーズはほぼリアタイ視聴していました。当時幾原監督作品が好きな人が近くにいて、私も幾原作品を気に入っていたのでその影響です。とはいえ、演出面ではたしかに幾原作品要素を感じつつも、レヴュー服や武器をとって戦うカッコイイ女の子達、また彼女たちが織りなす魅力的な物語に引き込まれ、最後まで楽しんで見ていました。ただ、この時はいわゆる中の人や二層展開式の舞台の方にはまっっったく興味を抱かず、「いい作品を見たなー」くらいのライトな感想で終わったのでした。タイミングって怖いね。

2021/6/25 ~胸を刺す衝撃を浴びてしまったから~

時は流れて2021年6月25日、私のスタァライト記念日ですが、なんかこの頃は停滞していた気がします。長引くコロナ情勢だったり、就職してそこそこ経って仕事にも慣れてきて、微妙に張り合いがなかった時期でした。
そんな状況下、コロナで引きこもりに拍車がかかったこともあり、仕事などの必要最低限を除いてマジで家から出ないみたいな状況になっていました。さすがに「このままではまずい、久しぶりに映画でも見に行くか……?」と思い偶然見つけたのが『劇場版 少女☆歌劇レヴュースタァライト』でした。以前見て面白かったあのアニメの続編ならまあいい気晴らしにはなるだろう、と私は気楽な気持ちで映画館に向かったのでした……。
これは自分でもビックリするんですが、劇スを見に行こうと思ったのはマジで偶然なんですよね。巷ではやべ―映画だと噂になってたみたいですけど、その辺は全然認識していませんでした。なんなら映画館自体年1回行くか行かないかくらいの超ライトなユーザーだったんですよ。今では考えられませんが。

閑話休題。そんなフレッシュな状態で劇スを見るとどうなるかというと、まずは進路相談のシーンで驚いた記憶があります。「これ卒業の話だったのか!!」とそこからのスタートになりました。ただ……以降はあまり記憶がないというか……皆殺しのレヴューで星見純那が流血したシーンにとても驚いた記憶はありますが、なんか……色々見せられて気付いたら東京タワーが砂漠に突き刺さっていて、「そういえばTVアニメでも東京タワーが凄いことになっていたなー」なんてことを処理落ちした頭で思い出していました。そして畳みかけるかのようにEDで彼女たちの進路が語られ、今まで見せられてきた映像は全く消化しきれないまま、しかしなんだかとても爽やかな気分で上映が終わったのでした。

この時発見したのが、人はマジで衝撃を受けると動けないということです。私は映画を観るとき、上映が終わって場内が明るくなったらさっさと退場する派なのですが、この時は本当に立ち上がれませんでした。単純に今見たものを処理するのに忙しかったのだと思います。しばらくボーっとして周りを見たら同じように客席に沈み込んでいる人が散見されたので、この人たちと一緒に飲みにでも行きたいなーと思った記憶があります。

2021 ~きらめきに目を焼かれて~

それではめでたくスタァライトされて以降の私の鑑賞記録を振り返っていきます。まずは2021年の月ごとの鑑賞回数はこのようになります。

2021年の鑑賞回数(月ごと)

6月にスタァライトされて以降、7月の鑑賞回数が9回と凄いことになっています。9回だと週2回+αのペースですが、この月は週末のどちらかは絶対映画館に行く&平日も早く上がれたら見に行くというスケジュールでこのペースを達成しています。これまで引きこもっていたのがウソのようですね。この頃は正直四六時中劇スのことを考えている、完全にスタァライトジャンキーになっていた記憶があります。
7月にこれだけ回数を重ねていたのは、公開から2か月もたったこの頃には終映する映画館も出始めており、かなり焦っていたためです。れー(@hiire742)さんがまとめてくださっている上映館情報を見ると確かにこの頃は終映する映画館が相次いでいます。

よって8月以降は鑑賞回数も週1回ペースで安定するのですが、この頃の鑑賞を支えてくれたのが7月終映を乗り越え、ロングランを行ってくれた映画館達です。事実2021/8-2021/12の期間の鑑賞館はほぼ”バルト9”、”TOHOシネマズ 立川立飛”、”チネチッタ”、”イオンシネマ海老名”の4館で占められています。イオンシネマ海老名はロングランというよりは途切れたと思ったら復活するゾンビのような上映を行っていた記憶があります(あとロンド・ロンド・ロンドの再上映もしてくれてありがたかった)。

