見出し画像

【カンボジアニュース】日本人の集団強制労働疑惑

昨日26日、カンボジア内務省のキュー・ソペアック報道官は、入国管理局はシアヌークビルのホテルに20人の日本人が監禁されているとの通報を捜査したが、問題は見つからなかったとコメントしました。

報道官によると火曜日に、20 人の日本人がシアヌークビルのメアリービーチホテルに監禁されているという匿名の通報を受け取り、同日ホテルを捜査したところ、疑わしきものは何も見つからなかったそうです。現場では19人の日本人を見つけたが、問題は発見されず彼らは普通に滞在していたとのこと。そのまま滞在を許可したが、現場の監視は続けているとも述べています。19人の日本人のグループが、何を目的に滞在してるかについてはコメントされていません。

シアヌークビルやカンボジア全土の詐欺施設での監禁と強制労働に関する報道は、昨年来世界的に注目を集めています。被害に遭っている国籍も多岐に渡り、数ヶ月前には同じシアヌークビルから救出された202人のインドネシア人が、インドネシア政府によるチャーター便でカンボジアから帰国しています。

ソー・ケン内務大臣は問題の顕在化を受けて、内務省にホットラインを設置し、そういった助けを求める声に対応して既に1000人以上を救出したと述べています。

2022年9月12日シアヌークビルで行われた強制労働や人身売買を取り締まる会議。中央にはソー・ケン副首相兼内務大臣。

昨年6月16日には、在カンボジア日本大使館から「大使館からのお知らせ(邦人同士のトラブルに関する注意喚起)」が在留邦人に対して発信されており、「最近、当館に対して在留邦人や邦人短期渡航者から、当地において邦人同士の間で経済的被害や身体的被害を伴うトラブルに巻き込まれた旨の相談が寄せられています。」と、異例の警鐘を鳴らしていました。

また8月26日には「就労斡旋を騙り不法行為や強制労働に従事させる監禁事案に関する注意喚起」において、「最近、カンボジアにて好条件の仕事があるなどとして外国で希望者を勧誘し、カンボジアに到着した直後に旅券や連絡手段を取り上げ自由な外出を制限するなど監禁状態に置いた上で、当初約束していた活動とは異なる不法行為に従事させたり本人の意思に反して労働を強いるような事案が発生しており、少数ですが邦人の被害事例も報告されています。」と日本人の被害についても警鐘を鳴らしていました。

大使館によると、様々な被害事例がありますが、概ね共通している特徴は以下のとおりです。

・居住国(日本を含む外国)にて知人や親族(外国人の場合もあれば本国(日本であれば日本人)の国籍者の場合もある)から、カンボジアで条件のいい短期(数週間から数ヶ月)の仕事があると紹介される。
・報酬が示される場合は月額数千ドル程度で、「仕事」の内容は簡単な翻訳作業や事務作業など専門性が低く負担の軽いものと説明されるが詳細な説明はほとんど無い。
・渡航費用や現地滞在費は全て雇用主負担で、査証などの事務手続きも全て雇用主が行う。
・滞在先として高級ホテルを用意したり、移動手段として高級車をあてがうと約束する場合がある。
・カンボジア到着直後に旅券やパスポートを監視役に取り上げられ、行き先も告げられないまま監視付きの施設に移される。
・本国から「案内役」が同行する場合がある
・滞在先の施設では、振り込め詐欺などに悪用されると思しき内容の文章の確認等を強要され、外出や外部との接触が制限される。

「カンボジアでは以前より国内外の犯罪組織による不法な活動が問題となっていましたが、法制度が未発達で汚職も蔓延しているともされており、当局による取り締まりが十分ではなく、こうした不法行為に巻き込まれた場合には解決が容易でないこともあります。」とも警鐘を鳴らしており、「特に知人等からの紹介を受けてカンボジアでの就労を検討・予定されている場合は、上記のような情勢を理解し、安易に勧誘に同意することなく、勤務先が信用に足りるものか、安全が確保されているものか等につきご自身でよく確認し、確認できない場合は渡航を取りやめることも視野に入れて慎重に判断して下さい」としています。

大使館からのお知らせ(邦人同士のトラブルに関する注意喚起)

大使館からのお知らせ(就労斡旋を騙り不法行為や強制労働に従事させる監禁事案に関する注意喚起)

当ブログは「にほんブログ村」のランキングに参加中です。1日1回のクリックにご協力ください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?