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『ほろよい読書おかわり』読了

こんにちは。春なのに薄曇りや雨ばかりの1週間でしたね。

前回の『ほろよい読書』の読了感がよかったので、続編であるこちらを読みました。

▽前回の感想はこちら

実をいうと、途中で「うぅ~ん…」となってしまって読み終わるのに時間がかかってしまいました。
事前に口コミなどでも1ほどではなさそうな雰囲気はわかっていたものの、やはり前作のほうが好みの話が収録されていた印象です。

きのこルクテル/青山美智子

「木曜日はココアを」や「ただいま神様当番」などで有名な作者さんだったので楽しみにしていましたが、
やはり事前に抱いていた印象通り、前向きになれるほっこりエピソードでした。

主人公が仕事の悩みと下戸であるコンプレックスを抱えていて、なんだか感情移入してしまいました。
仕事の悩みって誰にでもありますよね~。
あとコンプレックスって他人から見るとどうでもいいことだったりしますよね~。

barでカクテルなんて長らく飲んでいないのですが、いつか「いきつけのbar」を作りたいなと思うこの頃。

オイスター・ウォーズ/朱野帰子

題名こそかの有名な宇宙戦争映画の文字りですが、読んでいくと現代のSNSの闇みたいなものをこれでもかと喰らう内容でした。

作者はオジサンが大嫌いなのでしょうか?笑
オジサンLINEならぬオジサンのクソリプの再現率が高すぎました。

全体的に旧態依然としたオジサンは滅べみたいな内容で笑いました。

これってX(旧Twitter)をやっていなかったり、年齢が40超えている人たちにはあまりピンと来ない内容なんじゃないかな…と勝手に心配してしまいました。

ただ、牡蛎をひたすら食べて白ワインか日本酒を飲むというのはとても楽しそう。
傍からみたらキラキラ若手社長が若い女の子とデートしてるだけにしか見えないし、なんか最後まで結局イチャイチャしてるようにしか見えなかったのは私だけでしょうか。

ハイサイホンベー/一穂ミホ

こちらは、父の死をきっかけに帰国したバリキャリ女子のしっとりとした贖罪のお話かな…?と思いきや
途中から背後から突き落とされたような裏切りの展開がありました。

個人的に性的な描写が苦手なので楽しめたか?と言われるとかなり微妙だったのですが、そうきたか!という驚きがあったのは前作の「初恋ソーダ」と似ているかも。

きみはアガベ/奥田亜希子

今回の『ほろよい読書おかわり』の中で一番さわやかで好きだったのはこちらの作品でした。

読んでいるとタコスが食べたくなります。
主人公が親バカならぬ姪バカすぎてちょっとだけキモいのですが(最後の一文とか)、
思春期の恋愛の甘酸っぱさや苦さ
夏休みに偶然町で会うクラスメイトが特別に感じられたり
炎天下の中自転車とか漕げるけどまだ汗とか全然臭くなくて
みたいな空気を胸いっぱいに感じられる作品でした。

大人の恋愛が告白もなく体の関係からなし崩し的に始まったり、
男女の友情と恋愛が成立しなかったり、よく知らない相手と夜を共にしたりする一方で
思春期は連絡先の交換から少しずつ仲良くなってきちんと告白したり
男女の友情が成立すると思っていたり
対比が面白かったです。

姪の凛子ちゃんがどんな大人になって恋愛をするか楽しみになりました。(アセクシャルの可能性ももちろんあります)

タイムスリップ/西條奈加

題名の回収に関しては本当に肩透かしを食らったのですが、
こちらは比較的アッサリしつつ「ほろよい読書」という題名に即した内容でした。

死ぬほど白ワインと牡蛎を食べさせられて、胃もたれするベトナム料理を焼酎と食べて、タコスとテキーラまで行っちゃった後のお話だったので
このくらいで良かったのかもしれません。

ただしアッサリしすぎてよくわからなかったのは
なぜあの一夜を経て急にヨリが戻ったのか?ということ。
良いお酒と食事によって自分と向き合えたとかそういうことでしょうか。

おわりに

こちらの作品は続編は出ていないみたいですね。
他の人も口コミしているように、1に比べてちょっとパワー不足だったので3はないのかもしれません。

1は「barきりんぐみ」が良すぎた…!

とはいえ、赤ちゃんがいてなかなか外食できない今、
色んなお酒の豆知識を得られたり、おいしそうなフードが出てくるので読んでいて楽しい気持ちにはなります。

やっぱり子育てをしていると急に自分時間が終わったりするので
サクッと読める短編集は重宝しますね。

他にも素敵な時間が過ごせる短編集を見つけたいと思います♪

莢子

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