あとこの期間に初めてド深夜のレイトショーを体験しました。バルト9の26:25~28:30という狂気の上映時間で、たしか終電で新宿に向かった気がします。
しかしながら流石に12月になると生き残っていたバルト9、TOHOシネマズ 立川立飛も終映し(※バルト9のラスト上映は行った)それ以前に終映していたチネチッタも含め、いわゆる通常上映はひと段落したのが2021年末の出来事でした。

2021年は通常上映がメインでしたが一方でコロナ禍の影響も色濃く、席空け販売や時短営業が行われていました。私も時短営業には何回か泣かされた(間に合わなかった)経験がありました。

2022 ~”鑑賞体験”と地方遠征~

明けて2022年の鑑賞回数はこのようになりました。

2022年の鑑賞回数(月ごと)

2021年に比べると落ち着いた数値になっています。まず気付かれるのが3月と8月の2つの山でしょう。こちら3月はチネチッタさんによるLIVEZOUNDシリーズによる上映、8月はシネマシティさんによる上映によるものになります。
中でも2022年3月のチネチッタLIVEZOUNDシリーズによる上映、特にハードコア上映は衝撃的でした。

”音圧をギリギリまで高め、階下のシアターを封鎖してお届けする特別版。”とチネチッタさん自らが言われている通り、素人目の自分から見ても”ヤバい”上映で、音圧で体がビリビリと痺れるような経験は初めてでした。ここで改めて映画を上映する”劇場”の部分、いわゆる”鑑賞体験”そのものを感じ取ることができました。この3月の上映は延長を重ね、最終的にほぼ3月いっぱいの上映となりました(なので鑑賞回数が多くなっています)。

そして2021年7月、満を持して劇スの上映を開始したのが、シネマシティさんになります。

シネマシティはかねてよりコアな映画ファン、アニメファンからその評判を聞いていましたし、劇スの上映を望む声も多数目にしてはいましたが、遂にその願いが叶った形です。
肝心の上映についても極音上映、極爆上映、ロンド・ロンド・ロンドの上映と盛りだくさんでしたし、キャストトークショーも2回(※どちらも参戦)行われるなど、「え、これ公開から1年ちょい経った映画だよね??」とまさにスタァライト祭りの様相を呈していました。当然このお祭り騒ぎに当てられる形で鑑賞回数が増えています。

もうひとつ2022年のトピックを挙げるとすれば、「映画を観るために遠征をした」ことでしょう。
ハードコアの上映も終わり2022年5月は劇スの上映に飢え切っていました。そんな時に飛び込んできた大阪での復活上映延長の知らせ……。
ゴールデンウィーク、休みヨシッ!行ける!というわけで気付いたら大阪に上陸しておりました。

まあついでに観光もできたし、楽しかったですね。

これで何かのタガが外れたのか2022年の夏は7月に名古屋(大須シネマ)、8月に長野(上田映劇)と遠征しまくっておりました。
コロナ禍で遠出できていなかったストレスの解消も兼ねていたのかもしれない。ちなみに8/13の上田映劇の上映はそのあと東京に戻ってシネマシティの最終上映をキメていたのでかなりヤバいことになっていました。時刻表トリックばりの移動で1日2回同じ映画を観るという実績を解除しています。

公開から続いた通常上映はひと段落を迎えたところ、代わりにイベント上映や遅れてきた上映館が台頭してきたのがこの2022年となりました。

2023 ~リバイバル上映と進化し続ける"鑑賞体験"~

そしてついに今年、2023年の鑑賞記録です。

2023年の鑑賞回数(月ごと)

1月、6月、そして地味に3月の山も目立ちますね。総論でも書いた通り、今年の上半期の鑑賞回数は昨年度の回数を上回るものとなっています。ではその内容を詳しく見ていきましょう。

