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【息ぬき音楽エッセイvol.19】LOWと信じること by 村松社長

みなさまこんにちは。カロワークスの村松社長です。
ふと気がついたらもう12月も下旬に差し掛かっていますね。毎年のことですが「気絶してたのかな」と思うくらいに記憶の薄い師走…。

しかしながら、街はきちんと季節を映し出しています。
つい先日会社近くにあるイタリアンレストランでランチしておりましたら、BGMはすっかりクリスマスソング一色でした。
一人モッツァレラ入りトマトソースパスタを食べながらBGMに耳を傾けていたところ、「believe」という歌詞が多いことにぼんやり気がつきました。
クリスマスが宗教行事であることを社長は忘れがちなのですが(ごめんなさい)、信者の方々には特別な意味のある日なのだろうなと思います。

特定の宗教でなくても、みなさまは何かを「信じて」いますか?
“信じる”とはどういう状態なのかを考えたとき、社長の中にふと思い浮かんだアーティストが本日の主役、LOWです。
LOWは1993年に結成されたアメリカのグループで、ジャンルとしてはスローコアの代表格とも言われています。メンバーは変遷がいろいろとありましたが、今は創設者でもあるAlan Sparhawkと、彼のパートナー・Mimi Parkerのお二人。
このLOWというバンド、もうすぐ30年というキャリアがあるにもかかわらず、常に新しさを感じる存在です。今年3年ぶりにアルバム(「Hey What」)がリリースされたんですが、また新たな進化を見せつけられ、改めて「LOW、すごっ」となりました。
2021年のベストアルバムに挙げている方も多いですね。分かります…!

「Hey What」の1曲目、「White Horses」(2021)


そして社長がこれからも永遠に好きであろう名曲「Murderer」(2003年)

社長はLOWのサウンド面だけでなく歌詞もかなり好きで、「Murderer」に至っては何故か悔しさを覚えるほどです。
人殺しが必要なら自分がやる、なぜなら私は残酷で、貴方にはもっと重要な仕事があるからだ、と王様に懇願するという内容なのですが、この短い歌詞でこんなに奥深い世界観…もう「参りました!!」って感じです。

LOWの曲はよく讃美歌に例えられるのですが、たしかに混沌の中にある救いのような感じ、全てが破壊されたあとに訪れる静寂のような空気を感じます。
そして何よりも曲から伝わってくるのが、「強さ」であると社長は思うんですよね。曲自体の強さもあるし、曲を作った人間の、演奏している人間の強さ。

わりと長らくLOWを好きだったにもかかわらず最近になって知ったのですが、メンバーのお二人は某宗教の熱心な信者だそうです。かなり腑に落ちたと同時に、偏見でもなんでもなく、LOWを語る上でその事実は外せない重要事項なのではないかと思います。
腑に落ちたと言ったのは、社長が彼らの曲から感じる「強さ」が、何かを心から信じることのできる人間の強さであるとわかったからです。

信じることにまつわるお話をしますと、社長は幼少の頃から自分や親しい人が亡くなることに強い恐怖を感じておりまして、この恐怖は万人に共通するものなのかどうか、周囲の人たちにカジュアルに聞いていた時期がありました。
「もちろん、めっちゃ怖いよ」と言う人がほとんどだったのですが、哲学を専門としている知人と、某宗教の信者である知人だけは「全然怖くない」と言ったんです。意地を張っているわけでもなく、「え、逆に何で怖いの?」ぐらいの勢いで。
その時社長はポカンとしながら思いました、「信じてる人って強い……」と。

きっと死ぬのが怖くないと言った知人たちは、それぞれ神や哲学を心から信じていたんですよね。
よく”信じることで強くなれる”と言いますが、社長は逆だと思っています。そもそもその人の中に強さがあるからこそ、何かを心から信じることができるんじゃないでしょうか。

信じるという言葉はセンシティブな話題になりがちですし、信じる心を悪用する輩も、残念ながらたくさん存在します。そしてこんな時代に、何かを心から信じることはかなり困難であるということもわかっています。
それでも、何かを本当に信じられる強い心を持ちたいなーと、クリスマスを前にしてLOWを聴きながら思ったのでした。
信じる対象は神でもサンタでも、愛でも夢でもお金でも筋肉でも自分でも推しでも何でも良いんですけどね。

ということで、今回が2021年最後の弊社note更新となります。今年も1年間お付き合いいただきありがとうございました。
みなさま良いお年をお迎えくださいね。また来年お会いしましょう〜!

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