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劇スを観に秋田まで行った話~マサラ上映体験記~

はじめに

約2年前軽い気持ちで観た「劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト」(以下、劇ス)にハマり、現在に至るまで約60回ほど観ています。劇スは面白い映画で、2021年6月の公開時から今(2023年7月)まで毎月全国のどこかしらで上映が行われており、また応援上映をはじめ様々なスタイルでの上映が行われているのです。
劇スに完全にやられた私(関東民)は上映を求めてこれまで大阪、愛知、長野に足を運び、応援上映(※声出しペンラ可の上映)やライティング上映(※池袋文芸坐さんにて行われる劇場のライティング設備を活かした上映)等にも参戦してきました。
そしてこの2023年のGW、秋田県大館市の御成座さんにて、アニメまつりの一環として劇スマサラ上映なるものが開催されることを知り、参戦したところ結構面白い体験だったのでレポを残しておく次第です。

大館に着く

大館駅(秋田県)

今回のイベント、アニメまつり自体は3本立ての上映でしたが、都合でラストの劇スのみの参戦となりました。なので15時過ぎの列車で大館駅に到着。劇スを観るときはできる限り列車で行って帰るのは自分ルールみたいなものです。
上映までは若干時間があったので、駅近くの秋田犬の里という施設に行ったりしてました。秋田犬かわいかった。

タイミングが合えば秋田犬が見れる

そしてついに御成座到着。東京からだと鉄道で600㎞超。なかなかの距離です。しかしいい感じに歴史を感じさせる建物で、HPによると1955年に建った建物らしいです。

御成座

手製の立て看板もあり、気持ちが上がります。

手書きの看板

マサラ上映とは???

イベント上映なのでまず発券代わりに受付をするのですが、その際に「もしよければ…」と数本のクラッカーと紙吹雪を少しいただきました。そう、今回の上映はマサラ上映(※今回はクラッカー、声援、紙吹雪OKのスタイル)でした。ただGW前がなんだかゴタゴタしていたので、申し訳ないことに準備も何もしてこなかったのです。一応、応援上映スタイルは頭にあったのでペンライトくらいは持ってきましたが、クラッカーって何?
上演前に周りを見てみると大量の紙吹雪を持ち込んでいる人もおり、気合が感じられます。さらにTwitter でマサラ上映のタグを検索してみたところ、床が埋まるくらい紙吹雪がまかれてる写真が見つかりました。
ちょっと待って、そもそも私の人生で紙吹雪をまいた経験ってあったっけ……?何も準備をしてこなかった焦りもあり、自分はこれから何を体験するんだ……とちょっと不安になったりしているうちにあっという間に上映時間に。

劇スのマサラ上映レポ

さて、これは私だけかもしれませんが、劇スを観るときは冒頭のトマトのシーン~color temperatureの出だしの部分(ファーンってやつ)を劇場音響のベンチマーク的にみていたりします。爆音上映だとここの部分で思わず肩が跳ねるほど大きい音だったりして、この最初の部分で今回の上映の感覚を掴むわけです。
ただ今回の劇スはこれまで観てきた60回あまりの上映とは違いました。冒頭、トマトのアップから破裂する瞬間、観客席の至る所から破裂音が聞こえたのです。

え???何???と思ったのもつかの間、入り口で貰ったクラッカーはこれか!!!と得心がいきました。ここで最初の発見ですが劇スにクラッカーって実際あわせてみるとそんなに違和感がない。終始爆音が鳴り響いてるような映画でもあるので、よく考えたら意外とクラッカーを鳴らしたり紙吹雪をバラまいたりできるシーンがあることに気付きました。

個人的なハイライト~皆殺しのレヴュー~

冒頭の衝撃から散発的にクラッカーやら紙吹雪が舞う中で観劇していましたが、やっぱり特筆すべきは皆殺しのレヴューだったかなと思います。皆殺しのレヴューは劇スの中でも一気にボルテージが上がる前半の山場シーンであり、普段の上映であれば我々観客は内心で驚きや興奮を抱えながら観ることになりますが、このマサラ上映ではその驚きや興奮を表すことができます。
実際、列車が変形しだしてからはさながら発砲音の如くどこかしらでクラッカーが鳴っており、あっという間に劇場全体に火薬の匂いが立ち込めました。ここのシーンの4DX感はヤバかったです。

