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三日坊主のクレーター | 毎週ショートショートnote

東京ドームほどの広大な敷地に並ぶ数多の作品群。
記念すべき第百回 芸術文化作品賞の発表式が行われた。
厳かな表情でプレゼンターが直立する。

静まりかえる会場。

「それでは…発表いたします。
栄えある第百回 芸術文化作品賞大賞は…
『三日坊主のクレーター』です!製作者の方はご登壇ください」

すると、会場席から袈裟を着たお坊さんが30人おもむろに立ち上がり、
表彰台に登った。髪のない坊主が30人ずらりと並ぶと異様な光景だ。

「ご受賞おめでとうございます。
受賞作を作成された経緯を教えて頂けますか」

「ありがとうございます。
我々の無毛を生かし、時間差で固まる粘土層の床に、
30人全員で頭をツッコみました。そして読経しながら3日間、
飲まず食わずで作り上げたのがこの作品です」

「正気の沙汰とは思えません。素晴らしい作品です。
本当におめでとうございます。」

「我々は生えておらんですが、
栄えある100回目の大賞に選ばれて光栄です」

会場がどっと沸いた。

(410文字)


たらはかにさんの企画に参加させて頂いております。
ようやく追いつきました!

#小説 #ショートショート #毎週ショートショートnote #三日坊主のクレーター


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