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【カンボジアニュース】韓国とカンボジアの連携で中国人犯罪者を逮捕

昨年4月、韓国ソウルの江南区の学習塾エリアで、「麻薬ドリンク事件」が発覚し注目を集めました。

記憶力が増強され集中できるドリンクの無料試飲会を謳い、覚せい剤(メタンフェタミン)入りドリンクを少なくとも13人の青少年に提供し、後から保護者9名に対して警察に通報すると脅迫した事件です。保護者のうち6名が脅迫に従いお金を支払いました。

昨年10月に韓国で逮捕されたGil容疑者については既に懲役15年の有罪判決が下されています。また事件後中国に逃走した27歳の共犯者Leeについては、昨年12月に中国当局から韓国に引き渡され勾留中で起訴されています。

昨日19日、この事件の麻薬を供給したとみられる38歳の中国人容疑者がカンボジアで逮捕されたと、韓国の情報機関である国家情報院が突然の発表を行いました。1月に覚せい剤4kgを仁川空港から密輸しようとして逮捕された34歳中国人男性の自供を受け、「麻薬ドリンク事件」との関連で捜査を行っていたとのことです。

国家情報院は仁川空港で逮捕された男の自供から情報を入手した後に、検察(最高検察庁麻薬課)や警察(国家捜査本部麻薬組織犯罪課)などの韓国の捜査機関と共に合同捜査に着手しました。その過程で国家情報院は、アジア太平洋地域における麻薬犯罪に対応するため、今年2月に5カ国で発足したばかりのAsian Drug Information Cooperation(INTAC)と言われる仕組みを通じて、カンボジア当局にこの容疑者の逮捕の重要性を説明し、専属捜査班を設置して捜査を行った模様です。

カンボジア国家警察の麻薬取締局によると、3月上旬にマックスレイワタナ准将が率いる特別捜査班を編成し、プノンペン都裁判所のキムホンサン次席検事の指導のもと、捜査活動を行っていました。

その後は、容疑者のアジト特定や滞在動向の調査、周辺人物の捜索などにより包囲網を狭める作業が続き、先月首都プノンペンの中心部に潜伏していた容疑者を覆面捜査の末に拘束したとも言われていますが、今月16日に逮捕されたと発表されています。

逮捕されたのは、中国籍のLI MINGXUE容疑者(生年月日は1986年3月18日、中国のパスポート番号E12725171) です。容疑者の逮捕場所は、プノンペン都1月7日区ヴェアルヴォン町242番通りです。その後容疑者が居住するアパートメント(プノンペン都バンケンコン区バンケンコン3町396通り、Residence L)を家宅捜索し、メタンフェタミン702.79gとケタミン3.58gが押収されています。

国家警察麻薬取締局での撮影
容疑者宅での家宅捜索



韓国当局は容疑者の拘束と韓国への送還を要請していましたが、逮捕現場で麻薬と麻薬の製造装置が見つかったため、中国人容疑者は今後カンボジアで処罰を受ける模様です。容疑者らは、今後も中国や韓国への密輸を計画していたとみられています。

当局関係者によると、韓国人マフィアのカンボジアでの活動も活発になっていると言われています。また、中国人マフィアと各国犯罪者との連携による、犯罪の国際化も懸念されています。

今年1月には、日本からも警察庁高官がカンボジアを訪問し、国家警察副長官らカンボジア当局高官との会談を行っています。今回のような国際連携による捜査と犯罪者の摘発は、日本人犯罪者に対しても期待したいところです。

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