皆殺しのレヴュー、銃器なんて登場しないのに硝煙というか火薬の匂いが似合うんだよな。

そして後半へ……

最初は不安から始まったものの、後半になると大分このマサラスタイルの上映にも慣れてきました。劇スの後半といえば、そう怒涛のレヴューの数々、ワイルドスクリーンバロックです。細かく挙げるとキリがないのですが、桜吹雪(怨みのレヴュー)やら薔薇(魂のレヴュー)などが舞い散り、修羅場(狩りのレヴュー)では皆殺しのレヴュー同様クラッカーが鳴りまくるなど、劇スに相応しい盛り上がり方で、私も微力ながら参加させていただきました。
そして最後、ポジションゼロが乱舞する画面(最後のセリフのラスト)にあわせて、リアル(劇場)でもポジションゼロ(紙吹雪)をバラまくのはとても楽しかったですし、クライマックス感が画面の内外でリンクしていて新鮮な体験でした。

ちなみに上映後

そんなこんなで上映を楽しんだ後は最初に私がTwitter 見た別会場でのマサラ上映同様、劇場内はバラまかれた紙吹雪類でものすごいことになっていたので参加者皆で掃除タイムとなりました。皆さんとにかく仕事がはやく、床一面の紙吹雪があっという間に片付きました。

上映後の床

あとは撮影用に表にあった看板を舞台にもってきて下さり、撮影タイムが始まったりもしました。

やはり舞台上のポジションゼロは良い

去年行った上田映劇もですが、歴史があって舞台を備えた劇場で見る劇スはなかなか味があっていいんですよね。
そんな感じでGWの劇ス大遠征はとても楽しく終えることができました。

これは比内地鶏と秋田の清酒

全体を通した感想

まずマサラ上映、めちゃくちゃ楽しかったです。
”舞台創造科”としていい具合に映画に参加できるのが良かったと思います。他の応援上映系と比較するとペンライトよりは能動的に参加できる一方で、発声よりもセンスを求められない(ハードルが低い)というのがやりやすかった印象です。
そもそも映画との相性でいえば劇スのめちゃくちゃな感じ、お祭り騒ぎで見るマサラ上映に合うにきまってるだろという感覚はありますね。劇スは割とどこで紙吹雪がバラまかれても、クラッカーが鳴っていても(特にレヴューシーンなんかは)違和感がなかったです。なので自分のアガッたタイミングで気軽に参加できました。同時に他の人はここでアガるんだなというのが分かるのも面白かったです。
また、誰かの紙吹雪越しに見る劇スは非常に新鮮でした。この辺り観客含む会場一体となって舞台を作り上げる、まさしく観劇体験に近いものがありました。余談ですが、紙吹雪を綺麗に撒ける人はほんとすごかったです。自分で撒いてみてはじめて難しさが分かった。

冒頭から面白い体験だったので、なんで劇スとマサラ上映がこんなに合うのかと考えながら観ていましたが、ひとつヒントとなったのは競演のレヴューでした。このレヴューでは露崎まひるが最初と最後に口上を述べ、号砲を鳴らします。
このマサラ上映という場で観たときに、それは号砲であると同時に祝砲であるのではないかと思いました。新たな舞台の始まりの合図であり、新たな舞台少女の誕生を祝うものでもある。そういえばクラッカーって誕生日の時に鳴らすものでした。
そう考えるとこの劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトという映画自体が、次の新しい舞台に立ち、生まれ変わる舞台少女たちを祝う映画であるともいえるでしょう。だからこの祝祭じみた映画にはクラッカーも紙吹雪も似合うに決まっています。

まとめ

個人的には今までの応援上映系の中で一番好きなイベント上映でした。本文にも書いた通り劇スはマサラ上映がとても合うというのと、発声上映ほどセンスを求められず参加できるというのが良かったです。
関東圏でもどこかやってくれないでしょうか。次に参加するときには紙吹雪とクラッカーを配る側にまわりたいですね。

7/10追記

とかいってたら都内でのマサラ上映が決定したようです。

さらに追記

レギュレーションは後日発表とのこと。どうやら火薬類はNGのようです。

またまた追記

今回のレギュレーションは以下の通り、クラッカーNGです。


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