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【日本とカンボジア】護衛艦の寄港詳細など

注:この投稿における情報は、いずれも一般に入手可能な内容です。過去投稿との重複もありますが、まとめです。

きりさめ(外洋練習航海)

海上自衛隊では、初級幹部として必要な知識及び技能を修得させるとともに、幹部自衛官として必要な資質を育成し、加えて訪問国との友好親善の増進を図ることを目的として、令和4年度外洋練習航海(飛行)が実施されています。期間は3月11日から4月24日で、カンボジア(シハヌークビル) 、マレーシア(ポートクラン) 、ブルネイ(ムアラ)に寄港の予定です。

派遣されるのは、 牧孝行第4護衛隊司令率いる護衛艦「きりさめ」及び搭載航空機1機、第75期飛行幹部候補生課程卒業生を含む約200名です。3月11日に広島県江田島市の幹部候補生学校での卒業式の後に出港しています。

護衛艦「きりさめ」©︎海上自衛隊

カンボジアには、3月28日午前9時にシアヌークビル港の多目的ターミナルに着岸の予定です。(この多目的ターミナルは、日本のODAによって完成したばかりのものです。)その後、午前10時からは注目されるリエム海軍基地をホストとしての歓迎式典が予定されています。昨年3月にインド太平洋・中東方面派遣(IMED21)部隊が寄港した際にはティア・バン副首相兼国防大臣から歓迎を受けるなど異例の待遇がありましたが、今回は一般的な待遇として同基地の司令官を兼務する海軍副総司令官らが歓迎する可能性が高いとみられています。

翌29日には在留邦人を対象にした、またメディアを対象にした艦の特別公開も予定されています。在留邦人については既に申し込み定員に達し、受付は終了した旨大使館から発表されており、今まで以上の邦人からの強い興味が窺えます。昨年11月の海自42次派遣海賊対処行動水上部隊の護衛艦「はるさめ」に続いての、連続しての在留邦人向け一般公開になります。

2019年外洋練習航海中の第1練習隊(練習艦「せとゆき」,練習艦「しまゆき」)の在留邦人対象一般公開の様子


うらが(IMED23)

尚、IMED21で昨年3月にも寄港した掃海母艦「うらが」を含む海上自衛隊第1掃海隊が、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に資するべく、令和4年度インド太平洋・中東方面派遣(IMED23:Indo-Pacific and Middle East Deployment 23)として、1月19日から5月23日の日程で航海中です。派遣部隊は、アメリカ主催の国際海上訓練(IMX/CE23:International Maritime Exercise/ CUTLASS EXPRESS 2023)を3月19日に終え、帰路にカンボジアにも寄港を予定していますが、その寄港日については未だ公表されていません。また昨年の寄港時には一般公開は行われておらず、今回についてもその有無は不明です。後述の通り中国との軍事演習が行われており、中国艦艇も停泊している状況から、共同訓練の他にも一般公開や艦上レセプション、両国間のスポーツ交流等により、護衛艦の頻繁な往来が広くカンボジア人に認知されることが期待されます。

バーレーン沖にてIMED23に参加中の「うらが」©︎海上自衛隊


昨年の寄港時には、シアヌークビル港でティア・バン副首相兼国防大臣が桟橋まで出迎え、艦隊司令らがフン・セン首相に表敬訪問する等、カンボジアは盛大に歓迎の姿勢を示しました。米中の関係が厳しさを増している中で、中国寄りと言われるカンボジアとの日本の安全保障協力面での交流は、重要度を増していると思われます。

ティア・バン副首相兼国防大臣や三上正裕大使が参加しての埠頭での「うらが」での記念撮影

このタイミングで、中国は…

現在、中国とカンボジアのニ国間の軍事演習「ゴールデンドラゴン2023」が行われており、シアヌークビル港にも中国人民解放軍海軍南海艦隊所属の071型揚陸艦「井崗山(Jinggangshan)が寄港中です。同艦は旧埠頭に停泊中と思われ、「きりさめ」はそれに近接する新たに建設された多目的ターミナルに接岸の予定です。

シアヌークビル港旧埠頭に接岸中の「井崗山」
前回(2019年)行われた中国との演習の様子。両国の国旗がたなびく。戦車や装甲車も中国からの軍事支援を受けている。
今回の演習で、中国製の武器をアピールしている様子
今回の軍事演習は、中国国営の新華社通信も大きく報道

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