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【日本とカンボジア】カンボジアと空手の数奇な繋がり


入手した日本の雑誌のバックナンバー等によると、2013年にカンボジアで盛大に開催された「カンボジア&日本親善文化交流空手道武道祭」で赤絨毯を歩く後藤元組長の隣には、かつて参議院のドンと呼ばれた村上元代議士の姿が確認できる。

このイベントは、後藤元組長の鶴の一声で決まり、「空手の4大流派の流れを組む重鎮が集合し、それに極真等のフルコンタクトの流派も加わった世界的にも珍しいイベント」だったと報道されている。空手界にそれだけの影響力を持っていたのには驚かされる。


後援のソクドムは、後藤本人が作ったカンボジア法人で今でも存在する。商業省ウェブサイトで法人データ検索をしてみたが、残念ながら後藤ら過去の役員情報は表示されなかった。もう一つの後援団体である日本カンボジア親善協会には、前述の村上元参議院議員に加え、初代防衛大臣や自民党総務会長を歴任した久間章生元衆議院議員らの名前も確認できる。時代は移ろい、この団体も既に解散している。

この当時の第一波では、様々な日本人がカンボジアに来て定住したと言われている。そのうちの1人は、2016年の後藤元組長の日本帰国後にカンボジアの継承者を名乗っていたとも聞こえてくる人物だ。関東連合によるあの六本木フラワー事件でも名前を取り沙汰されており、現在でもカンボジア政府高官や一部在留邦人との交際が漏れ聞こえてくる。また、昨年のカンボジアにおける特殊詐欺事件で注目された日本料理店、胡蝶の創業オーナーでもあると言われている。

偶然なのか、その胡蝶で働いていた日本人は、2022年にカンボジアに来た空手関係者を接遇していた。空手関係者は滞在中に胡蝶で頻繁に会食しており、カンボジア在住の一部日本人との親密な関係が噂されているカンボジア当局高官との交際も確認できる。その胡蝶で働いていた日本人は、特殊詐欺事件の摘発後に日本に逃げ帰り、日本の警察の取り調べ対象だったようだが、近々カンボジアに戻ってくるとの噂も聞こえてくる。

公開されている情報や聞こえてくる噂を拾い集めるだけでも、カンボジアには色々な空手との縁があるようだ。

以下、11年前の小学館SAPIO「追跡!輸出されるヤクザ」2012.9.19より引用する。反社はマフィア化し地下に潜り、今ではこのような情報が一般の目に触れることもなくなった。
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暴力団がカンボジアのパイプ役に政治家、軍部、警察幹部などを選んでいるのは、国家の持つ暴力の力を熟知しているからだ。日本国内で警察から弾圧され続けても刃向かわず、面従腹背してきただけあって、カンボジアでの暴力団は暴力装置を持つ、もしくは動かせる人間にしか投資しない。

パイプ作りには日本の伝統も利用される。たとえば柔道・剣道・空手といった格闘技に興味を示す高級官僚や政治家を見つけると、師範を連れてカンボジア入りし、自宅に出向いて指導するのだ。種が芽吹いたら、水の代わりに金をジャブジャブ注いで根を広げる。軍人や警察官は格闘技に親和性があり、格闘技興行の多くは今も暴力団の生存基盤だから、たやすい作業と言っていい。「半年に一回でもいい。日本から来た先生に指導してもらったというだけで大喜びする。本物の黒帯じゃなくても事足りる。ガキの頃空手を習ってた若い衆に大臣クラスを指導させたこともあった。マンガみたいな光景だったよ。」
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小学館SAPIO「追跡!輸出されるヤクザ」2012.9.19より

おまけ:
バサック空手道場。昔は、カンボジアに派遣されたJICAのシニアボランティアが日本人を含む子女に空手を教えてくれる、そんなグループがあった。私の子供も小さい頃に参加していた。

2007年のカンボジア日本人会会報第43号より


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