まず2023年1月は様々なイベント上映が重なった結果、公開2年目に突入する映画とは思えないほど上映が充実していました。

お馴染みチネチッタのザウンドレボリューション、バルト9などを運営するティ・ジョイはまさかの年末年始、しかも5都市開催、さらに応援上映の形態での再上映、またMOVIX昭島イオンシネマ松本は劇スをラインナップに加えたライブ音響上映イベントの開催地となるなど、なにがどうなったのかはわかりませんが上記ツイートを見てもわかる通り、ものすごい上映回数となっていたのです。
特にシネマシティで行われていたTVシリーズを含めた上映、及び毎週行われていたスタァライトシリーズの脚本家、樋口達人さんのトークショーは印象深かったのではないでしょうか。

私もこのために毎週のように立川に通っていました。
また、新文芸坐さんのライティング上映(劇場の照明設備を活かした上映)が初めて行われたのもこの1月になります。

この上映は前年、2022年12月に新文芸坐で行われた古川監督のトークショーでのやり取り受けて実現されたもので以降お馴染みの上映になっていきます。
2023年1月はオケコンrevivalが開催されたこともあり、めちゃくちゃスタァライトしていましたね。ここにきて鑑賞回数が週1ペースを上回る5回となっていることがなによりの証拠です。

続いて3月になりますが、この月はFilmarks主催の上映プロジェクト「プレチケ」による再上映が行われていました。

この上映は1週間限定だったので、3月の鑑賞記録の3回は全てこの1週間内のものになります。まさかの週3回ペースですね。丁度2月末まで舞台#4が行われていたので、スタァライト欲が高まっていた時期でもあります。

さらに6月ですが、この月は公開2周年を記念して全国のイオンシネマさんが再上映を行ってくれていました。

この上映も1週間だったので、6月の鑑賞記録のうち3回はこの1週間内のものです。こちらもまさかの週3回ペースだ……! あとの1回は新文芸坐さんが行ってくれた通常/ライティング上映になります。私は通常の方に行きました。

こんな感じで2023年の上半期は様々な団体がリバイバル上映を、しかも全国的に行ってくれたことにより、上映回数が多く、ひいては鑑賞回数も多くなっています。さらにこの上半期にはオケコンrevival、舞台#4などスタァライトの大型イベントも相次ぎ、まさにスタァライト一色だったと言っても過言ではなかったです。

上半期の超ハイペースからさすがに上映も減ってきた中、目立ち始めたのが特殊な上映形態です。公開から2年を超え、今年になるともうコロナによる自粛ムードは去ったこともあり、劇スの”鑑賞体験”はどんどん進化しています。新文芸坐ライティング上映は先に触れた通りですが、もうひとつ挙げるとすればマサラ上映でしょう。2022年9月に関西の塚口サンサン劇場で口火を切ったこの上映形態は2023年5月の御成座開催を経て加速し、この下半期で既に3回、また年明け早々の開催も予定されています。私も5月の御成座、8、10月に池袋ホールミクサで行われた上映に参加しており、5月の体験はレポにのこしてありますので機会があれば読んでみてください。
劇スはお祭り騒ぎのマサラ上映と相性が良いうえ、上映を盛り上げようとする舞台創造科の情熱もこの流れを加速させているようです。

2023年は前半のリバイバル上映祭りから始まり、新たな形態のイベント上映も盛んであるものの、さすがに最近では上映回数自体が減りつつあります。

オマケ~劇場の記録~

今回せっかく鑑賞についてデータ化したので、これまで行ってきた劇場についても少し書いておこうかなと思います。

何ヶ所の劇場に行ったのか

これまで劇スの上映と聞けば西へ東へ駆け回ってきたわけですが、まずは何ヶ所の劇場に足を運んだのか集計してみました。
結果、劇スを観るために26ヶ所の劇場に足を運んでいたことがわかりました。東京と神奈川の劇場がほとんどですが、秋田、長野、愛知、大阪にも足を運んでいます。
特に印象に残っているところでいえば、まずは2022年2月のザムザ阿佐ヶ谷での上映でしょうか。阿佐ヶ谷の小劇場というこれまでまったく接点のなかった場所での上映で、クッション持参がおすすめとのアドバイスがあったので物置に眠っていたクッタクタのクッションを持って行った覚えがあります(このクッションを今度大運動会に持っていけばいいのでは……?)。

独特の雰囲気をもつザムザ阿佐ヶ谷

あとはやはり歴史ある劇場、長野の上田映劇や秋田の御成座も建物の雰囲気と相まって印象深いです。

上田映劇(長野県上田市)
御成座(秋田県大館市)

一番観に行った劇場はどこか

集計中、一体私はどこに一番通っていたのかが気になりました。

結果は…………バルト9です!!

