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竹建築で建設するSDGsエコビレッジ

第二回の投稿は現在建設中のSDGsエコビレッジについて書きたいと思います。

2022年6月26日現在の様子

SDGsエコビレッジってなんなの?

小学校の敷地内に、フリースクール、工房、レストラン、宿泊施設、農業、遊び場が一体となった子どもは学べて、大人は働けるそんな場所です。

SDGsエコビレッジ構想のきっかけ

earth treeの前身である一般社団法人Kissoは生活の基礎作りとして、農村部で学校建設や大人の働く場所作りをおこなってきました。

2009年に小学校を建設し、形を変えながら活動が続いています

もともとは『学べる環境作り』と『働ける環境作り』を別々で考えながら動いてきたのですが、新型コロナウィルスの影響によりカンボジアではツーリストビザの発給が止まり、観光客は0となりました。

また町では陽性者が出ていたため、現地で動いている私も村に行くことを3カ月間見合わせる決断をし、活動は一旦ストップな状態に。

新型コロナウィルス封じ込め政策で閑散としたシェムリアップの町

その中で自分達はこれからどうしていったら良いのだろう?
と自問自答する日々が続き、生まれてきたのがこのSDGsエコビレッジ構想であり、竹建築への挑戦でした。

学校と働く環境が一緒になる事で子ども達の可能性の幅が広がるのでは?

村の人たちの生活圏内は基本的に村の中+市場。
その中で子ども達が知れる将来の職業の選択肢は

先生、警察官、医者、軍人、農業

の5つぐらいしか出てこないのが現状。
働く場所を一緒の場所に作ることで、

美味しい料理が作れるようになったら料理人っていう道もあるんだ!
他の国の言葉が話せるようになったら通訳やガイドっていう仕事に就けるかもしれない!


などなど、学校に行きながら自然と自分の好きや得意、興味がある事に向かう事のできる道筋ができると思いました。

生まれる循環

この構想が形になれば学校で学ぶ→通いながら色んな可能性を知る→努力すればこの場所でも働ける、お給料が稼げる→家族が出来たら子どもをしっかり育てる事ができる→育った子どもがまた学びにくる。

という循環が生まれる場所になると考えています。

また、世代を超えて交流できる場所にもなるイメージでもあります。

クラウドファンディングに挑戦

2009年にイキイキ小学校を建設してから代表夫婦がずっと感じていた事。
笑顔が生まれる場所はみんなで一緒に作ると想像を超える場所になると共に、現地にも日本にも笑顔の輪が広がる!

そんな経験からこのSDGsエコビレッジ構想もみんなで形にしたら絶対に面白いことになる。

と考え、2021年1月7日〜2月28日までの期間クラウドファンディングに挑戦しました。

・オンラインのみの発信でどれだけみんなに伝わるのだろう。
・SDGsエコビレッジのイメージはちゃんと伝えられるのだろうか。
・日本も大変な状況なのに、カンボジアでの活動に対する発信をして大きなバッシングを受けるのではないか。

など、不安材料が頭を巡る毎日でしたが、インターン生の力も合わさり、スタートから1週間で100万円以上の資金が集まり、最終的には630万円もの建設資金が集まりました。

あらためて皆様ありがとうございました!!!

さぁ、建設スタート!!!と思った矢先、、、

プロの竹建築職人を呼ぶため契約書まで交わしていた、カンボジアで唯一竹建築を行なっているカンボジア人の会社の代表の方と連絡が取れなくなりました。

お金は振り込んでいなかったので、そこは大丈夫ではあったのですが、竹はちゃんとした熱処理ができないと1〜2年で悪くなってしまう。。。

作って壊れるというのは一番避けたいこと。

連絡が取れない期間は村のスタッフに竹建築の入り口を覚えてもらう期間として休憩所を作ったり、大きな屋根を作ったりという期間に充ててはいたものの、気持ちは焦り建設資金は少しずつ減っていく。

どうにか他の人や方法を考えて進めなくてはならない。

最終的に契約を交わしていた方に信頼関係が結べないので契約を破棄させて欲しいとの連絡を取る決断をしました。

希望の光

契約破棄を申し入れたところ返信メールが届きました。

『信用を失ってしまった原因は全て私にあるからしょうがない。しかし、もし少しでも信用してもらえる要素が残っているならシェムリアップに住んでいるフランス人のパートナーが力になりたいと言ってくれているので、会って話しだけでもしてみるのはどうだろうか?
私の事業もコロナウィルスの影響を大きく受けて、違う事業を立ち上げその事業を軌道に乗せるため、この数ヶ月間動き回っていて、余裕がなく連絡も返せていなかった。
信用を失ってしまった事は受け入れるし、信用がないと一緒に動くことができないのも理解できている。
でも、大地の建設がうまくいくことを今でも願っています。』

というような内容でした。

僕の中でも大きな葛藤がありましたが、本格的な竹建築はオンラインで教えてもらってできるようなことではないと思っていたので、フランス人のキャロラインさんと会うことにしました。

会って信用が少しでも置けなければ他の方法を模索するしかない。

そこははっきり決断しようと心に決め、会って話してみたら竹を愛するとても好印象かつ、カンボジアにおける未来の方向性があっていて、お金の話しは一旦抜きで力になれるところはなる。と言ってもらえたので、設計についての相談、現場への視察、複数回にも渡るミーティングを重ねともに動き始めることとなりました。

竹を愛するフランス人キャロラインさん

設計図の大幅な変更が必要に、、、

キャロラインさんのチームには確かな竹建築の設計図を描けるプロフェッショナルがいました。

僕たちが作った設計図を見せた所、

『いくつかの問題箇所がある』

と指摘があり、特に大きな問題は屋根の勾配についてでした。

『この設計図でいけるって言われてたのに、、、』

と頭の中でよぎりながらも、確かな形で建設を始めるためには前向きに進むしかない。

あぁだこうだ考えて止まっている時間はもうない。

と思い、設計チームのSUDACHIに連絡を取り、クリアしなくてはいけない条件を伝え、数回ミーティングを重ねた結果、

屋根はもともとの形を残すことはあきらめ、完全にリニューアルさせたデザインで勝負しよう!

と決断し、チームSUDACHIが新たにあげてくれたデザインがこれです!!!

素晴らしいぃ〜!!!
と思うと同時にこれを形にすることに挑戦するのかとドキドキしたのを覚えています。

こうして、なんとか壁を乗り越え2021年11月22日。

思いがけず、ずっと一緒に歩き続けて来てくれているゆき(嫁)の誕生日に本格的な建設のスタートに辿り着きました。

プロの竹建築職人ソクチアさん、ピルムさんも到着
竹建築をおこなう村のスタッフ、プロの職人さん、キャロラインさんと建設開始記念撮影


2022年6月29日現在はこのような形になってきています。



このまま全てを完成させ、未来につなげていきたいと思います!





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