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トウキョウ・コンプレックス

東京に馴染めなかった。正直、今もあんまり好きじゃない。大学入学を機に上京した(とはいっても湘南だけど)私は、結局就職とともに地元の京都に戻ってきてしまったくらい東京に馴染めなかった。ずっと憧れてたのに。

満員電車、人混み、高層ビル。圧倒的スーツ率。

就職活動中、ゴキブリみたいなスーツを着て毎日のように東京に通いながら、不合格通知とか、ちょっとした圧迫面接とか、電車を間違えるとか、新橋駅近くで30分道に迷うとか、駅地下のフードコートで食べる冷たいごはんとか、都内の実家に帰っていくふくふくした別の志望者とか、そういうものにちょっとずつ心を削られて、

それまではそんなこと絶対なかったのに、朝8時の小田急線で気分が悪くなって新百合ヶ丘で途中下車することがだんだん増えて

就活が終盤に差し掛かった頃には、「私はこの街でひとりで働くなんて絶対無理だ」って勝手に決意を固めてた。

東京だけが悪いんじゃなかったのかもしれなくて、慣れない長距離移動(田舎育ちで今まであまり電車に乗ったことがなかった私にとって、湘南から都内は遠すぎた)とか、就職活動とか、いろんなものが重なってダメになっちゃたのかもしれないんだけど、なんにせよ私は東京でがんばることを諦めてしまって

今もちょっとだけ、途中で部活をやめちゃった高校生みたいな後ろめたさを抱えてる。ちょっとだけ。

東京で生きづらさを感じながら、どうにかこうにか頑張ってたからこそ、プラダを着た悪魔みたいな、しんどいこともありつつ楽しいこともある、都心で頑張る働きウーマン!みたいなコンテンツが大好き。あまりにも有名な、痛いくらいに働く女性の孤独が沁みる嘉島唯さんの記事も。

iPhoneを「店頭で売っていた」OLの末路 / BuzzFeed

トウキョウ・コンプレックス。

今は京都に住みながら大阪の会社で働いていて、前より自分らしくいられているような気がしている。少しは、息がしやすくなった。

逃げずにどんどんダメになっちゃうより、ちゃんと逃げようって決意できた21歳の自分に、「えらかったね。それもまた勇気だね」って思ってる。

東京の好きな街を紹介するnoteを書こうとして、「でもだからこそ、東京のこんなとこが好きなんだ」って話を書こうとしたんだけど、前置きが思ったより長くなっちゃったから、またにします。私が大嫌いで大好きな東京。
今日はこれで、おしまい。

Photo: tetedelart1855 & Osamu Kaneko / Flickr Creative Commons

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