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データバックアップについて現状の結論


●データを失ったトラブルのパターン

ボクはこれまで様々な原因で貴重なデータを失ったことが何度かある。単純にドライブの経年劣化による故障だけではなく、下記のようなケースを経験した。

①RAID設定ミス
家庭内LAN構築のためにWindowsNTサーバを構築し、RAID-1(2台のHDDのミラーリング)を設定した。Microsoftの分厚いマニュアルを見ながら作業したのだが、設定を間違えてしまったらしく、データを格納した片方のHDDに、空白のHDDの内容が自動的にコピーされてしまい、結果的に2台のHDDの両方とも空白になってしまった。

<RAID設定をミスった>

②整理中の取りこぼし
新たに大容量HDDを導入した際、これまで複数台HDDに分散していたデータを1つにまとめようとして、両者の似たようなカテゴリのフォルダをまとめるなど分類整理した。
後日、必要なファイルを探そうとしたが見付からない。恐らく整理中にコピー漏れがあったようだった。

③初期不良HDD
新しいHDDを購入してこれまでのデータを移動したところ、初期不良のためその日のうちにHDDが使えなくなり、データも消滅。
HDDは初期不良交換となったものの、データが戻るはずもなく。

④光学メディア読取り不良
20年以上前にCD-Rに焼いたデータが読めなくなった。ディスク記録面を見たところ明確な劣化は無さそうだったので(※)、焼いた当時のドライブなら読める可能性は高いようだが、そんな旧いドライブが残っているはずもなくどうしようもなかった。
(※CD-Rは外周部や内周部に腐食や剥がれが発生する場合があり、そういうものは見た目ですぐに分かる。)

ボクはこのような試練を経験してきたので、データのバックアップは大きな関心事として捉えている。

●データ容量増加の原因

ボクが所有するデータは現在のところ約25TBくらいかと思う。データの量がこれほど多くなったのは、単に年月による蓄積だけではない。その原因は幾つかある。

①デジタルカメラの高画素化
100万画素の頃から始めたデジタル撮影も、今では6,000万画素となった。当然ながら画像1枚当たりのデータ量が増える。

②RAWデータ撮影
2010年からはRAW現像できる環境が整い、本格的にRAW撮影するようになった。RAWデータの容量が大きいせいもあるが、現像したJPEG画像も加わることでの容量増加は大きい。

③撮影枚数の増加
SDメモリカードの大容量化・低価格化により、撮影枚数を気にせず撮るようになった。

④動画撮影の増加
360度カメラ(insta360)やジンバルカメラ(DJI Pocket2)で動画が増え、さらにそれらの編集で新たにファイルが増える。

●データバックアップの種類

データのバックアップとして、HDD以外ではボクが思い付く範囲で下記のものかと思う。

①テープストレージ
テープストレージでは、1カセットで30TBもの容量を持つものがあるようだ。ボクもこの大容量に目を付けて何度か導入を検討したことがある。
だがテープは主に法人向けの装置であるから個人で導入できるものではない。仮に装置を入手できたとしても、その装置が壊れたらどうするか。通常は年間保守契約をしているものだが、個人の財力でそんな保守契約などできるわけがない。

②光学メディア
光学メディアでは、当初はCD-R(640MB)を使っていた。しかし当然ながらバックアップ対象の容量が増えるに従ってDVD-R(4.6GB)、BD-R(25GB)へと移っていったのだが、バックアップ対象の増加に追い付かず、光学メディアの枚数がどんどん増えることとなり、BD-Rで150枚を超えたあたりで「これは無理がある」と気付いた。
現在では4層128GBのBD-Rが発売されているのだが、それでもバックアップとしては十分なものではなく、根本解決にはならない。
例えば、250GBのデータがあったとする。これは25GBのBD-Rを使うと10枚でバックアップできるだろうか?いや、現実にはもっと枚数が必要となる。なぜならば、バックアップはある程度整理されたフォルダ単位で行うものだから、フォルダ単位がBD-Rの容量にピッタリ合うとは限らない。そうなるとBD-Rの25GBが最大限使えず、大幅に無駄が出てしまう。もしメディアの無駄を最小限にしようと思えば、ちょうどよい容量の複数のフォルダと組み合わせたりするなど、まるでパズルのような作業が必要となる。現実にはとてもそんなことはやっていられないので、中途半端な容量で書き込んだメディアが数を増やすだけとなる。
いや、仮にすべてのデータを光学メディアに収めることができたとしても、いざ数百枚に分割されたデータをHDDに戻すのは気の長くなる時間が必要。いくら○倍速ドライブを使ったとしても、ヘッドが行ったり来たりするので計算通りのスピードはまず出ない。
それからこのような分割メディアは日々内容の変わるデータの保管場所としては不適であり、あくまでも更新を前提としない蓄積データのバックアップとしてしか使えない。あるいはリビジョンバックアップとして、常に新しいディスクに置き換えることになる。
もしかしたら、蓄積データと更新データは別々にバックアップ管理するのも一つの手かも知れないが、管理作業がそんなに細かくなったらボクにはもう手に負えない。
結局のところボク的には、よっぽど消えてほしくないデータだけを部分的に保管する以外は、光学メディアはバックアップの主流には使えないと結論付けるしかない。

③クラウドストレージ
バックアップの新しい形態として、クラウドストレージというものが出てきた。ファイルサーバのWeb版というところか。容量制限無しのところも普通にあるようだ。
けれどもボクは、自分のデータを他者に委ねる気にはならない。こういうサービスは途中で規約が変わるのはよくあること。料金値上げや容量の制限が行われるとしても文句は言えない。「嫌なら解約をどうぞ」と言われるだけ。データを人質にされるというのがクラウドストレージの本質なのだ。そもそも、"サ終"となる可能性も否定できない。
それからアップしたデータが管理会社に筒抜けなのは言うまでもない。「うちはそんなことしません」と言われても、やろうと思えばできるのだから信じる信じないの問題でしかない。いやむしろ、AIを使って著作権侵害や公序良俗に反するものが含まれていないかを積極的に探しているとも聞くが当然のことだろう。なぜならば、違法なデータがサーバにあった場合、サーバ管理会社も罪を問われる可能性があるからで、自衛のためにはユーザのデータを監視することはもはや必須とも言える。もちろん、やましいところがなければデータを見られようと構わないという人が大半であろうとは思うが、だとしても他人に好き勝手に覗かれて良い気持ちはしない。

●結局のところ

結局のところ、大きなデータをバックアップするには同じ容量のHDDに保存するしかないという結論に至った。
ボクは現在所有している25TBのデータを3つのHDDに保存し、そして別の4つのHDDにバックアップしている。バックアップツールには「Backup」というフリーウェアソフトを利用。差分バックアップで時間も最低限で済む。

今後もデータはどんどん増えていくものと思うが、最近の技術ニュースによればHDDがブレークスルーを1つ超えたとかで、停滞気味だったHDD容量も30TB以上の製品が出てくるという。そうなればボクのPC搭載HDDの数も1つにまとめ、今使っているHDDはバックアップ用に回せるだろう。

<HDDがまたブレークスルーを1つ超えた>


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