新宿という地の利に加え、出だしの2021年に通常上映をロングランしてくれたことが後押しとなりました。最近の復活上映からは外れていますが、またやってくれないかなあ……。

結局各劇場に何回くらい行っていたのか

一番行っていたのがバルト9だということはわかりました。最後にまとめとして何回くらい行った劇場が多いのか集計してみます。

複数回足を運んだ劇場の割合

ちょっとわかりにくいかもしれませんが、色分けされている回数がそれぞれの劇場に行った回数です。つまり行ったことのある26ヶ所の劇場のうち1回しか行ったことのない劇場が半数以上を占めています。
これは昨年、今年とイベント上映が多かったことに起因しています。例えば御成座や上田映劇のようにその日限りの上映ですと1回しか足を運べません。また今年行われたリバイバル上映では期間が短い(1週間)&上映館が多かったことにより見に行く劇場が分散しました。
複数回足を運んでいるのは通常上映を行っていた映画館に加え、イベント上映の常連である文芸坐や池袋ホールミクサなどがエントリーしています。特に回数が多くなっているのはバルト9はじめロングランを行ってくれていた劇場ですね。

最後に

さてタイトルの「同じ映画を74回みるとはどういうことか」に戻ろうと思いますが、本当にどういうことなんでしょうね。これまで記録から振り返ってきましたが、最後にフィーリングを述べたいと思います。

確実に感じているのはこの74回の鑑賞において、1回たりとも同じ鑑賞体験はなかったということです。これは違う劇場、違う上映方式を観ているからではありません。鑑賞している私自身が変わり続けているからです。
例えば、演じるキャストのことを深く知れば知るほど声の演技の変化に気付く、趣味として3DCGを始めれば細かい造形が気になる、他の人の考察を読めば見方が変わる……と私自身の変化が鑑賞体験に与える影響は枚挙に暇がありません。今となってはもう休日は家に引きこもりきっている自分ではないのです。

舞台の観劇体験においては同じ舞台はないといわれます。たとえ台本は同じであってもその公演のその瞬間にその場限りのやりとりが生まれる、演者は機械ではありませんから、全く同じやりとりというのは再現不可能なのです。
そしてもちろん先に述べたように観る側、我々観客もまたこの再現不可能性から逃れることはできません。同じ演目を観に行ったとしても、昨日の自分と今日の自分は違うでしょう。

そういった意味ではこの映画の鑑賞体験は鑑賞対象である劇スが変わっていないからこそ、なにより自分の変化に気付くことができます。今回の鑑賞ではどこが気になったか、あのシーンをどう感じたか、ある程度鑑賞回数を重ねてきてから、私にとって劇スを鑑賞する行為は一種のベンチマークとなっています。
だからこそ、その頻度はどうなるかわかりませんが(そもそも今後の上映がどうなるのかわからないので)、私は今後も劇スを見続けていくのだろうなと思います。そういう作品に出会えたことはきっと幸せなことなのだろうなとも。

最近劇スの鑑賞頻度が下がっていることは薄々感じていたので、ちょうど年末のキリの良い時期にこれまでの体験をまとめられて良かったです。
あ、もう8000字超えてる!? 軽く済ませようと思ったらかなり長くなってしまいました……。お読みいただきありがとうございました。

謝辞

貴重な機会をいただいためのフェ(@Menophe9901)さんには改めて感謝いたします。あと上映情報をわかりやすくスプレッドシートにまとめてくれたれー(@hiire742)さんにも改めてお礼申し上げます。あやふやな記憶の確認に大いに役立ちました。
また、イベント等について感想ブログやnote、ツイートをマメに残してくれる舞台創造科の皆さん大好きです! 毎回レポありがとうございます。めちゃくちゃ感謝してます。


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