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てるてる坊主のラブレター | 毎週ショートショートnote

「拝啓 602号室 てる様
初めまして、突然のお手紙失礼します。僕はミケ。
お名前も存じ上げておりませんが、貴方が現れてから毎日晴れています。
私も同じてるてる坊主ですが、なかなか晴れずご主人に怒られてばかり。
向かいの4階から、太陽のような貴方をいつも見つめています」

「拝啓 408号室  ミケ様
お手紙ありがとう、私はマハリ。同じてるてる同士仲良くしましょう。
ご主人の老婆は、もうすぐ孫の運動会だからと私をつるしてくれました。
その願いに応えるべく、今日も必死で祈っています」

「拝啓 602号室 マハリ様
まさかお手紙が返ってくるなんて…感激です。
でも運動会はとうの昔に終わっているのでは?」

ミケが手紙を書いている途中、速報が流れてきた。

「ニュースです。真張マンションの6階から老人の遺体が発見されました。遺体は腐敗が進んでおり、警察は現在身元を確認中です…」

翌日から、雨が何日も街に降り注いだ。
ミケにはそれがマハリの涙に思えた。

(410文字)


たらはかにさんの企画に参加させて頂いております。
今回は書いてて少し切なくなりました。

#小説 #ショートショート #毎週ショートショートnote #てるてる坊主のラブレター


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