《写真の保存修復を考えてみた vol.34》~写真保存修復の本#6~ by タケウチリョウコ
今日4月16日の誕生花は「レンゲツツジ(蓮華躑躅)」です。花言葉は「情熱」「堅実」だそうです。
4月も折り返しですね。時のスピードについていけません…。
桜の花が散るとツツジの赤や白の花が道路を綺麗に飾ってくれますが…。『ツツジ』の漢字って、おどろおどろしいですよね…?
こんにちは、タケウチリョウコです。
今日は写真の保存修復に関する本を紹介します。
ちょっと古い本になりますが、1995年3月に発行された『写真保存の手引きー現像・保存・展示のしかた』という本です。
著者はローレンス E. キーフ氏、デニス インチ氏です。
A4版で250頁ほど。雄山閣出版から発行された本です。
学生時代に、この分野の参考書を古本屋さんで探していたところ見つけました。本の帯には当時写真美術館(現:TOP Museum)の館長であった渡辺義雄氏の言葉があります。
渡辺先生、かなりショッキングな表現もありますが、写真への愛を感じます。
現在の写真保存修復の考えは、過去に作成されたプリント写真をどのように保存し、破損した写真を修復するか、について触れられているものばかりです。
しかし、この本は「どのように保存に耐えうる写真プリントを作り、保管のための額装をするのか」が考えられています。
作り手である作家に保存意識を持たせる考えが、非常に素晴らしいと思いますし、当時には無い考え方だったと思います(厳密にはアメリカで1970年代から保存について考えられてきていますが…)。そして当時にしかできない保存方法のあり方を今の私たちに伝えてくれる本です。
本の内容は作り手である作家に向けられた書き方になっています。
写真プリントをマットに固定するヒンジングや額装方法が細かくイラストや写真付きで説明されています。
その他にも、フィルムの保存方法や、保管方法にも触れられています。
vol.2で紹介しました本、『写真の保存・展示・修復』も同じようなアイディアで出版されています。
1995年前後は、保存や修復に特化した本の黄金時代だったのかもしれません。
生まれてくるのが、少し遅かったです。悔やまれます。
それでは、またnoteでお会いしましょう。