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《写真の保存修復を考えてみた vol.35》~写真保存修復の本#7~ by タケウチリョウコ
今日6月11日の誕生花は「紅花(ベニバナ)」です。花言葉は「装い」「化粧」だそうです。私はお化粧を知らないまま大人になってしまいました…。きちんと身なりを整えるのはマナーですよね。日々マナー違反をしていると思うと「みなさまスミマセン!!」の気持ちです。
こんにちは、タケウチリョウコです。
今日も写真の保存修復に関する本を紹介します。
『Issues in the Conservation of Photographs』です。
![](https://assets.st-note.com/img/1718046338110-HbXoI2ColE.jpg?width=800)
こちらは2010年にThe Getty Conservation Instituteから出版された本です。
著者はDebra Hess Norris氏とJennifer Jae Gutierrez氏です。
学生時代にアメリカでお会いしたのですが、お二人ともハンサムな女性でとても活躍されている大先生です…。尊敬しかありません!!
こんな人になってみたいな~っと憧れてばかりです。
さて、本はB5版で730頁もあるボリュームのある本です。
写真の歴史から始まり、技法別に特徴とその劣化、推奨される保存処置などが解説されています。
PartⅠ History of Photograph Conservation
PartⅡ Silver Image Structure and Stability
PartⅢ Silver, Mercury, and Gold: Philosophical and Practical Approaches in the Preservation of Daguerreotypes
PartⅣ Albumen Print Materials: Manufacture, Structure, and Treatment
PartⅤ Photographic Negatives: Problems and Issues
PartⅥ The Preservation of Color Photography
PartⅦ Developing Criteria in the Conservation of Photographs: Collection Management and Treatment
PartⅧ Exhibition Practice
8つのコンテンツに分かれており、さらに72のReadingがそれぞれの専門家によって解説されています。
この本を読んでいると海外にはこんなに写真の保存修復に関する専門家が沢山いるのに…なぜ日本では数少ないのだろう…っと思うばかりです。
本は化学的な内容が多いですが、図が多くわかりやすく読み進めることが出来ます。
一例として、RC(レジンコート)ペーパーに含まれる酸化チタンの反応や湿度が印画紙に与える影響が解説されている頁です。
![](https://assets.st-note.com/img/1718046673978-lPOLgJK0xh.png?width=800)
700頁もあるので読んでいるだけで頭がプシュ~っとなってしまうのですが、コンテンツごとに挿入された写真が素敵すぎるチョイスで心が癒されます。
PartⅣではCarleton Watkinsの『Thompson’s Seedless Grapes』(1880) Albumen silver printです。
![](https://assets.st-note.com/img/1718046728824-3IuqVbqCw0.jpg?width=800)
写真作品を見ていると心がス〜っとします。とても私の心にタッチしやすいので刺激が多い作品は要注意なのですが…。
最近はめっきり静物写真が好きです。19世紀の写真は私にとってサプリメントです〜。
それでは、またnoteでお会いしましょう〜
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